マガジンのカバー画像

恋にまつわるいくつかのはなし

14
人を好きになるってどういう気持ちなのか、恋に落ちて初めてわかる。君という存在が教えてくれた。みんなが言っている恋とはこういうことなんだと。
運営しているクリエイター

#小説

くちびるが離れた後で

久しぶりの出張の帰途。 久しぶりの新幹線。 新大阪から上り方面。 水滴のついた車両がゆっ…

岬にて

どうしてこうなったのかとも思ったが、考えてみれば最初から必然だったのかもしれない。どんな…

友情のその先にあるもの

二年に一度くらいの頻度でお逢いしている女性がいる。以前にnoteで書いたこともあるけど、大切…

友情

もう10年以上前に仕事で知り合いになった女性とずいぶん久しぶりに電話でお話しする機会があっ…

身体が透きとおる瞬間に

確かに愛しあっているのなら、二人の身体は溶け合いひとつになる。溶けて混ざり合うその一瞬前…

君に教わったこと

君により 思ひならひぬ 世の中の ひとはこれをや 恋といふらむ 在原業平 ーー…

接点

中三のとき少し気になっていた背の高い陸上部の女の子のこと。高校に入って少し経った頃、街で見かけた。ピンクの原チャリに半ヘルをあみだにかぶって、仲間と甲高いエンジン音を響かせながら駅に向かう道を疾走していた。昔よりも伸びた髪が風になびいていた。中学校では見たことのないような笑顔だった。 中三の一年間だけ同じクラスだった。言葉を交わしたのも一回か二回あるかないか。ぼくたちのグラフはほんの一瞬の接点のあと、また果てしなく遠ざかっていき、もう二度と交わることはなかった。過ごした学年

恋とは何でしょう

恋とは何でしょう それは小一のとき 机をあわせて一緒に描いた四コマまんがと転校のしらせ …