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美容室の“新規集客の在り方”と“リピーター最優先”ということを、改めて考える。

少し早いかもしれませんが、あえて『with & after コロナを経て…』という言葉を用いて進めていきます。

はじめに。

緊急事態宣言解除から、多くの美容室で「平日も、土日並みの来店です!」と、嬉しいお声を聞きます。しかし、これを手放しで喜ぶわけにはいかず、今なお『密』『伝え方』『第二波』等のキーワードを意識しつつ、慎重に進むべき状況でもあります。

そんな状況で、美容業界にお世話になっている企業にいる者として、考え、伝えたいこと。それが、美容室本来の『新規集客の在り方』と『リピーターを最優先する』ということの大切さです。

これは、これから始める!というより、今までの在るべき姿を、むしろ『取り戻す!』と考えるべき。

今後、オンライン講習やリアルなセミナー(いつ実施できるのか…)でも、今回のお話をベースにお伝えしていこうと考えておりますので、美容業界の皆様にお届けするという気持ちと同時に、自分の記録としても書いておきます。(5000文字近くあります。)

という訳で、講習ということで考えると、ここで改めて…

講師プロフィール

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こういうことって、内容も大事ですが、その話を「どんな人が話すのか?」これも重要です。なので、あえて改めてカンタンなプロフィールを掲載しました。

私、こんな人です。美容業界オンリーで20年間、サロン専門ポスレジ屋の営業マンとして活動しつつ、美容業界誌にコラム書いたり、美容業界専門出版社から著書➩『ゆるガチ集客』を出版したり、色々と情報発信したりしています。(もう、現場の営業は後進に託すべきだな…)。

で、今回のお話は、この著書にも関係する『集客とリピート』について。これから重要と考えているのは『新規集客の在り方』と『リピーターを最優先する』ということ。

『新規集客数の目標』の考え方について

まず新規集客について、私から質問です!

「新規集客数の目標は?」

様々な答えがあると思いますが・・・

『ホットペッパーで50人!』

ここでは、あえてこの回答をベースに、話を進めていきます。この新規集客数の目標ですが、これまでは以下のようなメリットがありました。
〇1つの集客ツールに集中すればよい。
〇スタッフの集客への負担も軽減できる。
〇コストパフォーマンスも悪くない。

と思われていました。

しかし。このコロナ禍において・・・
●入り口が1つだけで予約できない。
●スタッフのやることがなくなる。
●コストパフォーマンスは悪くなる。

そんな状況というケースもありました。

逆に、そんな中で・・・
◎直接のお問い合わせが増える!
◎個人・地域集客の効果が上がった!
◎低コスト・アナログがむしろよい!

と、地道な努力を続けられていたサロンだからこその、明るい声もいくらかありました。(ただ、今回の状況下では、新規を受け入れにくいというサロンも多かったのではと思いますが…

ここで、とあるホトペ集客50人の裏側を分析してみましょう。

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実データを基に編集しております。

実は『ホトペが無くても、別のきっかけで、先にサロンを知っていた。』というお客様が7割だったということです。そして、そういうお客様の方がリピート率が高い!逆に、純粋なホトペ新規は新規集客数の3割で、リピート率も20%。この結果から考えると、本当に今までコスパが良かったのでしょうか?そんな疑問さえも感じられます

これは、以下の『お店との出会い会議』で発見されたことです。

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集客サイトオンリーの努力しかしてこなかった場合は、このような結果にならないかもしれませんが、地道に地域サロンとして、個人として、色々な努力をしていると、上記のような結果になります。

なので、新規集客数の目標は、単純に1つの集客サイトで50人!とかではなく「新規集客の内容分析」と「リピーターの動向」を踏まえて、サロン成長に最適な新規数を決めてから考えるべき!と思っています。この目標設定の話だけでもかなり長く書けますが、それはまた別の機会に。(参考記事は過去個人ブログ➩『最適新規数の考え方』よりどうぞ。)

『集客サイト一択の新規集客』2つのデメリット

では、ここで実は気づかれていなかった、集客サイトオンリーの新規集客目標の、2つのデメリットについて。

①サロン自体、美容師さん個人の、地道な努力までもが『集客サイトで集めた新規数』としてカウントされ、さらにリピーターになっても、集客サイトのネット予約を使い続ける!

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掲載プランアップの提案を受け入れ、ネット予約手数料2%も増えていき、広告コストを下げるきっかけが、見つかりにくくなる。

②1回切りの新規客が多いことで、いつも来ている常連さんが本来予約したい時間も奪われている。

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それにより、常連さんの来店タイミングは先になり、場合によっては予約しにくくなったと、失客してしまうことも。

どうでしょうか?思い当たる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

逆に、このコロナ禍で『新規がむやみに動かなかった。』ということと『リピーターさんを最優先すべき』ということは、チャンスと捉えることもできます。

もちろん、世の中の変化に順応することは必要で、スマホという1人に1台のツールを活かす集客は、今後も意識するべきです。しかし、美容室の大半は『リピートビジネスであり、地域密着ビジネス』です。ということは、業界内の資産は『リピーターさんであり、地域のお客様』です!美容業界の競争激化、便利過ぎる世の中での集客ツール乱立で、この本来の『業界内の資産』を軽んじてきたのかもしれません。美容業界は、今それを『取り戻す』時なのではないでしょうか?

だからこそ今、考えるべき『2:8の法則』とは?

ここで、美容室の運営が成り立つ原点として、お客様との『信頼』が、底力であるということを、今一度考えていただきたいです。そして、それが数字で明確になるのが『2:8の法則』です。

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と言うことは、お支払い貢献度の高いお客様上位50%を、最大限に大切にすれば、売上の90%は維持できるということ。逆に、新規に力を入れ過ぎると、その上位50%のお客様が来てくださるはずの、本来の機会を失っているかもしれない。

実際、今回の大変な状況下で、以下のようなことがより明確になりました。

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そして・・・

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やはり、リピーター・常連さんを大切にして、地域サロンとして、お店も人も知ってもらえるような地道な努力、これが美容室を支えていたということでしょう。

では、そんなサロンは、そうでないサロンは、お客様は、世の中は…

どう考え、どう変化し、どう行動し、どうなっていくのか?

改めて「リピーター最優先」であるべき!

まず、リピーターを最優先することが、今後の業界回復に向けて一番の近道ではないかと考えます。しかし、今回の新型コロナ感染拡大という、誰も経験したことのない状況下では、お客様の意識も様々に変わってくるはずです。なので、どんなことが不信感につながってしまうか?そこには100%の正解は無いのかもしれません。もしかしたら『一度離れて、また戻ってくるお客様もいるかも?』『まさか、あの人が来なくなるとは!』ということも、想定しておくべきでしょう。

そこで、とにかくリピーター・常連さんに対して『やるべきこと』は、徹底的にやるべき時です!

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例えば、以下のようなこと。

*『安心安全』の告知=付加価値を!
*『お客様への思い』 を手紙で伝える!
*今こそ!『お家ニーズを開拓』すべき!
*プロフィールの見直しと更新を!
*Blog移行で、自社コンテンツの充実を!
*クーポンは、コストから 『価値』 へ!

これらは、今回のコロナ問題があったから、改めて取り組んだサロンも多かったとは思いますが、実はリピーターを最優先するなら、今までもやっておくべき努力だったはず。なので、既に以前から取り組んでいたサロンでは、前編で書いたように『顧客重視サロンの売上ダウンは最小限・むしろ売上アップ』という結果につながっています。

そんな中で、お客様にお手紙を書いているサロンも多かったのですが、今はスマホ1つでも、お客様とつながれる時代です。

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個人情報の問題とかを考えるとキリがなく、賛否両論もあるかもしれません。しかし、スマホを通じて指先一つで情報が飛び交う時代に、もう個人とつながることを防ぐ方が無理があるという見方もあります。なので『個人のつながり』ができることを最大限に活かすことも、お客様との信頼をつないでおく方法の1つです。(もちろん、ソーシャルリテラシーの観点からの、一定のルールはあるべきですが…)

実際に、以下の様な美容師さんのツイートもありました。

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これは、スマホが無い時代ならハガキで、さらには電話で、それがメールになったり、アプリになったりと変化してきましたが、目的は『お店の外にいるお客様との接触頻度を高める。』ということ。そして、忘れられない・思い出してもらう。という、努力で失客を防ぐ。まさに、本来あるべき姿ということです。

これからの取り組みが、今後の『差』になる?

考えてみれば、リピーターさんにできることは、他にも色々あります。それが、便利な集客ツールを最大活用することが優先されてしまった結果、地域密着とリピーターという、大事な価値を軽視することにつながっていたのかもしれません。

そして、これからもそのままだった場合…

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お客様だけではなく、場合によってはスタッフにまで悪影響が及ぶ。こんな結果になる可能性もあります。

今、そして、これからもやるべきことに、どれだけ力を注げるか?それが、本当に大きな回復スピードを差になってきます!

こうなるのか?

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今まで外出を控えていたお客様が、きっと笑顔で戻ってきてくださるでしょう。既に、今もそんな声も多くなってきています。さらに、地域の美容室を探したい!と、改めて考え始めた新規のお客様も増えてきたというケースもあります。しかし、その中でも油断せずに『密』を防ぎつつ、ご予約の取り方・お電話の対応・安心安全の伝え方などに、最大限の努力も必要な時ですね。

逆に、何もしていなかったら…

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こうなるのかも?そして、またも集客サイト頼みになるのかも?または、たまたま遠くのサロンに行っていたお客様が、近くで空いていたからという理由で新規でご来店くださるかもしれませんが、またイチからの関係構築になります。

やはり、多くのリピーターさん、常連さんが早くいつも通りに来ていただけるようになることが、今もこれからも最も重要です。

ここで、今後の集客サイトの動きについて、個人的に考えたことを少し書いておきます。美容業界として、そうあってほしくはないですが、もしかしたら大手サロンはこの状況からの回復のために、集客サイト攻勢をかけてくるかもしれません。そして、集客サイト運営業者さんも必死です。『この機会に、周辺エリアのお客様を“生活応援クーポン”で獲得しましょう!』という戦略・提案もあるかもしれません。

美容業界全体が、同じ方向を向いて!

そんな、大手サロン・集客サイト等の攻勢に影響されることなく、地域密着でリピーターの多いサロンの皆様には『地域密着という武器、リピーターという資産』を最大限に活かしてほしい!美容室の本来あるべき姿で、業界外に大きなキャッシュアウトをすることなく、業界内資産を最大限に活かして、業界回復速度をアップしてほしい!

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そして・・・

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まだまだ、これからのヒントは、色々とありそうです!

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そこから考えられることに、必死で真剣に取り組んでいただき…

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こんな未来を描いていただきたいです。

そして、少しずつ新規集客に対しても、積極的に動ける時が来たら、改めて以下のようなある取り組みや、様々な事例もさらに詳しくお伝えしたいです!

今後やるべき取り組み・成功事例等

まず、ある取り組みとは?

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私の著書にも詳しく書いていますが、お店ベストなスタッフさんを、もっとクローズアップして、やっていることを明確にして、それをみんなで共有できるようにしよう!という会議です。これで、以下の様な多くの事例が見つかっています。

事例①:紹介新規リピート率アップ!

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最初のカウンセリングで「今日は、どうなさいますか?」って、つい言っちゃいますよね?でも、ある美容師さんは『そのトーク、実は危険なんです!』とのこと。その理由と対策とは?(➩過去参考ブログ

事例②:ホトペ指名リピート率アップ!

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ちょっとしたことですが、実は意外にできていないこと!集客サイトの営業さんは、多く集める工夫は教えてくれますが、多くリピートする工夫は教えてくれません。そんな、ちょっとした工夫をお伝えできます!(➩過去参考ブログ

事例③:ホトペ新規の次回予約率90%!

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これは、ちょっと企業秘密かも?「集めるべきお客様」が明確で、さらに「次に来るべき理由」が明確!そしてもう一つ、クーポン掲載のある工夫とは?(ヒントを書いている、参考個人ブログは➩コチラへ)

そして、やっぱり重要なのは『常連さん』です!失客防止・単価アップ事例などのヒント、以下にて少しご案内。

事例④:顧客失客防止策を見つける!

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この「失客原因会議」ですが、まだまだ実施しているサロンが少ないです。よくある失客理由がわかれば、未然に防ぐための取り組みも考えられます!電話予約のミス?技術的ミス?繁忙期の接客不備?マンネリ?などなど、どんな失客理由が多いのか?自店に多い失客ケースへの対策が見つかる!そんな会議です。

事例⑤:VIP客への促進力アップ!

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客単価アップは、実は自店の人気メニューに隠れている!そして、意外に『あるある』な、スタッフのマインドの切り替え。この2つを考えることで、VIPなお客様がもっと増やせるかも?

事例④⑤については、それぞれ➩過去ブログから、具体的な内容も書かせていただいております。

まとめ

いかがでしたか?

売上アップ・リピート率アップ等のヒントは、まだまだ、サロン現場に、自店に、目の前に、たくさんあるんです!何でも、新しいことや流行が良いわけではなく、これを機に足元を見直してみれば、きっと成長へのヒントがたくさん見つかります!

今こそ、リピーターを最優先しつつ、効率よい新規集客・リピート率アップで、より効率よいサロン経営を目指しましょう!そして、少しの補填と少しの成長のために、自店にちょうどよい新規集客を確立し、変化に対応しつつも、変化にとらわれ過ぎずに、バージョンアップしていきましょう!

きっと、それが地域密着サロン経営の、本来のあるべき姿のはずです。

上記の事例等も含めて、直近では以下のイベントにて、オンライン講師としてお話させていただきます。➩online conference 2020

他、ご要望がありましたら、オンライン(Zoom会議とか)でも、リアルでもお話できますので、お問い合わせお待ちしております!

美容業界の、今後の回復、発展を、今も、これからも、応援し続けます!

田中優勝

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