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東と西の植物図鑑

「世界で一番美しい○○」のようなタイトルで、動植物を扱った図鑑をよく見かけるようになり、図鑑好きのひとりとしては嬉しい限りですなのですが、その魅力は、植物図鑑なら、葉脈を忠実に捉えていたり、葉に生えている毛の一本一本までを生き生きと描いている様。

昆虫だったら、吸い込まれそうな眼球の細かな描写や、玉虫色の美しさをドラマチックに再現していたりする繊細なタッチと、どれも小宇宙に現れる神秘的な美しさに惹かれるのです。


そんな図鑑好きにはたまらない場所が、東京駅丸の内南口を出てすぐのJPタワー(東京中央郵便局が入っている、日本郵便が手がける商業施設)の2・3階にあるミュージアム「インターメディアテク」です。大学の研究室に入ったかのような、重厚でアカデミックな雰囲気がかなりいい感じ。


縁あって、スウェーデン関連のお仕事をさせて頂くことが多いのですが、2018年は日本・スウェーデン外交関係樹立150周年の記念の年でした。各所でイベントが行われていたのですが、インターメディアテクでは特別展示『ルドベック・リンネ・ツュンベルク――ウプサラ博物学三代の遺産より』が開催されていました。18世紀北欧に花開き、現在に受け継がれた博物誌の世界と日本との繋がりの展示です。


精度が高く、アートの性質も持った図鑑は、ボタニカルアートとしても人気で、原本はかなり高額になるものもあるくらいで、学術的資料としてもアートとしても楽しむことができる展示ですが、もうひとつ興味深い点は日本との繋がりがある点。スウェーデンの植物学者カール・ペーテル・ツュンベルクは1775年に来日し、「日本植物誌」を記しています。そして展示には同時期の日本の植物図鑑も一緒に展示してありました。

同じような気持ちで、植物の細かいところまで捉えて図鑑にした、東と西の学者たちのタッチの違いが、図鑑好きとしてはまたたまらない!


東と

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西と

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そして、北斎先生と

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同じ題材で、表現の違いを見ることもまた興味深い体験ですよね。

今日のメイン画像は、スウェーデンの植物学者カール・ペーテル・ツュンベルクの切手です。日本が描かれている!


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