「本物」は自分の心の中にしかない:富嶽三十六景『赤富士』から「本物」について考える
70歳がスタートライン:北斎先生の生き方から学ぶことで、葛飾北斎先生を取りあげたので、今日は有名な作品、『富嶽三十六景』全46図中の1図「凱風快晴(通称 赤富士)」をモチーフに、本物についてと美術の見方について書いていきたいと思います。
この絵は木版画で、肉筆浮世絵とは違うことがまず大きなポイント。肉筆浮世絵は筆で描かれた一点物。片や木版画は版画なので、大量印刷をすることができ多くの「本物」が存在します。通常は初摺(しょずり)と言われる最初に摺った200枚は、絵師の指示通り