なんでも、ではなくなったけれど
わたしは友達に恵まれていると思う
彼氏は途絶えることが多かったが友達とは深く長く
そして大学時代に出会った友人たちとは特に濃厚な時間をともに過ごした
その中の1人の彼女とは過ごした時間がダントツで長い
家も近く、仕事の後疲れていても会える距離感だった
海外に一緒に行ったこともあるが、基本いつもスシロー+温泉+コンビニ+車の中でダラダラというラフなコースだった
わたしに負けず劣らず男運の悪い彼女もしっかり彼氏が途絶えていた
2人でせっせとコンパに行き、紹介を受け、その時間も共有した
あの人と今度ご飯行くことなったよ〜
次はドライブだよ〜
今日会ったらなんか違う気がしたんだよね
毎日連絡とってるのに全然会おうってならないんだよね
やっと飲み行くことなったよ
他にもテリトリーの女の子が何人もいるっぽい
ちょこちょこネタはできるがそれ以上がなかなかなく、かつ前の彼氏を互いに引きずっていたこともあるだろう、自己肯定感が高くないわたしたちは温泉で涙することまであった
結婚にそんなに囚われなくてよくない?
今しかできないこといろいろあるよ?とそっと伝えたい
そんなこんなで彼女は高校時代の同級生から猛烈アプローチを受け、それはそれはさわやかな優しい男性とみんなに祝福され結婚した
一方のわたしもなんだかんだの縁があり、学生時代からの付き合いとなる今の旦那と結婚した
よりを戻すなら結婚だろ?と圧をかけプロポーズより先に結婚式場を決めてしまう策略的なものでもあった
結婚式も2か月違いだったので式場のことやドレスのこと、食事のこと、招待客のことなどいろいろな相談をし合った
彼女の式でわたしは友人代表のスピーチをし、わたしの式ではシャイな彼女は受付をしてくれた
子供たちも同級生でしっかり二個差の洗礼を受けている
わたしは結婚のタイミングで地元を離れたが、彼女がいたから寂しくなかったと言っても過言ではない
2人でTwitterのようなLINEを毎日のようにしていた
やっと安定期
食欲が止まらない
夜ご飯なにつくる?
旦那飲み会
ドラマ何見てる?
破水した
病院行ってくる
母乳でない
つらい
夜泣き眠いね
あー朝来ちゃった
旦那またソファで寝てる
はらたつ
なんてことない連絡に救われた
あーお互い頑張ってんな
そう思うことが力になっていた
でもそれはわたしだけだったのかもしれない
第二子を出産し、入院中にもお見舞いにきてくれた彼女から退院の日電話があった
電話?珍しいなと思いながらも出てみると、それは離婚の報告だった
頭が真っ白とはこういうことを言うんだろう
生まれるまでは、と黙っていたと言ってくれた
でも本当に悲しかった
悔しかった
知らなかったせいで、わたしのなにげないLINEが彼女の心を傷つけていたであろうことに
そして何も気づかなかったことも悲しかった
2歳と0歳の子供がいてしょーもない不倫で離婚をするような夫婦にはとても見えなかった
わたしが悪阻で匂いに敏感なとき、さっと息子のおむつを替えてくれるような優しい旦那さんだった
彼女はいつも旦那さんをたてていたし、マメで綺麗好きなかわいい奥さんだった
お似合いの2人だと思い込んでいた
結婚式の二次会で、旦那さんから
奥さんはなかなか人に心を開かない
ここまで心をゆるしてる友達はいないと思うから
これからもどうぞよろしくね
とそっと声をかけられた
夫婦のことは夫婦にしかわからない
彼女も悪いところがあったのかもしれない
彼も我慢していたのかもしれない
だけどわたしは彼を一生許せないと思う
なんでも話せる
なんでも相談できる
なんでも聞いてほしい
なんでもってことはできなくなった
我慢というと大袈裟かもしれないけど
今までとは変わってしまった
こういうことがなくても36ともなればきっとそれは普通のこと
彼女とだけではない
だんだんと違う付き合い方に変えたいったように思う
少しは話せる
少しは相談できる
少しは愚痴もこぼせる
それできっと充分
でも本当の辛さや寂しさはまだ言えないし言わない
今戦ってる
あともう少し、もう少ししたら
もう少し楽になったら
あのとき辛かったねとおおいにねぎらいたい
そんなの求めてないだろうけど
それでも気丈だったね!強くなったね!とちゃんと褒めたい
距離感も距離の取り方も昔とは変わったけど大事な人であることは変わりない
帰省したら久々のスシロー温泉コースを提案してみようと思う
最近ハマっているカラオケをゴリ押しされそうだけど
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?