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海外ドラマの次の次の巻を借りる理由

6巻がないときは7巻を借りるべきである。

これはかつてTSUTAYAでアルバイトをしていたときの話。

いまや定番のエンタメとなった海外ドラマの走りと言えば「ER 緊急救命室」である。若かりし頃のジョージ・クルーニーも出演しているし、むしろ彼の出世作である。

レンタルが開始されるやいなや、ものすごい人気で争奪戦となり、新作料金などもろともせずファンが殺到した。

そして私もその中の1人であり、睡眠時間を削って、毎日夜更かしをしてエピソードを楽しんだ。

一度に借りるのは3巻までとし、見終わったら返却し、そして次の3巻を借りる。そうやって楽しんでいたが、人気作品ゆえに必ずしも3巻借りられないこともある。誰か他の人が借りているからだ。

その度に悔しい思いをしていたのだか、あるとき気がついた。

このままではずっと同じ目に合い続けると。

そこで、次の次の巻を借りるという行為に出た。

ようするに、4〜6巻を借りるべきところ、6巻が誰か他の人に借りられているとする。

そこで、4、5、7を借りる。すると、6巻を借りている人が7巻を借りられないので、ここで順番が入れ替わる。

何を言ってるのかわからないかもしれないが、ペースが相手からこちらに移ったのである。

ライバルのあとを追いかけて鑑賞するのではなく、こちらがリードしたってこと。

ライバルが6巻を返却しても7巻を借りられない状況をつくりつつ、自分は返却された6巻を借りる。

しかしこの方法は諸刃の剣的な要素を含んでおり、7巻の返却日までに6巻を借りることができなければ意味がないし、むしろダメージを負う。

だが、そうまでしても見たくなる魅力が「ER 緊急救命室」にはあった。「プリズン・ブレイク」の続きが気になって眠れない夜を過ごしたことがある人ならわかってもらえると思う。

いまはネット配信が当たり前になり、すぐに続きのエピソードを見ることができる。返却しなくてもいいし、めちゃくちゃ便利なのだが、レンタルして家路を急ぐあの高揚感はたまらないものだった。

そんなドキドキが便利と引きかえになくなったわけだが、それに代わるドキドキがどこかで生まれているといいなと思いつつ、今日もネット配信で映画と海外ドラマを楽しむのである。

それではまた。ご存じ、ゆうせいでした。

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