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失敗して凹んだときにこそ見たい映画『ファインディング・ドリー』

めちゃくちゃ慎重に進めたのに失敗することがある。さっき確認したときは大丈夫だったのに、まるで異次元に巻き込まれたのか?と疑うほど、見えない力が介在したのかと思えるほど失敗することがある。

すべてなかったことにしたいし、消えてしまいたくなるし、神様が許してくれるなら誰かのせいにしてしまいたいほどに、いろんな感情に巻き込まれ、闇に引きずり込まれそうになる。

そんなとき俺は『ファインディング・ドリー』を見て、心の安寧を取り戻すのだ。

2003年に公開された前作『ファインディング・ニモ』で、人間にさらわれてしまったニモを探すマーリンと共に大活躍したドリーが、本作では自分の両親を探す旅にでる。

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ドリーは何もかもすぐに忘れてしまう。本人は忘れてしまいたくないのだが、いまさっき話した内容ですら忘れてしまうことがある。今回もたまたま思い出した両親との記憶を頼りに、ほぼ情報ゼロの状態でいきなり探しにでかける。

一見すると「やべぇやつ」なのだが、とにかくやってみる、すぐやる課の課長もびっくりの行動力には驚かされるし、尊敬の眼差しを送らざるをえない。

俺たちは仕事でもプライベートでも、なにか大きな壁にぶつかると、その大きさにもよるが、すぐに諦めてしまうか、萎縮して本来の力が出せなくなるものだ。

そして、そんな情けない自分を自分で守るために、

・できることはやった
・そもそも無理だった
・壁がすごいんだもの

と、すっぱい葡萄の童話さながらの言い訳を考えて慰める。

どん詰まり、八方塞がり、五里霧中の状況に対して、「はいはい、やりましたやりました、もうむりでーす」と結論づけて思考を停止しようとする。

でも、ドリーは違う。

そもそも失敗したことを忘れる。もっと言えば、チャレンジしたことすら忘れる。だからまたゼロベースで挑むことができるのだ。

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神経質で心配性でネガティブなマーリンの忠告を無視して、幼いニモの応援を武器にして、そして謎のタコ・ハンクの協力を得ながら(半ば無理矢理?)、ただ両親を探す。前へ前へと泳ぐ(進む)。

まるで、自分のやり方や意見を押し付けてくる上司や先輩をかわしつつ、応援してくれる同僚や部下の声を背に、敵か味方かわからないクライアントをいなしながら結果を出すスーパービジネスマンのようだ。

そんなドリーを、俺はマジで尊敬している。

ドリーを見ていると、嫌なことをすぐに忘れることができていいよね〜と楽観的で能天気な発言をしそうにもなるが、それは間違いだと思い知らされる。誰かのせいにすることもなく、自分を責めることもなく、常に前向きでプラス思考の超絶ポジティブフィッシュだからだ。

どんな状況でも、なにか他に方法があるはずだ。そうドリーは教えてくれる。

『ファインディング・ドリー』
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
(C) 2016 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

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