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高次脳機能障害の夫と楽しく!~俺、不安なんだ、とよく言う夫

最近、「俺、不安なんだ」と、夫はよく言います。
「こんなんなっちゃったけど、俺と一緒にいてくれてありがと」
「こんな予定じゃなかったでしょ。俺はこんな予定じゃなかった」
「俺、バカになっちゃった?前からバカだった?…よくわからないや」
「…俺、不安なんだ」


存在があやふやであることの不安

夫が最近「俺、不安なんだ」と言うようになりました。以前は、そんなこと言わなかったのですが。
いろいろな認知機能や理解が、回復してきたことの一環なんだと思います。自分の状態をより深く、把握するようになったのかもしれません。

まあ、不安だろうなーと思います。それは、そうでしょうね。
夫にとっては、いつも前後の脈絡なく、突然、「今この場」にいるのですから。
夫の不安は、私が夫を捨てるとか夫を嫌いになるとか、そういった小さなことから来るものではなく、自分の存在そのものがよくわからない、そういう不安なんだろうなーとは想像します。

人間というのは、時間のなかで生きています。過去と今を結びつける記憶によって「自己」を継続的な存在として認知するのですから、その記憶がない夫、あやふやな夫は、今、自分自身の存在がつかみどころなく、あやふやで、もやもやしているんだろうなーとか。

考えるだけで、共感したり、わかってあげられるわけではないのですが。

「今、俺が考えてること当てて」ゲーム

夫は倒れて以来、甘えん坊で構ってちゃんであることを全く隠すことなくストレートに出してきますが(笑)、よく、「今、俺が考えてること当てて」と言ってきます。

答えは8割がた、「好き」「大好き」「愛してる」「幸せ」のどれか(笑)
残り1割は「奥ちゃんの鼻の穴に俺の指を入れたいと思ったけど、それは怒られるからやめた」で、残りの1割がわからない(笑)

そんな感じなので、たいてい当たるのですが、
「言わないで伝わった~。すごいねー俺たちすごいねー心が通じ合ってるね」と、毎回、毎回、当たるたびに喜んでくれます。
「言わないで伝わると、すごい嬉しいんだー俺」と、泣きそうなほど喜ぶ夫。

「何か確かなもの」がほしいよね

きっと、夫はいつもどこか足元があやふやで、根源的な不安に囲まれているので、「言わないで伝わる」と、何か確かなものがあったような安心感も含めた喜びを感じるのかもしれない……というのは100%私の想像ですが。

なので、「俺の考えてること当ててゲーム」が5分に1回の頻度で始まって面倒くせーなーと思っても、こんなに喜んでくれる夫を見ると、やっぱり私も嬉しくなって、しょうがないなー大好きだなーと思うのです。
私が夫の「何か確かなもの」になれたり、提供できたりすればよいのだけど。
何もできなくって、ごめんね。

ちなみに、冒頭の写真は関係ないですが、夫とキャッキャ、キャッキャと収穫した梅で作ったジャムを入れたオートミールケーキ。お味はビミョーでした(笑) 
でもね、去年と一昨年はアク抜きが足りなくて、食べられたもんじゃなかったんです。今年はやっと食べられるものができました。
そんな話も夫とわいわい話す時間が、とても大事なのです。



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