新婚生活真っ只中の僕を狂わせた、「会社を退職してまで海外旅行に行きたくなってしまった」本3冊
今年の頭に1ヶ月以上海外旅行に行ってきました。
治安が悪すぎてイライラして友達と喧嘩したり、ニュージーランドの片田舎で牛・羊・犬に囲まれながらぼーっとしてこういう生活もいいなあと思ったり、アマゾンで「ヒョウと出会った時にどう撃退したか」というとんでも話を聞けたりめちゃくちゃ楽しかったです。
一方で、僕は新婚です。(「こんな機会はないから」と許してくれた嫁には本当に感謝しかありません。本当にありがとう)
そして社会人で平日フルタイム出勤してました。
さらには、これまで海外旅行には2回しか行ったことがありませんでした。なぜなら「日本のこともよく知らないのになんで海外行くんだ」という屈折した感情を中学生で持って以来、海外旅行に対する忌避感があったからです。
こんな状況の僕が、なぜ長期海外旅行に行くという決断をしたのか。
それは以下の3冊を読んだからです。
本は人を狂わせますね。
そんな「読んだら旅行に行きたくて仕方なくなって発狂する本」を紹介していきたいと思います。
1.『純情ヨーロッパ 呑んで、祈って、脱いでみて』(たかのてるこ)
1冊目は「地球の広報」ことたかのてるこの紀行本。
この本はまず帯がいいんです。
片桐はいり「繊細なのに太っ腹。怖がりのくせに大胆不敵。たかのてるこが歩くと、世界中が下町になる」
これだけで購入決定。
内容は、18年間務めた会社を辞めて2か月で21か国周ってきた旅行記なのですが、
・タクシーの運転手に「オランダでセックスは楽しんだか!」と絡まれる
・フランスでゲイのカップルのお家に民泊し、愛と浮気についての哲学を聞く
・ヌーディストビーチのデビュー奮戦記
など、「お高いイメージ」のヨーロッパを次々に粉砕していきます。
読んでいると、旅行で観光地を巡るより現地の人と話そう、そのためには英語できるようになろう、と思える本です。実際、今回の旅行でもバーでブラジル人に絡まれたりバーでパキスタン出身の店員と仲良くなったりしていた時が一番楽しかったです。
2.『世界天才紀行』(エリック・ワイナー)
この本、読みすぎてて嫁に「え、まだそれ読んでんの?」(たぶん12周目くらい)とひかれるほどなのですが、面白いです。
テーマは「天才の集団発生」。
「天才は特定の時期、特定の場所において集団発生する」という仮説のもと、古今東西の「天才が集団発生した都市」に実際に行ってみてその理由を探るという本。
例えば古代アテネ、中世フィレンツェ(ルネサンス)、シリコンバレーなど。
硬い論文の引用などもありながら、ユーモアとウィットに溢れ、読むのに退屈しません。さらには圧倒的な雑学量! 何度読んでも目がくらくらするくらい(もはや衒学的かも)の知識に触れることができます。
3.珍夜特急(クロサワコウタロウ)
3冊目はツーリング本です。1999年にインドのカルカッタからポルトガルのロカ岬まで、ユーラシア大陸を単独バイクで横断するということを成し遂げた著者の、旅行記です。タイトルはパロディですが、たかのてるこの本に比べるとキリッとした文章で、簡潔ながらも落ち着いています。
まだまだ世界のことを何にも知らないな、という気分になる本。
この当時の旅行は今とは比べものにならないくらい冒険だったんだろうなあ。もはや他人の家に勝手にテント張って野宿したりしてますからね。あと、中東あたりでは国境を渡るときに「今日は空が高いからビザを渡せない」と断られたり(当然賄賂で解決)。
簡潔な文章ですらすら読めるだけに内容に飽きずに読み進められます。こうして一国ずつ苦労しながら旅をしていくと、その国のことが見えてきそうだなと思いました。
個人的には、旅の中での出会いと別れが面白かったですね。特に別れた後の1人旅に戻っていくところ。例えば正確には覚えていないんですが1ヶ月以上旅を共にしたドイツ人の男女のライダーと別れた後や、トルコかどこかで日本人グループと1週間くらい仲良くしてから別れるところなど。
寂しさと、でも1人に戻っていく妙な心地よさみたいなものが感じられて良かったです。
いかがでしたでしょうか?
読む場合は、本当に何もかも捨てて一人旅に出たくなるので注意してください。
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