最近の記事

日課

 欠伸をする猫を見るように、今日も人の嫌な所を覗く。

    • 夏の陣

       ついにこの夏一番の強敵、読書感想文もあと1枚だ。  実に長い戦いだった。鬼のような漢字の書き取りと、気が遠くなるような計算作業。どれも作業そのものは簡単なのだが、如何せん量が多く、何度気が狂いかけたことか。いや、精神の疲労よりも肉体の疲労の方が大きいかもしれない。4Bのスーパー鉛筆を使っているものの、丸まって来るとどうも芯が乗らず、硬い木質が中指を圧迫しつつ、不条理に曲げられる人差し指が、そしてちょうど手の土踏まずのような場所の、手の「て」の付け根にあたる部分(の筋?)が

      • 珈琲

         布団に籠ったまま一時間が経った。そろそろか。  珈琲に含まれるカフェインは、眼が醒めてからすぐに摂ってしまうと、脳に分泌される覚醒物質の作用を邪魔してしまうそうだ。これを聞いてからは、朝しばらくは珈琲を飲まないようにしている。しかし、やはり眠いのだ。朝、ぼうっとしたまま何もせず、ただ布団の中でまだかまだかと時を待っている。何かしようと思うが、頭が働かず、結局何もできないし、いざ、征かん、と、起き上がることがつらいのだ。それにしても、珈琲には、なかなか、恰好の良い漢字がある

        •  2、3日前から私の部屋に一匹の蚊が住み着いている。  もう勘弁してくれ。頼むから、出て行ってくれ。私には、お前がこれから産む1500の子を養うだけの爪が残っていない。  ――2021年8月19日夜 自室にて

          朝食

           朝食は、決まってトーストを焼く。バターは付けない。  食欲のない胃に無理矢理押し込んで、減り続けた体重を保つ。  先月買った栄養ドリンクは、生憎受け付ける元気がない。不健康なことが出来るのは、健康で余裕のある奴だけだ。

          朝食

          小説

           一筆啓上仕り候。  ホオジロの鳴き声だそうだ。  よく覚えていると自分でも思う。人間だってこんなことは言わないだろう。まして鳥なら尚更だ。  でも、そんなことなのかもしれない。  そんなことを考えながら、キーボートを打つ手を止めた。

          小説