#31文字の空間  2019年夏~秋

2019年 夏~秋


葉に落つる 水滴ひとつ 儚げに
甘えた記憶 雨粒の音
2019.8.28

空わりて
降りるひかりの麓にて
夏の終わりと 秋のささやき
2019.8.28

風が立ち 陽の出が香る 雨上がり
後ろ姿に 夏の成長
2019.8.29

夕やみに
想うはあなた 帰り道
かすれしかほり
ひぐらしの声
2019.8.29

見うるもの
見えざるものよ
新月や
そこに在りしは 暗闇の空
2019.8.30

このときの
想いのたけを ことだまに
のせて届けよ
夕暮れの雨
2019.9.2

重き想い
眠れず明くる
朝焼けに
言葉に出来ぬ
我が胸の内
2019.9.3

昼下がり
ぽつり ぽたりと
空が泣く
雨の境い目
あなたとの距離
2019.9.3

うみねこの 傍に立ちとて 波の音
潮の香交ざりし あなたのかほり
2019.9.5

色褪せぬ 写し画ここに 在りしとて
想うは現世(うつよ)の 謠いし姿
2019.9.7

この胸に 未だ在りかと 疑ぐるも
甦りしは 焦がれる熱情
2019.9.8

金色(こんじき)の
夕焼け空と 湿り風
晴れ間をのぞくは
なないろの影
2019.9.9

朝もやに
今は隠れし
色彩と
まだ見ぬ時と
素肌のこころ
2019.9.11

この身には 狂おしきかな 重みとて
刹那の儚さ 永遠の愛しさ
2019.9.10

今宵とて
想いを馳せる
過ぎし日の
我の証と
口吸い残し
2019.9.5

文に乗せ
送りし想い
うらはらに
真(まこと)のこころ
隠しけりなむ
2019.9.11

時に揺れ 時に留まる 夜風かな
永遠に知らぬは 朝陽の行方
2019.9.12

あなたの時と
わたしの時が
交ざりて揺れて
ひとつ星 月明かり
2019.9.12

柔らかなひかり知らせる出立や
臆する気持ちに
寄り添いけりな
2019.9.13

我がこころ
雲が隠せし 月夜とて
離れし時の
過ぎるがままに
2019.9.13

彼(か)の好む
色を落とせど
消えぬもの
あの日の声と
指先の赤
2019.9.13

逢いたい…と
唇ひらき 溢れだす
声にて気付く
真(まこと)の想い
2019.9.14

戻りしは
その日の想い
その心
いづこにいれど
愛しき想い
2019.9.17

閉じ込めた
二人の小部屋
言の葉や
残りしものは
二人の想い
2019.9.18

そばにいて…
奏でる音にならずとも
飛ばす飛行機
遥かあなたへ
2019.9.18

届きとて
待つ身の想い
残しきや
犯した罪の重さをぞ知る
2019.9.18

なぜなの?と質すことすら
許されぬ
ふたりの間 あの日のままに…

2019.9.18

秋風に
焦がれし君を
想う時
願うはひとつ
逢わせてたまう
2019.9.19

あ あのね、
い いまね、
た ただ伝えたくなったの。
い いつもありがと。
な なにがあっても味方でいるよ…
2019.9.19

白き月 かすかに残る 朝空に
待つ身の辛さ 寄りては離れ…
2019.9.20

悲しさを
胸に飲み込み
渦潮や
送りし願い
『好きだからこそ…』
2019.9.21

寄り添いて
想いをここに
残し置く
離れし時も 傍に在りなん
2019.9.21

恋しきや 想いを隠し 待ちぼうけ
逃げたる酔ひの 悲しき酸味
2019.9.22

秋空を 彩り愛でる いわし雲
澄みしは碧さ そなたの想い
2019.9.22

逢いたいと
想う気持ちに
負けじとて
届きてたまう
届いてたもう…
2019.9.23

穏やかに
流るる時の
その影に
狂おしいほど
愛して欲しい
2019.9.23

知らせなき
この身の切なさ
呑み込みて…
無事を祈らむ
長夜の始まり
2019.9.24

彼の声が
耳に残りし
長夜に
ただただ想わむ
愛しき調べ
2019.9.26

三角の
グラス傾け
気取りとて
焦がすは細き
煙草の切先
2019.9.27

さよならの
言葉を胸にしまいとて
貴方の笑顔がさみしくみえる
2019.9.28

彼の人と
同じき海を
眺めとて
想いはひとつ
過ちの恋
2019.9.29

つかの間の
逢瀬を願えど
叶わずも
互いに在りし
まことのこころ
2019.10.05

優しさと
きらめく笑顔
凛とあり
ここに贈らむ
『笑顔になぁれ 』
2019.9.25

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