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ゆっくり読みたい玉手箱

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個人的にゆっくりした時間がある時に読みたいものとか、 後でもう一度読みたいものなどを入れておく玉手箱
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#天使

140字小説3篇 「Angel」

140字小説3篇 「Angel」

【01. 天使】
初めてあなたを見て、翼をなくした天使のようだと思った。無垢で透き通った瞳、けれど世の穢れを知り尽くしているかのような達観を湛えていた。空へ還る術を失ったあなたを守りたいと俺は願ったけれど、きっと守られていたのは俺の方だった。愛していますと告げた俺に、あなたは一粒の涙を零した。

【02. 夢想花】
天使になったあなたが、秋桜に囲まれて微笑んでいる夢を見た。思春期の、危うげで繊細な

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