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【特別編】私たちのZINEを置いてくれた理由を「市場の古本屋ウララ」さんに聞いてみた

 ZINE vol.2「カルチャーから沖縄を語りはじめる」が発売から約1か月。自費出版の本にもかかわらず、いくつかの書店さんに置いていただいています。

 活動の初期からずっと応援してくれていて、ZINE vol.1「今いる場所から沖縄を語る」の発売直後から販売してくれたのが、「市場の古本屋ウララ」です。どうして私たちのZINEを置いてくれたのでしょうか? 店主の宇田智子さんにインタビューしました。

「市場の古本屋ウララ」さんをご紹介!

 公設市場の向かいに位置する「市場の古本屋ウララ」。神奈川出身で、ジュンク堂那覇店で書店員をしていた宇田さんが2011年にオープンした。きっかけは、同じ場所で営まれていた本屋「とくふく堂」の閉店。後継者を探していたとくふく堂の店主から「この場所がお土産屋さんになったらつまらない。誰か本屋をやってほしい」と思いを託され、開店を決めた。魅力は、入り口に扉がないため、本好きではない人でも市場で買い物する流れで本を見られること。
 宇田さんの新刊エッセイ集『すこし広くなった ──「那覇の市場で古本屋」それから』(ボーダーインク、2024年)も好評発売中!

宇田さんに聞いたZINEを書店に置いた理由

──宇田さんは、あなたの沖縄が始まった2021年から読んでいてくれましたね。あなたの沖縄をどんな風に見ていましたか?

 SNSを見て、若い人が何か始めたんだなと思って読み始めました。最初は、「沖縄」よりも、「90年代生まれ」というのがまず目につきましたね。

 というのも、私は80年生まれなのですが、自分より若い人の沖縄に関する文章をほとんど読んだことがなかったんです。私でも沖縄の出版界の中で若い方でした。だから、若い人たちが沖縄を書き始めて、嬉しかったし、すごく新鮮でした。

──20〜30代にもっと沖縄を語ってほしいと思って始めた活動なので、うれしいです。

 最近は沖縄に関する本を出す先輩方が廃業していく姿をよく目にしていて。沖縄の本の文化が先細っていくのではないかと少し不安な気持ちもありました。その中で、沖縄について若い人がコラムを書く活動が出てきて、さらにZINEを出して。沖縄本の文化は受け継がれていくのかなっていう希望が見えた気がしました。

 内容も、みんな片肘張っていなくて、リラックスしてる。本当に書きたいことを書いているのがとてもいいなと思います。

──前号のZINE Vol.1「今いる場所から沖縄を語る」を発刊して、すぐに入荷してくれました。どうして置いてくれたのですか?

 いつもnoteを楽しく読んでいたので、本になるなら絶対置きたいなと自然に思いました。

 ウララは、公設市場の向かいにあります。だから、本屋に普段は行かない方にもふらっと立ち寄ってもらえる。誰でもお気に入りの一冊が見つかるように、なるべくいろんな種類の本を取り揃えるようにしています。90年代生まれの人が沖縄を綴っているあなたの沖縄は、若い方に手に取ってもらえるかなと思って、仕入れてみました。

 あと、80年代の終わりに沖縄で流行った『おきなわキーワードコラムブック』(沖縄出版)を受け継いでるところも気に入っています。『おきなわキーワードコラムブック』もあなたの沖縄と同じようにプロの書き手ではない若い人が普段の暮らしのことを書いていますよね。あの手作り感とか雰囲気があって、しかも、おしゃれになって帰ってきた。本当に世代が変わったんだなと思いました。

──先月発刊したZINE vol.2の感想を教えてください。

 普段投稿しているコラムに加え、「那覇街歩き」といったタウン誌のような企画もあるのが面白いですね。「沖縄のカルチャー20選」とか「ジャーマンケーキ図鑑」は、本ならではの企画だと思いました。

 インタビューも読み応えがありましたよ。お笑い芸人や映像作家、漫画家などプロの方にお話を聞いてますが、活躍するスターとしてではなく、あくまで沖縄を語る仲間の1人として扱っているのがいいんですよね。普通の雑誌だと、その人の凄さを際立たせることが多いですが、あなたの沖縄は他のページと馴染んでいました。

 また、過去にnoteで投稿したコラムもいくつか掲載されていますが、ただ再録せずに、「私はこんな風に読みました」とあなたの沖縄メンバーのコメントがあります。そのコメントも良いんですよね。県外の人が沖縄出身の人のコラムにコメントしてたり、その逆だったり。ひとつのコラムに、いろんな立場の人が関わってるところが素敵です。それぞれの立場で語ればいいんだというメッセージが伝わってきました。

──最後にメッセージをお願いします。
 ウララにぜひ来てください。ウララに来る途中、市場全体を歩きつつ、そこで見つけたものを買ったり、食べたりしてもらえたら嬉しいです。どんなお店があるかわからなくても、建物を見るだけでも楽しめます。最近は、ずっと続いてたお店がどんどん閉店し、入れ替わりが激しいので、今の景色を見ておくのがおすすめです。

店内の様子

ZINEは下記の書店でも購入いただけます!

沖縄県内
・古書ラテラ舎(泊)
・くじらブックス(八重瀬)
・本屋と商い ある日、(浜比嘉島)
・book cafe Bookish(西原)
・ボンボヤージ(牧志)
・ブンコノブンコ(壺屋)

沖縄県外
・まめ書房(兵庫・神戸)
・あまかわ文庫(兵庫・姫路)
・庭文庫(岐阜・恵那)
・栞日(長野・松本)

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