恋愛がもたらす感情の変化について

1.はじめに

 満21歳にして初めて彼氏ができた。それはそれは可愛いんだ。すごく可愛い。私はこれまでの人生の中で、何回も彼氏欲しいな〜恋人欲しいな〜と思って生きてきたけど、別にそこまでの行動力もなく、推しを追いかけて、友達と遊ぶ日々を過ごしていた。やっぱり恋人は、欲しい!と思ったら行動しないとできないもの、だと思う。私は恋人なんかよりも推しを見ることに必死で、友達と遊ぶことが楽しくて、それでわたしの狭い世界は完結していた。ただ、恋人がいる楽しさ、が分からないまま死ぬのは嫌だなあとぼんやり考えていた。

 そんな私に彼氏ができた。

 バイト先で出会った何個か年下の上京したての可愛い男の子。基本的に真っ直ぐで、嘘がつかなくて、すごく丁寧で、私のちぐはぐな考え方も否定することはなくて、異性に対してちょっと捻くれている。

 この子と付き合っていく中で、自分の中での感情の変化が起こっているのを感じる。多分付き合いはじめて大体ひと月。せっかくだから、私の変化を書いていきたい。


2.感情の変化の内容

 まず初めに、彼氏と付き合うと決めた時に、どのくらいの頻度で連絡をするか、電話をするか、という、これまでの自分(友達との連絡、通話頻度)を鑑みて話し合った。結果、お互い毎日通話もしなくていいし、連絡もそこそこ。通話したい時に、連絡したい時にしよう、という話になった。

 が、ほぼ毎日通話している。毎日LINEしている。すごいこと。私はLINEを返すのがそれまで苦手で、公式LINEの通知も消したりしないので、LINEの通知が99+とかザラだった。

 それが今は通知の数が①とか⑤とかLINEが来たらすぐに確認するようになった。LINEが来たらすぐに返信するようになった。(YUIみたいな可愛い駆け引きはできない) 友達とのLINEもすぐに返すようになった。

 それはやっぱり、彼氏からの連絡を待っているから。私が返信をした後に、ちょっと経ってLINEのアイコンの上に赤い丸があると嬉しくなる。

 本当にすごいことだと思う。それまでは、99+だったので誰からLINEが来ようが全く分からないし、興味がなかった。友達と遊ぶのはもちろん大好きで楽しいけど、LINE上でのやりとりは温度感がなく、興味を持てなかった。LINE上で日程を決めているのに何度も予定をブッキングさせてしまうことがあった。(これは今でもある)(どうにかしたほうがいい)

 私は人に対してかなり博愛主義だと思っていた。家族も友人も、バイト先の店長も、少しでも好意(恋愛感情はない)を持っている人に対しては、本当にみんな平等に好きだった。例えば、崖からバイト先の店長と大好きな友人が落ちかけていて、どっちかを助けられる、という状況になった時に、私はどっちも選べず一緒に死ぬことを選ぶ。平等に好きなのだ。みんなのことが。誰かを特別に好きでいることができなかった。どこかで、恋愛は甘美な差別だというフレーズを見たことがある。私は甘美なものだとしても、人の差別ができない。

 しかし、恋人が出来てからは少し変わった気がする。こんなに人を好きになることがあるんだと素直に思う。LINEが来てたら嬉しくて、来てなかったら少し悲しくて、会える前日はワクワクして、どんな格好で行こうかな〜とか、何を食べようかな、とか思う。面白い。私にもこんな感情が残っていたんだなあと思う。少しだけ、恋人を優先したくなる。少しだけ恋人を特別に好きでいる。

 そして、私はすごく大雑把なところと繊細なところが一人の人間に同居している、とてもちぐはぐな人間だ。大雑把なところは、トイレの電気を消し忘れるストーブを消し忘れるこのご時世においてマスクをつけ忘れる提出物の期限を忘れる、等 物忘れがかなり多い。(これを大雑把という括りにしていいのかわからないけど)

 こうした、私という人間の欠陥に対して、「トイレの電気消してないよー」とか「炊飯器の保温きってないよー」とか毎回優しく注意してくれる。年下に注意される。ありがたい。年下の男の子と付き合っていく中で真人間になっていっている。ありがたい。

 以上の3点が私の中に見られる変化である。一つ目は連絡がマメになった。二つ目は誰かを特別に好きになれるようになった。三つ目は真人間になっていっている。


3.最後に

 人と付き合うことはどういうことなんだろう、と思う。もちろん恋人に対して、好きという気持ちはめちゃくちゃある。でもそれ以上に楽しいから一緒にいたい、と思う。

 私の中で、人と付き合うことは一緒にいて楽しいから一緒にいる、けど、お互いの価値観、考え方も教えあってぶつかることもあるかもしれないけど、それでも一緒にいたい、一緒に生きていたいということなのかな、と思った。この人と結婚するかは分からないけど、別れる未来もそこまで見えない。付き合い始めた以上、どこかで別れるか結婚するかの決断があるのかもしれないけど、その時まで、出来る限り長くずっと一緒に過ごせたらいいな〜。