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教諭歴10年を経て、現場を離れて大学院へと進んだ人のお話。

 今回は私の身の丈話をしていこうかなと思います。私は教師を始めて10年が経ち、今現在は教師歴で言うと11年目に突入している段階です。小学校教師として2校を経験し、昨年度までは現場で担任として日々邁進するような毎日を送っていました。
 しかし、今年は立場が大きく変わり、地元にある教育大学の教職大学院で日々学んでいます。この記事では私がどうして大学院進学に至る心境になったのかや、大学院に進学することでどのような学びが得られたのかなど深堀して考えていきたいと思います。よろしくお願いします。

①ふと浮かび上がる思い

 私は総合大学にある教育学部を卒業し、地元で小学校教諭として採用されました。あまり大きな声では言えませんが、大学時代は中々に遊んだつもりです。授業を蔑ろにしていたようにも思います。しかし、そこに後悔はありませんでした。最高の仲間と出会い、悔いのないような学校生活を満喫できたと自負しています。
 卒業が迫ったある日、ふと自分の中である思いが浮かび上がりました。それは「また大学に来てみたいな」というような内容です。特に根拠もありませんが「また大学で勉強してみたい」と思うようになりました。そんな思いを抱いたまま小学校教師としての仕事を始めました。頭の中では「大学に戻りたい・・・」と少しばかり考えていましたが、日々の忙しさにやられてそこまで頭が働いていなかったのが現実です。10年が過ぎてしまいました。

②先輩からのある言葉

 教師として働き始めて6年が経過したある日、転勤してこられた先生と学年を組むことになりました。この先生が自分より5歳ほど年上で、「お兄さん」チックな存在と言えました。そんなある日、その先輩は「10年が節目だよ。俺は教師をして10年経った時に高校の先生になろうかと考えた。何か変えるなら10年目だ。」と仰っていました。自分の中で「10年」という言葉がいつまでも漂っていました。ここが自分の節目になるかもしれないと感覚的に感じていました。

③ふと訪れる転機

 そんな中で10年目を迎え、「何かを変えたいが、何を変えようか・・・」と日々迷いに迷っていましたが、ある転機が訪れます。それは偶然、「教職大学院の現職派遣」の案内を見たのです。「これだ!」と食い入るようにメッセージを見ていました。自分の「いつかは大学にもどって学び直したい」というような思いをもう一度思い出しました。そこから派遣に関する面接をクリアし、院試も突破することで晴れて大学院生になることができました。もちろん、自分の中で常に疑問に感じていた「研究テーマ」を引っ提げて大学院へと進んだわけです。1つ自分の願いが達成された瞬間のような気がして嬉しくなりました。

④大学院はいいぞ

 今年の春から大学院へと進んだわけですが、大学院は「学びの宝庫」であると言えます。現場を経験している自分だからこそできる「学び直し」が確かにそこにいはありました。現場経験があるとないとでは本当に学びの質が大きく異なるのです。そして何より意識が高い現職教員の仲間と切磋琢磨することができます。同じ志をもった仲間たちと「ああでもない、こうでもない」と議論する中で新しい気づきが生まれます。現場では到底話すことができなかったような内容にまでみんなで熱く語り合えることができます。そんな最高の空間を教職大学院は提供してくれています。あちらこちらに学びの素材が落ちているのです。そして自分でいろいろな素材を拾い上げ、吟味して自分なりに咀嚼することができます。最高の空間を大学院は提供してくれます。

⑤何が変わったのか

 具体的に自分はどのように変化したのでしょうか。私はそもそも「何でも良い」みたいなスタンスをとっていました。行われる全てのことに肯定的で「まずはやればいいじゃないか」といったようなスタンスです。確かにこれは良い点もあるのですが、本当の意味でその事象に対して考えているのかどうかと言えば、そうとは言えません。しかし、大学院では理論を学びます。その実践の効果について考えます。「どうしてそれをやるのか」を考えます。そういう意味では深く思考することが常になります。それが当たり前になってくるのです。物事に対して「そもそも論」を問いただすようなことも増えるようになりました。教育だって形骸化して当たり前のように展開されていることばかりです。しかし、そもそもそれはどうして行うのか。そんな新しい視点を得られるのが大学院での大きな学びであったように思います。

⑥みんな行こうぜ、教職大学院!

ここまでのお話を聴いてどうだったでしょうか。是非教職大学院に行ってみたくなりませんでしたか。教職大学院には数え切れないほどの学びの種が落ちています。それをどのように拾い上げ自分なりに咀嚼するのかはあなた次第です。しかし、「見方・考え方」は確かに変化します。その変化を楽しみ、また現場での活力にするたけにも教職大学院に進学してみてはどうでしょうか。きっと新しい視点から教育を見る面白さを体験することにつながると思います。


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