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山中貞雄監督「河内山宗俊」を久しぶりに鑑賞。えっ、こんなに面白かったっけ!

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冒頭、カワイイ原節子を忖度する森田屋の用心棒・金子市之丞のシーンから笑わせる。隣のオッサンからは屁理屈を言って所場代を取り立てるのに。

河内山宗俊と金子市之丞が斬り合いになりそうになった所に原節子が割り込んで、原節子が刀で指を切り、喧嘩がなぁなぁになるあの芝居の流れとか笑いつつ巧くて惚れ惚れする。

芝居の演出やカット割の感覚は未だ古びず現代的。
盗まれた小柄の挿話のコミカルな愉しさ!

弟・ヒロちゃんのろくでもなさは今見ると流石にちょっと厳しい。こいつ本当にタチの悪いクズですよ・・・。


原節子は、撮影当時15歳・・!

・・・

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石井妙子(「女帝 小池百合子」を書いた人)の「原節子の真実」によると、山中貞雄の原節子への肩入れぶりは深かったようで、「この子しかいてへん!今度の映画には、この子が必要や!」と京都行きに気乗りしない原節子をくどき倒したという。

撮影現場でも、山名貞雄は、わざと原節子から距離を取り、当時の映画界にあった女優と監督の「なぁなぁの関係」を極力避けた。

「山中監督、ほんまのホの字やねぇ」というスタッフに、「じゃかっしゃい!」と山中は顔を真っ赤にした。

こりゃ惚れてるなあ。

・・・

ラストで、広太郎が駈けていく道は希望に向かうのか、儚さが待っているのか。幼なじみの女郎との心中を失敗した彼の姉が女郎に売られ、それを救えるかどうかという流れが、何とも。

ところで、河内山より金子の方が出番が多いというか、印象に残った!(笑)
買って2ヶ月だったかの刀、抜けてよかったですね!(笑)

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