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【実話・第二話】「母を虐待した」という冤罪の中、公務員たちの陰謀で、ついに警察に逮捕されてしまう。

母を二人の公務員に「拉致」された私は、無理やり、彼らについていった。

夜の区役所は閉まっていたが、
「母を返してもらわねば帰らないぞ!」
と私は無理やり、分厚い鋼鉄の扉のなかに身を割り込ませた。

彼らは、私を空いている会議室に通され、「待つように」といわれた。

ドアが開くと、やたらに背が高く痩せた、「枯れ木」のような中年男が入ってきた。
枯れ木は、しわがれた声で、
「あなたが息子さんですか」
「そうだが。あんたの名前は?」
彼は私の問いを無視して、
「あなた、おかあさんに虐待していますね」
「・・・はぁ?」
突然、身に覚えのないことを突然言われて、キョトンとしていたと思う。

「息子さん、お母さんの首を締めたでしょ。頭を鈍器で殴ったでしょう。何度も何度も往復ビンタしたでしょう!」

「ちょ、待てや!ワシは、母に一回も手を出した覚えはない。何、わけのこというてるんや!」

「うそだ!おまえは、異常性格の暴行魔だ!」

「ちょっと待て、ワシにもしゃべらせろ!」

ガタン!と大きな音がした。

「しゃべるんやったら、うちで、ゆっくりしゃべってくれや!しばらく、出られへんのやからな!」

こんな感じの怖い刑事、まるでヤクザ。

背は低いが、明らかになんらかの格闘技を極めているとわかる無精髭の男と、背が高く頭を丸坊主にした若い男が、私の腕を掴み後ろにまわした。

「7月11日、午後8時37分、確保!」
「はい、確保!」

「こらっ、おまえら、ワシがなにをしたいうて、逮捕するんや!」

枯れ木がつぶやいた。
「公務執行妨害です。私も公務員です。仕事を邪魔されたので逮捕です」

生気の無かった「枯れ木」の顔にかすかに笑みがこぼれた。

私の両手が重たい手錠でつながれた。

(つづく)

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