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ボウキョウによせて

最近、女性がキレイに見える。

公園や河原を散歩していて、マスクをかけた女性に出会うと、なぜか、全員キレイに見えてしまう。もともと、私は、女性の目元に惹かれやすいうえ、目以外の部分がマスクで隠された分、想像で補うからであろう。白いマスクの場合は、特にそうだ。私は、白で包み込まれた世界が好きだ。

芦田まなさんが「まなの本棚」の中で、作家を2つのタイプに分類している。白のイメージがする作家と、黒のイメージがする作家だ。白のイメージは、芥川龍之介、黒のイメージは、太宰治だそうだ。

タイトルの「ボウキョウ」の作者は、南葦ミトという。彼女の最近作を次に掲げよう。

「僕らは歩いていく。」、読後感がなんとも心地よい。これこそ、白で包み込まれた世界だ。南葦ミト氏は、白の世界を描く作家だと私は思う。

そんな彼女が、10万字を越える長編小説をnoteに連載することを知った。

南葦ミト氏の故郷は、福島県相馬市と記憶している。彼女は、故郷の「過去」「現在」「未来」を、多くの人に知っていもらいたい、かつて深く大きな傷を負った故郷を忘れないでほしいとの思いから、この作品を執筆されたそうだ。一見重そうなこの主題を彼女なら白の世界で描いてくれると期待している。

そういえば、上の二つの記事のタイトルバックの写真を見ると、ともに磯の風景である。

磯といえば、のり弁当。

ちょうど今、お弁当屋さんで買ってきたのり弁当が手元にある。

白いスチロールの蓋をパカッと開けると、

「ボウキョウ」第一話。

予想していたとおり、「白の世界」が描かれている。

登場人物は、主人公ミツキ、恋人シンジ、中学以来の親友ノノだ。第一話は、ミツキとノノの再会の場面を中心に描かれている。

ノノとミツキ。失礼だが、私的には、のり弁当の白身魚フライと磯部揚げのように思える。そんな二人が、再開の後、今度は、それぞれイギリスと故郷へと旅立っていく。

小説はここで、次回へと続くことになるが、恋人シンジとの今後も気になる。のり弁当は、揚げ物を少しかじると、お待ちかねの海苔とおかかが見えてくる。次回が楽しみである。

と、言いながらのり弁当を平らげた。

ちなみに、この記事のように「#ボウキョウによせて」のハッシュタグをつけて、200字から1000字の感想を投稿すると、南葦さんから100円のサポートがあるそうだ。

のり弁当が1個350円の時代、100円のサポートは、ありがたい。

(おわり)

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