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淡い期待③

ミシンの正確な歩みは素晴らしかった
表は裾から2.5ミリの位置に
裏は折返した端から1ミリに
糸がまっすぐ歩幅も揃っていた

あまりの嬉しさに妻に見せると
首は一瞬こっちに振ったけど
目はドラマに釘付けのまま
「よかったね」

えっ?
今見てなかったよね
なんて適当なんだろう
ミシンがキライだと
ミシンが作ったものもキライなのか

というより興味がないのだろう
ミシンにも裾上げにも僕にも

子供が生まれるまでは
ストーカーのようにまとわり付いて
僕から一時も離れなかったのに

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