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神作家・紫式部のありえない日々、第4巻が発売されました。エモいです。

昨夜のNHK大河ドラマ「光る君へ」が衝撃の展開で、今日は一日集中できずに終わってしまいそう…。
雅な宮廷ラブロマンスを期待していたのに、想定外のハードボイルド展開に心が追いついていません。

文句が言いたいわけではなくて、

平安時代=文化系

のイメージで語られがちなのに、「光る君へ」は

貴公子がアクティブに運動
姫君がギャル
宮廷は陰謀まみれ
右大臣家はブラックファミリー
帝がメンヘラ

そして主人公は、賢いんだけど女の子グループにまざると空気が読めなくて、陽キャなギャルに囲まれると目をキョロキョロさせながら
「グフフ ドュフ」
と笑うメガネ女子。
雅な宮廷ロマンを期待してるのに、胸の痛くなるシーンを見せられて辛い笑

この先宮仕えに上がったらコミュ障ヲタク女子は苦労するのが目に見えています。
まひろちゃんは、海千山千の京都人がひしめく宮廷で、無事にキャリアアップできるのか。
人付き合いに大事な

「さしすせそ(宮仕えver.)」
さ:左様にいたします
し:承知いたしました
す:素晴らしゅうございます
せ:センスいいね
そ:それは存じませんでした

早くマスターして、宮仕えを乗り切ってほしいです!
本物の紫式部さんが書き残した、平安時代のキャリアOLブログ「紫式部日記」にも、
「宮仕えムリしんどい」
「虚無だわ…」
みたいなことがどんよりと書き綴ってあって、キラキラな場所にやっぱりヲタクはまらなかったか…と同情を禁じ得ません。
仕事だから、やるしかないのだけれど。

ところで、ですが。
「源氏物語」を読んでいて不思議に思うのは、作者の紫式部という女性が生きた時代は、藤原氏が政権を独占する摂関政治の最盛期です。

物語の主人公の光る君、天皇の子として生まれた美しい皇子が、事情があって臣下の身分に落とされるも、藤原氏との権力闘争を制して皇族の身分を復活させるという源氏物語の主軸のストーリーは、かなり反体制な設定ではないでしょうか。
超ハイスペ&イケメンが女性達とのラブロマンスを繰り広げるよりも、禁断の愛とエロスの力で源氏の血統が皇室に入り込むという設定のほうが、はるかにスキャンダラスです。
帝の后で、自分の継母にあたる女性に恋を仕掛けて、しかも秘密の子を生ませてしまい、その子は成長して帝位につくとか、ストーリーが継母ガチ恋で背徳スケベの超展開がエグすぎますよね…。
こんなの、恥ずかしくて人に言えません。

藤原氏の娘を天皇の后にすえて、生まれた孫皇子を後見するという名目で母后の一族が政務を牛耳るのが摂関政治ですが、それって中国の歴史書では
「外戚の専横で世は乱れた」
と批判されますよね。
一条天皇でさえ顔色を窺わざるをえないほどの権勢があった藤原道長が、外戚の専横を批判しているようにも読める
「源氏物語」
を書かせたというのは、どう解釈すればいいのでしょうか。

帝が面白がって読むので内容は不問にしたのか、所詮は女子供のひまつぶし程度のサブカルチャーと興味がなかったのか。
そもそも道長さんは多忙すぎて、字を読むのが面倒だったかもですね笑



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