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アメリカンスクール宿命「AP」とは何?

アメリカンスクールに通っていると、耳にタコが出来るほど聞くのが「AP」という2文字。

文字数的にはたった2文字ですが、内容としては2文字では済まされないほど、難しい物となっています。



著者はマレーシアのアメリカンスクールを卒業、実際に「AP」を取りました。


しかし「AP」は必須ではない、やる人もいれば、やらない人もいる。認められることもあれば、認められない事もある。


初見ではAPがどういう物か全く理解できずチンプンカンプン・・・
実際にAPを体験した僕ですが、全貌を理解するには正直な話すごく時間かかりました。


やっと理解した今、


アメリカンスクールの宿命、APとはいったい何か?
という質問についてAPを運営するCollage Boardの情報などを元にまとめて綴っています。


APとは?

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APとはAdvanced Placementの略で、アメリカの教育団体、Collage Boardが運営している、高校向け大学初等レベルの教育プログラムです。
 
APでは大学の授業を高校の内に受講する事ができるので、大学の進学の際に大きなポイントとなります。


 
多くのアメリカンスクールでは生徒へAPの受講を勧めていて、学年最後のAPテストで結果が出ます。


コースの受講は必須ではないので、テストのみを取る事が可能。


ホームスクールや通信制の学校で勉強した生徒も取る事ができるのはケンブリッジ式のA-levelと違いますね。


APは5点満点で評価され、内3点を取得で合格。

APは5点満点で評価され、「3」で合格ラインです。

その3点、結構きついです。


しかしアメリカの名門大学などでは最低4点を必要としている大学もあり、自分の進学したい大学の必要としている点数を確認する必要があります。


大学側によく確認する必要があるのもAPの特殊な形態、APのスコアは希望する大学へ1校までは無料で勝手に送信されます。

それ以降も送信できますが、これまた結構高い手数料がかかるので少数精鋭の方が良いです。


希望大学で絶対に受かる見込みのある大学にのみ送信しましょう。


教科はどんなの?

APでは様々なテストが提供されていて、以下がテストを受けることができる科目です。

大学側から必要とされる場合もありますが、自分が得意な分野を取る事ができます。


2D Art and design (2Dアート)
3D Art and design(3Dアート)
Art History(アート歴史)
Biology(生物学)
Calculus AB(微積分学 AB)
Calculus BC(微積分学 BC)
Chemistry(化学)
Chinese language and Culture(中国語&文化)
Comparative Government and Politics(比較政府と政治)
Computer Science A(コンピュータサイエンスA)
Computer Science Principles(コンピュータサイエンスの原理)
Drawing(絵)
English Language and Composition(英語と作文)
English Literature and Composition(英文学・英作文)
Environmental Science(環境科学)
European History(欧州歴史)
French Language and Culture(フランス語と文化)
German Language and Culture(ドイツ語と文化)
Human Geography(人間地理学)
Italian Language and Culture(イタリア語と文化)
Japanese Language and Culture(日本語と文化)
Latin(ラテン)
Macroeconomics(マクロ経済学)
Microeconomics(マイクロ経済学)
Music Theory(音楽)
Physics 1 Algebra Base(物理1)
Physics 2 Algebra Base(物理2)
Physics C Electricity and Magnetism(物理C 電気と磁気)
Physics C Mechanics(物理C メカニック)
Psychology (心理学)
Research(リサーチ)
Seminar(セミナー)
Spanish Language and Culture(スペイン語と文化)
Spanish Literature and Culture(スペイン文学と文化)
Statistics(統計学)
United States History(アメリカ歴史)
United States Government and Politics(アメリカ政府と政治)
World History(世界歴史)


上記の科目から取る事ができるのですが、もちろん取れる数には限りが、、、


厳密にいえば限りはないですが、1年で3つ以上のAPを取る事は推奨されていません。


というかそれ以上は人間には不可能な気が・・・(1年で5つ取っている超人もいましたが...)


最大で5個のAPへ合格していれば、十分アメリカの名門大学を狙えると思います。

大学進学はAPのスコアだけでなく、その他SATや奉仕活動、成績なども判定項目なので確実ではありませんがこれらを持っていれば相当強い事は確かです。


大学で役立つの?


魅力的に見えるAPのコース、生徒全員が受ける訳ではありません。
なぜなら大学進学へ必ず必要な物では無い。


アメリカンスクールを卒業するとまず、American School Diplomaという卒業証書を得ることができます。


American School Diplomaのみで進学できる大学もそれなりにあります、また卒業証書以外に英語のテスト(ToeflやIeltsなど)+SAT Reasoningを必要としている大学は多くあります。


しかし!!!APを必須としているのは一部のアメリカの有名大学のみで、アジアトップレベルのシンガポール国立大学や香港大学でもAPは必須とされていません。


この情報は大学側へ確認済み、必須なのはSATでAPは「Optional」だとしっかりメールが来ました。


もちろん、日本の大学でもAPを必須としている大学はなく、日本ではAPの単位自体が認められない事も多くあります。日本の大学へ進学するのであれば、American School Diplomaを取得、そしてSAT Reasoningへ力を入れれば帰国子女枠などで受けることができます。


この帰国子女枠は比較的競争率が低いので、海外で育った日本人にとっては実はねらい目?


その分、受け入れている人数も少なかったり、駐在の子供として留学した場合のみ認めるとかいう変な条件がある大学もあるので要注意。


実際にそんな書き込みを大学のウェブサイトでも見つけ・・・


これからグローバル化が進み海外で育った子供が増え、大学側も条件を緩和していくでしょう。


結局APは取るべきか?


果たしてAPを取るべきか、取らないべきか、ここで断言はできません。
人それぞれの道なので、もしアメリカの大学を目指しているのであれば取るべき、無くても進学はできます。


アメリカの名門校は必須としているので、日本やその他の国アメリカンスクールからアメリカへ進学したい場合(多いと思います)は絶対にAPを受験してください。


しかし国によってはAPを受け付けていないので、APを受験する前に自分が進学したい大学のリストを作り、大学のその他入学条件をクリアしていく必要があります。


僕の場合はアメリカの大学へ進学するつもりは最初から無かったので、APは1つしか取っていません。


この1つのAPを取った理由は自分の経験値へのプラスとなる事、先生に勧められた事、学校の単位へ影響を与えるので選びました。


著者の場合、本音は「記事にも出来るし、一回やってみたかったから」という単純な考えです(笑)


成績に与える影響

APは大学レベルのコースの為、成績にも大きな影響を与えます。


アメリカンスクールではGPA(Grade Point Average)といい、すべての教科の平均成績が計算されるのですがAPの場合は計算される割合が大きくなります。


厳密に言うと著者の学校では「2倍」でした…


平均成績へ計算される割合が増えるという事は、APで好成績を記録するとGPAが4以上もあり得ます。


通常のクラスでは絶対にありえない数字、取れます。


逆にいうと、APの授業の成績が悪いと全体の成績にも悪影響を与えるためしっかりと考えないといけません。


APを多く取りすぎて、APの成績が落ちると全体の成績にも影響する、ほどよく得意な分野のAPを取る事で成績も上げられるでしょう。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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