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ワールドカップと息子たちの成人式

未来は変えられるけど、それと同じで、過去も変えられるという言葉を以前聞いたことがあった。
未来を変えられるって、努力すればいい、頑張ればいいという、根性論のような話。だけど、過去を変えられるっていうことは、根性論ではなく、思考の話だと思う。努力とかで過去を変えたりはできないから・・・

サッカーワールドカップの日本の初戦のドイツとの試合の後の監督へのインタビューだった。
日本は、前半に1点取られたけど、後半に逆転をして、2−1で勝った試合だった。

監督は、インタビューで、試合中にドーハの悲劇を思い出したりしませんでしたか?という質問に対して、
「選手として参加したドーハの時は、勝っていて、あとは、審判がいつ試合終了のホイッスルがあるのか、待っている状態だった。だから、足が止まっていた。結果、負けてしまった試合だった。でも、今回は、リードしていても、選手は最後まで足を動かして、前に進もう、チャンスがあれば、点を取ろうとしていた。あの頃とは違い、時代が変わったのだと思った」と答えていた。
監督の中で、ドーハは、昔話になっていた。

私は、そのインタビューを聞いて、過去のトラウマってその後の出来事で、いくらでもすり替えることができるんだなと思った。

私には、双子の息子がいる。
現在、19歳。3月生まれなので、来年20歳になる。
そして、来年早々に、成人式がある。
男子なので、女子のように振袖を用意することもないので、ちょっと残念だったりする。式典に参加するなら、大学の入学式のために買ったスーツで参加するのかなと思っていた。

でも、長男は、成人式行かないかもって言っていた。
「なんで?」と聞くと、
「仲のいい子は、今も会っているし、その他の人に、別に会いたくもないし・・・」って言った。

行政の記念式典には、行かないというか、申し込みをしていないから参加できないけど、地元の小学校で集まるから、そこには参加するだろうと思っていたのに。

その話を長男よりも少し上の大学生に言うと、
「成人式って、大事ですよ。何年かぶりに会って、印象が変わっていて、突然仲良くなるきっかけになる、友人ができたりするから」と言われた。
そして
「学校でいじめに会っていたとかで、ネガティブな理由で学校へ行きたくない以外なら、行って方がいいと思う」って言われた。

長男も同じようなことを誰かに言われたのか、その後、
「成人式に行くから」って言っていた。

でも、次男は、たぶん参加しないと思う。
そもそも地元にいないのだけど、地元にいても、参加するって言うかなぁ?と思う。
小学6年生の終わりに不登校になり、中学校もほとんど行かなかったからだ。
5年生までは、学校へ行っていた。
彼にとって、公立の中学校だったので、ほぼ小学校と同じ同級生だから。
地元のそれまでの仲のよかった友人がいないわけではないので、成人式へ行ったら、次男もそれなりに楽しいかもと思ったりもする。

でも、やっぱり、辛い時期だったことを思い出すだろう。

中学を卒業して5年。
まだ、次男は、吹っ切れてないと思う。

あと何年かかるかわからないけれど、きっと、それまでのことが、過去に思うことがあると思う。
ドーハの悲劇から29年たって、やっと過去になったのなら、5年はやっぱり短いと思う。

「リア充だったり、陽キャだったら、そんなことは、簡単だと思うけど、
自分には、難しいんだ」
昔、なかなか前に進もうとしない次男に向かって投げかけた言葉に対して、返答した次男の言葉。
何かの時に言われたような気がする。

変わることは、大人のなっても、難しいかもしれないけれど。

その時は、違う景色が見えるんじゃないかな?
たぶん。
















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