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【就活日記】学歴マウント戦争。本当はみんな不安なだけ。

学歴は最強の鎧だと、就活をしていて感じた。
どこの大学かというだけで、専攻をスキップできたり、
優秀だ優秀だとおだてられ、「うちに来てくれ」と言われる。
でも、そんな状況に、「期待に答えないと」「賢く見せないと失望される」
などという不安もどこかにある。

所詮、学歴は鎧でしかない。
強そうに見えるが、実際に戦って、弱ければ「不合格」が与えられる。
最大級におだてられて、落とされたときの衝撃にはしんどいものがある。

強い鎧を持っているものほど。不合格が怖いというのもあるかもしれない。
今回は、強い鎧を着た本当は不安で仕方がない者たちの、
サマーインターンの中での飲み会の話をしたいと思う。


修士1年の夏。始めてサマーインターンとやらに参加した。

「皆さんこんにちは!今回のインターンは倍率10倍。
優秀な皆さんに集まっていただきました!
これから3日間。皆さんの賢い頭を使って、いいアイディアを考えてください!」

事業立案型の3daysインターンは、「優秀な学生」という言葉を5回くらい使用しながら始まった。
学歴フィルターもしっかりかけられているのか、
最難関の大学の人達ばかりだった。

”優秀な学生じゃないと”という気持ちが芽生える音がした。

3日間のインターンが終わり、学生で呑みに行った。
席に付き、それぞれアルコールを注文し、口火を切った言葉は
「今回のインターン、高学歴なやつしかいなかったよな」
だった。みんな自信満々にうなずく。

なんとなく、私大と国立大で分かれて別々の居酒屋に行ったこともあり、
そこから始まったのは、私大の人に対する「私大って調子乗ってるよな」という私大アンチ(本当は少し羨ましいだけ)、インターンの中でロジックが通らない議論をした人に対する「本当に〇〇大かよ」「外部進学の院生じゃないのか」というシンプルに悪口。「〇〇(有名なコンサルファーム)は〇〇大の奴らしか受からない」という、切符を持っている優越感の共有。

どれも、「俺らは優秀で、正しい」を確認するかのような、
そんな内容ばかりだった。

ちなみに私は、誰も知らないような大学からの外部進学院生。
バレないように、「学部どこ?」って言われないように、
びくびくしながらはしっこでにこにこしていた。

鎧の中の弱さがバレたくなくて、バレたら村八分に会うような気がしてて。

酔いが回り始めると、どんどん素が出てきて、

「本当は学部の時どこも受からなくて、院進学したんだよなあ」
「彼女にフラレてさあ〜」
「〇〇(企業名)ESで落とされたよ」
と、みんな自分の不安や情けない部分を吐露し始める。

そこで何となく、ふと感じた。
”みんな今まで、怖かったのかもしれない。”

「優秀と思われないと」
「自分の弱さを見せたら、仲間はずれにされるかもしれない」
そんな恐怖に、怯えて、「〇〇大だぞ!!!!」と、吠えていたのかもしれない。

今回のインターンは、学生をしながらも、たくさんいろんなことに挑戦している学生が多かった。いわゆる「ガクチカ」が強い人達だった。
学生起業している子。長期インターンでM&Aなどの難しい案件を取り扱っている子。そんな子ばかりで、

みんな頑張りやさんで、きっと成果を出してこそ存在が認めてもらえるような環境で育ってきたこばかりだった。
優秀じゃない自分を、認めてもらえない環境の中で、
頑張って、期待に答えて、生きてきた。

いざ就活。
頑張るだけじゃ、全然だめだった。
人間性とか、扱いやすそうかとか、社風があうかとか、
多面的に自分のことを見られる。

完璧な人間なんていない。
みんな自分の弱い部分があることも自覚している。
でも、そこを見せてしまっては、
優秀じゃない部分を見せてしまっては、
存在を認めてもらえないという感覚が、どこかにある。

よってべろんべろんになって、鎧を脱いだ姿で関わった私達は、
ただの20代前半の大人になりきれない人間だった。

深夜3時、東京の飲み屋街をコンビニで買ったビールを片手に、
数名でフラフラあるく。
何を喋ったかもわからない、恋愛の話とかをダラダラしながら帰路についた。


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