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【15回連載 インタビュー企画Vol.5】 ~インターン生から、インターン生達へ~

ようびでは、地域人材の育成や、ものづくり、ブランディング等について実践的に学ぶことができるスクール事業やインターンシッププログラムをコーディネートしています。

そんなようびの様々なプログラムに、インターン生として参加してくれた就実大学・教育学部3年の由藤さんが、同じようにプログラムに参加された他のインターン生や、事業者様 に、学生ならではの視点でインタビューをしてくれました。 現在連載で記事をお届けしています。ぜひご覧くださいませ。

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今回インタビューさせていただいたのは、ようびがコーディネートしている、「京もの担い手育成事業」のインターンシッププログラムに2019年から参加されており、昨年は2年目インターン生としてアシスタントを務めていらっしゃった岡本さん

京もの担い手育成事業のインターンシッププログラムでは、京都の若手伝統産業職人さんが抱える課題をインターン生と一緒に解決するワークショップを実施しています。

岡本さんは、京都工芸繊維大学・デザイン学専攻・博士後期課程に所属されています。
大学の研究を続けながら、はんこ産業に関わるワークショップのコーディネーターも務める岡本さん。そんな岡本さんにとって、京もの担い手育成事業のプログラムはどのような経験だったのでしょうか?

――プログラムに参加したきっかけや理由を教えてください。

(岡本さん)大学で日本の工芸に触れる授業を受けていた際に、教授から勧めてもらったことがきっかけです。当時はデジタル技術を用いたプロダクトデザインを学んでいたのですが、最新のデザイン手法と伝統的な技術を掛け合わせた商品開発に興味を持っていたため、「自分の知らない伝統工芸の世界を現場で見て学びたい」という気持ちから参加しました。

――学校ではどんなことを学んでいるのか詳しく教えてください。また、他に活動されていることがあれば教えてください。

(岡本さん)大学院の修士研究では、「地場産業の未来に向けた活動を支援するためのツールをデザインしたい」という考えから、「はんこ産業」にまつわるボードゲームを作りました。山梨県には、はんこの生産量日本一の地域があるのですが、現在はんこ業界はデジタル化や消費者嗜好の変化などの外部環境変化に対して柔軟な対応が求められる過渡期なんです。そんな地域をもっと盛り上げるために、産業の強みや将来のリスクを調査し、それらを要素として取り入れて将来のビジネスプランを考えるボードゲームを地域に関わる人たちと開発しました。このゲームを使ったワークショップを山梨や京都などで開催して、町の人や行政、学生など、みんなで遊びながら未来を考え、話し合う機会を作っています。

――京もの担い手育成事業のプログラムに参加して、1番印象に残っている活動は何ですか?

(岡本さん)  「ブランディング」についてのワークと、「広報をするには、どんな人を雇ったらよいか」を考えるワークが面白かったです。どちらも事業者さんと学生の力を組み合わせながら行うワークで、実践的で特に価値のあるものだったなと印象に残っています。

また、「価値のワーク」も印象的でした。このワークを、自分が社会に出たときに「どんな価値を提供したいのか」、「相手に価値を提供できるスキルを持っているのか」、ということを意識することができました。これは大学で教えてもらえることではないと思いますし、事業者さんもその点を改めて考えることはなかったんじゃないかなと。このワークは場所や状況を選ばないと思うので、僕も実際に山梨のワークショップで使ってみようかなと考えています。

――参加する前と後で何か変化はありましたか?

(岡本さん) 大きく変わったなと思うのは「自分を客観視できるようになったこと」ですかね。ワークショップを始めるとき、毎回大島さんが「参加者同士が肩書きに関わらず『フラットに話すこと』を意識しましょう」と仰っていたのですが、それがだんだん自分の中に染み付いて自然とできるようになってきました。

特にワークショップの中で共同作業をする際には、行政、事業者、学生など、異なる立場の人がお互いリスペクトしあうことが重要で、同じ立場に立っていろんな角度から話し合うことで生まれるものがあると、肌で感じることができました。他の参加者を観察し、その立場に立った時にどのように振る舞うべきかを学びながら、自分を見つめ直すことができたと思います。

――プログラムを通して感じた伝統工芸品の魅力は何ですか?

(岡本さん) 「人を惹きつける美しさ」だと思います。
観光客が来たり、愛好家の人がいたり、今回のワークショップではたくさんの学生が参加していたり・・・そういう「人を惹きつける美しさや強さを持っているもの」ってなかなか今の時代にはないんじゃないかなぁ。事業者さんの伝統に向き合う思いや姿勢、技術がこの美しさを生み出しているんだと思います。

――あなたにとって、一番大切な「価値」は、何ですか?

(岡本さん)「未来がある状態」です。
常に明るく楽しい未来を創造することがすごく大事だなと感じています。どんな状況でも、ネガティブにならず、将来を前向きにとらえる姿勢はすごく大切だと思うし、1人でそれができないときはみんなで支えあっていけるコミュニティや仲間に出会えていることが、今の自分を支えていると思います。もちろん、京もの担い手育成事業もその一つです。

――今後の目標や展望を教えてください。

(岡本さん) 「創造的に協働できる、人と人が調和する未来」を作っていきたいです。そのためにはいろんな人に認められるスキルや活動実績、生き方や考え方を持っていないとできないと思うので、それらを叶えるために学び続けて、「この人と“何か“したい」と思われるような人になりたいと考えています。

インタビュー中、ずっと和やかで落ち着いた雰囲気で質問に答えてくださった岡本さんですが、その回答ひとつひとつから落ち着きの中に潜む熱意やエネルギーを感じることができました。
また、岡本さんが考案された、はんこ産業のボードゲームもとても面白そうで、難しい課題に対して、どんな人でも理解しやすいようにゲームにして取り組む、という発想がとても素敵だと感じました。

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「京もの担い手育成事業」を通して「自分を見つめ直すことができた」と話す岡本さん。プログラムで学んだことを、早速ご自身の活動に生かされているようで、とても嬉しく思います!

※京もの担い手育成事業について
https://jirei.youbi.me/2022/03/31/1667/

※できるだけインターンシップ参加者の思いや言葉をそのままお届けしたいという考えから、インタビュー内容についてはほぼ未修正で掲載しています。

※大学名やお名前については、ご本人に掲載許可を頂いています。


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