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【15回連載! インタビュー企画 Vol.12】〜インターン生から、インターン生達へ〜

ようびでは、地域人材の育成や、ものづくり、ブランディング等について実践的に学ぶことができるスクール事業やインターンシッププログラムをコーディネートしています。

そんなようびの様々なプログラムに、インターン生として参加してくれた就実大学・教育学部3年の由藤さんが、同じようにプログラムに参加された他のインターン生や、事業者様 に、学生ならではの視点でインタビューをしてくれました。

現在連載で記事をお届けしています。ぜひご覧くださいませ。

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今回インタビューさせていただいたのは、京都市役所に勤めている桑原智美さんです。

桑原さんは、ようびがコーディネートさせて頂いている、「京もの担い手育成事業」を企画されたクリエイティブ産業振興室に所属されており、運営側の視点からお話を伺うことができました。

京もの担い手育成事業のインターンシッププログラムでは、京都の若手伝統産業職人さんが抱える課題をインターン生と一緒に解決するワークショップを実施しています。

インターン生よりもさらに深く事業者さんと交流のある桑原さんですが、今回のプログラムを通してどのようなことを感じられたのでしょうか?

――今回のプログラムを企画された経緯を教えてください。

(桑原さん) 京都の伝統産業を盛り上げ、伝統産業のファンが1人でも多く増えたらいいな、という気持ちがあり、今回の企画が誕生しました。

京都はたくさんの大学があるまちなんですね。その特性を生かして、インターン生と事業者さんが伝統産業の職人さんの課題について一緒に考える場を持つことで、インターン生が伝統産業の理解を深めるとともに,事業者さんもこれまでと異なる商品開発や挑戦のきっかけとしてもらう。さらには、力を合わせて若い世代の人たちに伝統産業の魅力を発信できるような機会があればいいな、と思い企画しました。

――桑原さんはクリエイティブ産業振興室 染織係長ですが、具体的にどのような活動をされているのですか?

(桑原さん) 京都の伝統産業の振興を目的とした業務に従事しています。

京都は茶道や華道などの伝統文化やそれを支える伝統産業が市民生活の色々なところに残っていて、それは世界の中でも「京都」にしかない特色であり、そこから「京都らしさ」が生まれてきていると考えています。

その一方で価値観や社会が変化して、大量生産大量消費のものや輸入品などが流通するようになって、今、伝統産業が危機的な状態なんですね。そのため、クリエイティブ産業振興室では伝統産業に携わる方々のサポートや伝統産業製品の広報など、様々な活動に取り組んでいます。

――プログラムを運営するにあたって、一番印象に残っていることは何ですか?

(桑原さん) 参加者の皆さんが、汗をかきながら真剣にプログラムに取り組んでいる姿勢が印象的でした。

プログラム1回にあたり4時間の授業をするのですが、それが毎回あっという間に感じました。それは参加者の方たちが真剣に取り組まれていたり、ようび代表の大島さんや社員の方が毎回事業者さんに合わせた、綿密なプログラムを企画してくださっているおかげです。「今回は何をするのだろう」と、こちらもワクワクした気持ちで参加していました。

また、事業者のみなさんは普段1人で考えることが多いと仰っていたのですが、今回参加して、「孤独じゃなくなってありがたい」と言ってくださいました。職人さんたちの大変さも理解でき、そういうところを今後サポートしていく必要があると、私たち行政の課題も見つけることができたと思います。

――参加する前と後で桑原さん自身に何か変化はありましたか?

(桑原さん) 大島さんが「チャンスは他人からしか来ない」と毎回仰ってくださるのですが、その言葉がすごく自分にとって印象的で、なるべく自分に頼まれたことは受けるようになりましたね。

あとは大島さんはすごく肯定的な考え方をする方で、そんな姿勢に私自身とても励まされて前向きな考え方ができるようになったと思います。

――就職活動や社会に参加するにあたり、大切だと思う力を教えてください。

(桑原さん) 現状分析・現状把握の力だと思います。プログラムの中で、事業者さんの事業を取り巻く人たちとの関係性を「ステークホルダーマップ」というものを使って可視化するワークがあるのですが、そういうものをインターン生の方が活用するとすごくいいなと思っています。

頭の中にある、ぼんやりとしたことを整理して、自分の状況を把握するというのは、就職活動でもとても役に立つんじゃないかなと思います。

――今、社会に足りない「会社」は何だと思いますか?

(桑原さん) 「伝統的なものの価値を伝えてくれる会社」ですかね。

伝統的なものは、どうしてこんなに長く続いていて、価値が高いのか等、そういうことにみんなが気付けるようなきっかけをつくる会社がもっとあったらいいのにな、と思うことがあります。行政も民間企業も、もっと伝統産業に力を入れて盛り上げることができたらいいなと思います。

――今後の目標や展望を教えてください。

(桑原さん) クリエイティブ産業振興室では、他分野の事業者やプロデューサー等と連携し,マーケットの拡大や新商品開発などに意欲的に取り組む団体を対象とした「伝統産業未来構築事業」を今年から新しく始めることになったので、その事業に力を入れることと、私自身の目標としては伝統産業のファンを1人でも増やすことですね。そのためにたくさん行動して、いろんな活動をしていきたいと思います。

今回桑原さんにインタビューして一番に思ったのは「京都愛が強い!」ということです。京都というまちをどのように未来に残していくか、その中でも伝統産業をどのように盛り上げていくか、京都を考える気持ちや情熱を回答のひとつひとつから感じることができました。

今後も事業者の皆さんと、京都や伝統産業の魅力を発信していただけたら嬉しいです!
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桑原さんのように、事業者の皆さんやインターン生、そして地域の方々のための活動を熱心に取り組まれている方と出会えたこと、私たちもとても嬉しく、そして励みになります。

※できるだけプログラム参加者様の思いや言葉をそのままお届けしたいという考えから、インタビュー内容についてはほぼ未修正で掲載しています。

クリエイティブ産業振興室

京もの担い手育成事業

https://jirei.youbi.me/2022/03/31/1667/


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