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心臓を握って見せられる

MOROHA

MOROHAが新曲を出した。
去年の5月に聴いて以来、意図的に聴かないようにしていた。
以前からよく聴いていたけど、その日から1年以上聴かなかった。

というか、聴けなかった。
聴いたら負けてしまうと思った、
自分の弱さに。
甘えてしまうと思った、
MOROHAの音楽に。


でも、捨て身の覚悟で出したであろう新曲が気になって、もう大丈夫だろうと思って聴いた。

そこにはただただ現状に対するアフロの本音だらけの歌詞が並んでいた。
それはただ一人の気持ちでしかないんだけど、自分にも思い当たる節があって。


駄目だった。
苦しくなった。
悔しくなった。
悔しくて悔しくて、どうしようもなかった。
自分がまた情けなくなった。
なにやってるんだろうって。

あの時の感情がそのまま真空パックで届いたような。
凄く圧縮して見ないようにしていたのにな。


目の前には真っ暗闇の未来が広がった
なぁこんな時一体どうすればいい?
いやそんなこと本当はわかってんだろ?

そう、わかってる。
わかってるけど、わかってるんだけど、身体は一向に動かなかったんだよ。

お前に頑張れ!なんて叫んでいたのは
自分の弱音をかき消す為だった
お前に諦めるな!なんて言ったのは
何よりも俺が諦めない為だった
お前の居場所になってやりたかったのは
自分の居場所をつくる為で

頑張っている友人に掛けてた言葉は本当は自分に言い聞かせていたんだよな、きっと。
誰にもバレないようにヘラヘラして、ずっと騙してる罪悪感と、何かに向かっていく彼等に置いていかれてる孤独感にいてもたってもいられなかったよ。
ちゃんとバレないように出来てたでしょ?


やっぱりMOROHAの音楽は抉ってくる。
見たくないものをわざわざ見せてくる。
ずっとやめて!やめて!って駄々捏ねて叫んでも相手も本気だから絶対に拒めない。

ナイフで心臓を取り出されて、
「お前も持ってんだろ!!」
と心臓を握られている感覚になる。

自分がせっかく見ないようにしていた感情だったのに。
でも、どこかで必ず向き合わなければならなかったんだろうな。
その機会をくれただけ。


心臓を抉ってくる音楽がもう一つ。


それでも世界が続くなら

自分でも思ってたけど、知らない振りしてる感情を叩きつけられる。
でも、ずっと寄り添っていてくれるような音楽。
「これを聴かない人生があるなら、そのほうがいい。」って篠さんも言っていた。


そして、クリープハイプの『風にふかれて』も。
これは何かの折に触れる機会があれば聴いてみてほしいと思う。
裏切られたり、盗まれたり、上手くいかなくて死にたくなるって歌詞が続くんだけど、最後には『君はまだ生きる』って何度も言ってくれる。
竹原ピストルも素敵だ。
『例えばヒロ、お前がそうだったように』


側から見れば鬱だろうし、「どこがそんなにいいのか分からない」と言われることもある。
そういう人は本当に死にたいと思ったことがないんだろうなと思う。
あいつ本気で殺してやろうとか。

この感情とは上手く付き合っていかなければならないし、もう友達みたいな。
たまに遊びにくるだけ。


この音楽たちは落ち込んだ時に聴くけど、


私はたぶん死なない。


死なないよ。


ちゃんと見ててくれ。


#エッセイ #人生 #それでも世界が続くなら #MOROHA #音楽

お金よりもスキしてくれるとスキ