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Ado「クラクラ」2番サビの騒がしい楽器と切ない歌声のギャップが面白い!


『SPY×FAMILY』の内容を知らない筆者の考えるAdo「クラクラ」

まず最初にこの曲を聴いた時に一番印象に残ったのが、2番サビにあたるような箇所の落ちサビ(ラスサビの盛り上がり前の落ち着いたサビ)っぽいパートです。歌は転調してキーが下がって、切なくて落ち着いた歌い方にも関わらず、バックミュージックではドラムやベースが他のサビとそこまで変わらないくらいの賑やかさを保っていて、そのアンバランスさに「おっ」と心を惹かれました。「何だかこの曲が気になっちゃう…」という感覚です。
よくある落ちサビは、歌い方も落ち着くし、楽器も極端に音数が減って静かになることが多いのですが、「クラクラ」の落ちサビっぽい箇所はホーン(トランペット)の出番が少し減るくらいで、ドラムやベースは割とリズミカルで賑やかなまま進みます。このギャップというか、良い意味での違和感がすごく個性的で良いな〜と思いました。

私自身、あまり漫画を読んだりアニメを観たりする習慣がなく、『SPY×FAMILY』も「スパイの顔を持つメンバーが集まって普通の家族を装って暮らす」くらいの内容しか知らないため、「クラクラ」でこの印象的な2番サビを聴いた時に「『SPY×FAMILY』の内容が気になる…この歌声と楽器のアンバランスさは作品の何を表しているんだろう…」と思ってしまいました。想像ですが、楽しく賑やかな日常(賑やかなバックミュージック)の中で自分だけが何かを抱え込んで切ない気持ち(切ない歌声)になっているような状況が作品の中にあるのでしょうか…スパイの顔を持つことで楽しいはずの日常生活の中で悲しい気持ちになることがある、という心理描写を表しているのかな、なんて考えました。果たして合っているのでしょうか…きっと『SPY×FAMILY』の内容を知っている方が「クラクラ」をより楽しめるんだろうなと思いました。
以前、YOASOBI「アイドル」を聴いた時にも同じように「聴けば聴くほど原作漫画が気になる…」となり、漫画を一気読みしたことについて記事に書きましたが、今回も「クラクラ」を聴いたことで『SPY×FAMILY』を一通り読むなり観るなりしたいなと思いました!

「ミックスナッツ」へのリスペクトを感じる前奏

「クラクラ」のイントロを聴いた瞬間、『SPY×FAMILY』アニメ1期主題歌「ミックスナッツ」に似ているなと思いました。どちらの前奏もベースは何となくメロディーを刻みつつ、他の楽器はメロディーにならないような不安定な音の動きをしていて、独特の混沌とした雰囲気があります。「クラクラ」の前奏は「ミックスナッツ」のオマージュなのかな、リスペクトを表しているのかな、と思いました。曲の速いテンポだったり、ジャズっぽい雰囲気も「クラクラ」と「ミックスナッツ」は共通していますね。どちらもお洒落でスマートで疾走感のある感じがスパイっぽいなぁと思います。

「クラクラ」に感じるジャンプっぽさ

Aメロ後半、一番だと「常識・劣勢・裏の裏」から始まるパート、歌詞が早口で畳み掛けるような勢いがすごくジャンプっぽいというか、漫画やアニメ特有の前向きで勢いのある感じがして、すごく格好いいですよね。個人的にとてもお気に入りのパートです…
あともう一箇所ジャンプっぽくてお気に入りなのが、サビ最後のフレーズ「揺らぐんだ」で歌と楽器が全て同じ音のメロディーをユニゾンで演奏するところです。この曲をバンドカバーするのはめちゃくちゃ大変だと思いますが、もしバンドで演奏できたらサビ最後のこのユニゾン、合わせるのすごく楽しいだろうな〜なんて思いました!
ここまで散々「ジャンプっぽい」と言ってきましたが、自分で言っておきながら「ジャンプっぽい音楽」って何ですかね…でも皆さん何となく伝わりますよね…「友情・努力・勝利」と頭に浮かぶようなフレーズです。笑

「話題アニメ×売れっ子Jpopアーティスト」の強さ

前述のYOASOBI「アイドル」と【推しの子】についての記事でも書きましたが、「話題アニメ×売れっ子Jpopアーティスト」のパッケージはやはり強いですね。アニメファンは主題歌自体やその主題歌を歌うアーティストが好きになるでしょうし、主題歌を歌うアーティストのファンはアニメに興味を持つ、その相互作用は日本に止まらず世界にも広がっていく時代だなぁと思っています。これからもこうして音楽を通して知らなかったアニメや漫画に触れるのが楽しみです!

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