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Ado「唱」サビの英語歌詞でグローバルヒットも見据える?


「踊」好きにはたまらない「唱」

Adoの新曲「唱」、聴きましたか?Adoの楽曲の中で「踊」が一番好きな私は、「踊」と同じく作曲・アレンジをGigaとTeddyLoidが手掛けているということもあり、「唱」、めちゃくちゃ好きな楽曲です…

Adoは最近「向日葵」もリリースしており、「向日葵」のような王道ポップスを歌ってもやはり上手だなぁと思うものの、「唱」のような、まるでジェットコースターかのような楽曲の方がよりAdoの多彩な歌声が生きて、Adoだからこそ歌える曲という感じが前面に出て鳥肌が立ちますね。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン「ゾンビ・デ・ダンス」の新テーマソングとのことですが、皆で盛り上がれるEDM・クラブミュージック感も、日本のお祭り感も同時に感じられる楽曲で、USJのハロウィンイベントに参加したことのある身としてはイベントにぴったりだなと思いました。

曲は似ているが、「踊」と比較して英語歌詞が増えた「唱」

「踊」と「唱」どちらも共通してGigaとTeddyLoidの作曲・アレンジであり、曲の持つ「テンションぶち上げお祭り系」というような雰囲気は似ていますが、違うなと感じたのが歌詞の中の英語の割合です。
歌詞については、「踊」がDECO*27、「唱」がTOPHAMHAT-KYO (FAKE TYPE.)ということで、手掛けている人が違う分、歌詞の雰囲気が違うのだとも思いますが、「唱」では明らかに歌詞の中の英語の割合が増えていると思いました。

「踊」でもサビは「wow wow」という歌詞が入っていて、英語と言えば英語ですし、平歌部分でも少し英語の歌詞は入っていますが、「唱」の方が断然英語歌詞が増えています。特にサビの印象的なフレーズ、聴く人が思わず口ずさむようなフレーズは「Nah Nah」「Ready for my show」「Shout it out」と分かりやすい英語歌詞となっています。
この「唱」の歌い方をYouTuberしらスタのチャンネルにてAdo本人が解説しているのですが、その中(12:45頃)で「Shout it out」は「英語圏の皆様にもフレーズがはっきり聞こえるようにという思いもある」と話されており、やはり今回はグローバルも少し意識した楽曲になっているのではと感じました。

このようにキーフレーズを英語歌詞にする楽曲は最近のKpopでも多くなっている印象で、グローバルでヒットを狙う一つの戦略なのではと感じています。

Kpopトレンドに見る英語歌詞の増加

特に英語歌詞が多いと感じるKpopグループがNewJeansです。2022年デビュー曲の「Attention」から歌詞の中に英語が多く、サビのキーフレーズが「You got me looking for attention」としっかり英語になっています。グローバルでの人気の高まりと共に英語歌詞の割合も増えているように感じており、2023年7月にリリースした「Super Shy」では歌詞の9割ほどが英語、残り1割が韓国語となっています。グローバルで人気を高めようとしている戦略も分かりますが、歌詞をここまで英語に振り切るならいっそのこと100%英語歌詞でも良いのでは…と思ったほどです。

NewJeansの曲を思い出そうとすると自然と英語歌詞の部分を口ずさむので、世界でより多くの人の記憶に残り、口ずさんでもらうには大事な戦略なのだろうと実感します。
英語歌詞を多く含むKpopグループのトレンドはNewJeansに限らず、例えばLE SSERAFIMの「UNFORGIVEN」やENHYPENの「Bite Me」なども、歌詞の約半分が英語となっています。個人的には、グローバルを強く意識しているグループほど英語歌詞が多いような印象です。

日本語歌詞でも世界で流行した楽曲:YOASOBI「アイドル」

「英語歌詞がグローバルヒットの一つの戦略」と言いましたが、もちろん近年、日本語の歌詞でも世界で流行した楽曲はあります。記憶に新しいのがYOASOBI「アイドル」です。歌詞は全て日本語ですが、グローバルでもヒットし、2023年9月21日には韓国の音楽番組「M COUNTDOWN」に出演しました。

「アイドル」はTikTokで振り付けと合わせた動画投稿が人気となり、Kpopグループのアーティスト達も本当にたくさん「アイドル」踊ってみた動画をTikTokに上げていました。韓国の音楽番組で日本のアーティストが日本語で楽曲を披露するのはかなり珍しいことだと思うのですが、TikTokを見ていると「アイドル」は韓国国内でもかなり人気が高い楽曲なのだと実感しますし、それが今回の番組出演に繋がったのだと思いました。「アイドル」について書いた記事の中でも触れましたが、【推しの子】という話題アニメ×YOASOBIという売れっ子Jpopアーティスト、そしてTikTokでのバイラルヒットが相まって世界でヒットした、とても今っぽいヒットの在り方だなと思いました。もちろんAyaseさんの作るYOASOBIの世界観、ikuraちゃんの圧倒的な歌唱力があってこその結果です。

日本語歌詞でも世界で流行した楽曲:藤井風「死ぬのがいいわ」

他にも、最近グローバルでヒットした印象の強い楽曲に藤井風さんの「死ぬのがいいわ」があります。こちらも歌詞はほとんど日本語、曲調もかなり和のテイストを感じる楽曲となっています。

「死ぬのがいいわ」の世界的ヒットの要因は色々な記事で紹介されており、以下の記事など、かなり分かりやすく解説されています。やはり「死ぬのがいいわ」もTikTokによるバイラルヒットの影響が強い印象です。

良い楽曲が広まりやすい時代、どう世界に届けるか

私は音楽が好きなので、Jpop、Kpop、洋楽などなど色んな音楽を聴きますが、同時に日本の素晴らしい楽曲がどんどん世界に広がっていったら良いなと思います。今はSNSなどで世界と繋がる手段が増えた分、日本の良い音楽が世界に広まりやすくなっていますし、同時にたくさんの情報の中で埋もれてしまいやすい時代とも思います。プロの皆さんが日夜試行錯誤してどう世界に届けるか考えているのだろうな…というのを今回「唱」を聴いて改めて感じたので、長々と記事を書いてしましました。「唱」、本当に格好いい楽曲だと思いますし、ボカロ系譜の日本っぽいクリエイティブだと思うので、印象的な英語歌詞と共にぜひ世界に広がって欲しいです。そしてこれからも良い音楽がたくさん世の中に広まっていくよう、私もこのnoteで細々と記事を書いていきたいと思います。

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