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【本のまとめ】JUST KEEP BUYING ~自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則~


第1章 どこから始めるべきか?
お金がない人は「貯金」を、お金がある人は「投資」を重視すべき理由

何を重視すべきか

富を築く方法
「取引手数料を低く抑える」「分散投資する」「長く株を保有する」
これらは間違っていないが、自分自身のその時点での経済的状況を重視すべき。
→有名投資家のアドバイスよりも、まず自分の経済的状況から考えるべき

貯金か投資か
➀まず1年間に無理なく貯金できる額を算出(=予想貯金額)
➁今後1年間に予想される投資収益を決定(=予想投資収益額)
例えば、
➀予想貯金額=10万円/月(=120万円/年)
➁投資資産=100万円(利回り10%だとすると)→10万円/年の「投資による収益」
➀②を比較して、①が多ければ「貯金」、②が多ければ「投資」に集中すべき。

第2章 どのくらい貯金すればいいのか?

世の中の貯金についてのアドバイスは大間違い

富が増えれば増えるほど、貯蓄も増える。
→収入の〇割を貯蓄しようというのは誤り(→長期的な収入が見込めること、どの収入の人も同じ割合で貯金できることを前提としているから)
・下位20%の所得者=収入の1%を貯蓄
・上位20%の所得者=収入の24%を貯蓄
・上位5%の所得者=収入の37%を貯蓄
・上位1%の所得者=収入の51%を貯蓄

貯金に関する最良のアドバイス
=「できる範囲で貯金する」
→ストレスが大幅に減り、幸福度も格段にアップする。
景気の状況に限らず、米国人の一番のストレス要因はお金であり、高または中程度の不安を感じている人がほとんど。
貯蓄率の低さによるストレス > 経済的な苦しさ
→ストレスからくるマイナスの影響は、収入アップや健康増進によるプラスの影響を上回る。

貯金できる金額の決め方

自分の可能貯金額
=収入-支出
➀固定費を算出
➁変動費は概算で見積もる

年金受給者の資産は、老後生活で使い果たされるより、変化しないか、むしろ増えているケースがほとんど。
元本を取り崩している人は、わずか14%にすぎない。
→実際にお金がなくなることよりも、お金が無くなることへの恐怖が脅威になっている。

社会保障が受けられないと考えられているが、給付金が完全に廃止される可能性は低い。
→信託基金の資金が2035年ごろに底をついた後でも、予定給付額の79%を支払うのに十分な収入がある。
米国政府が現状の方針を変更しなくても、将来の退職者は約8割を受け取ることができる。
どれくらい貯金すべきか?
=「できる範囲で貯金する」「自分が思っているほど貯金する必要がない」

第3章 こうすればもっと貯金できる

「節約派」VS「収入アップ派」、どっちが正しい?

節約には限界がある。
→節約は資産を増やすのに現実的な選択肢ではない
「収入が増えても、支出が同じように増えるわけではないから」

最上位と最下位のグループを比較すると、
税引後所得は14倍
基本的生活費の支出は3.3倍
にしかならない
「限界効用逓減の法則」
=同じものに対する支出が増えるほど、それによって得られるメリットが減っていくこと。
収入が増えれば生活費も上がる傾向にあるが、収入アップと同じ比率で生活費が上がるわけではないので、高所得者世帯の方が貯金しやすい。

多くの人が貧しさから抜け出せないのは、意欲や能力のせいではなく、低賃金の仕事に就いているからである。
→お金がないことによって、高収入の仕事に就くための訓練や資金が得られない
=「支出を減らせば、お金持ちになれる。はウソ」
お金持ちになるための王道
=収入を増やし、収益を生み出す資産に投資する。出来る所は引き締め、後は収入を増やすことに集中すること。

今より収入を増やす5つの法則

人的資本を活用して収入を増やす方法5選
➀時間単位の専門サービスを提供する
長所:簡単にスタートできる。初期コストが少ない。
短所:スケールしずらい
→自分の技能や専門知識を最大限に活かす。専門性が高まっていけば、時間単価が上がる可能性があるが、その時間以上は稼ぐことができないのでスケールしなく、極端に裕福にはなれない。

➁出来高制の専門サービスを提供する
長所:ブランドを構築でき、高い報酬が期待できる
短所:ニーズのある技能やサービスの開発に時間がかかる。スケールしずらい。
→出来高で請求できる分、時間単位のサービスより収入を増やしやすい。だが、案件ごとに技能やサービスを提供し、その対価として報酬を得るためスケールしずらい

➂人に教える
長所:スケールしやすい
短所:競争が激しい。安定的ではない
→「知る者は行い、理解する者は教える」というアリストテレスの言葉があるように、一回ブランドを構築することでその後も集客しやすくなる。だが、ライバルが次々に現れるため、独自色を打ち出していかなければならない

④商品を売る
長所:スケールしやすい
短所:先行投資と継続的なマーケティングが必要
→一度作れば、同じものを多く売ることができ、オンラインだと販売個数が増えても追加費用がかからないのでスケールしやすい。

⑤会社で昇進する
長所:技能、経験を積める。安定した収入を得られる。
短所:自分の思うように時間や行動をコントロールできない
→もっとも一般的な方法だが、軽視されがち。会社での仕事を通じて人間関係を学び、多くの技能を学ぶことで、将来的なキャリア形成にとって極めて大きな価値となる。

富を築く最終目標は「オーナーになること」
→増えた分の収入を使って、さらなる収入を生み出す資産を取得する。
長期的に富を築くには、人的資本を金融資本に転換する。

第4章 罪悪感なしでお金を使う方法

罪悪感を覚えずに買い物が楽しめる2つの方法

➀2倍ルール
「贅沢な買い物をするときは、必ずそれと同額の投資をする」
→買い物をするときに冷静に、本当にこの商品を買いたいと思っているのか、考えることができる。
「贅沢な買い物」は自分の基準で良い。
投資でも良いし、慈善団体に寄付するでも良い。

➁「充実感」を第一に考える
いつまでも心を豊かにし続けてくれる充実感が得られるお金の使い方をする。
「幸福感が高まりやすい5つのお金の使い方」
➀体験を買う
➁自分のために(たまに)贅沢をする
➂時間を買う
④前払いする(例:旅行費用の全額を前金で払う)
⑤人のために使う
「やる気を引き出すための要素3つ」
➀自律性(自主的であること)
➁熟達(技能を向上させること)
➂目的意識(自分より大きな何かにつながること)
→お金は、自分が望む生活を実現するための道具。毎日コーヒーを買うことで、最高のパフォーマンスを発揮できるのであれば買えばいい。

本当に難しいのは、お金の使い方ではなく、人生で本当に欲しいものが何かを見つけること。
→「何を買うかではなく、どんな基準で買うか」

自分の心理的特性に合った買い物をしている人は、人生の満足度が高い。
→何にお金を使うのを楽しいと感じるかは性格に左右される
一般的に「モノ」よりも「体験」を買う方が幸福度を高めるとする研究結果が多いが、内向的な人からするとこれが当てはまらない。

自分が人生に何を求めているのかを理解できるのは自分しかいない為、納得できる基準が決まったらそれに従ってお金を使う。

第5章 収入アップに合わせて生活レベルを上げるのは、どれくらい許される?

収入がアップしたら、どれだけ生活レベルを上げていい?

現在の貯蓄率→収入アップ分をどれぐらい貯蓄すべきか
・5%→27%
・10%→36%
・15%→43%
・20%→48%
・25%→53%
・30%→59%
・35%→63%
・40%→66%
・45%→70%
・50%→74%
実は、ある程度のライフスタイル・クリープ(=収入が増えた分支出が増えること)は問題ない。
貯蓄率が低い人ほど、元々の支出の割合が多いため生活レベルを上げやすい。

ほとんどの人に言えるのは、「昇給額の50%を貯金する」ことができればリタイア資金を築くのに役立つ。
ライフスタイル・クリープの上限を50%にすることで、増えた分を楽しむことができるようになる。

第6章 借金はすべきか?

借金を「貯金の手段」として使っている人がいる!

払えるお金があるのに、クレジットカードでローンを組み手持ちのお金を減らさないようにしている。
→切り崩した貯金を元に戻すのは、精神的にもダメージが大きく、時間もかかる。
→数学的な合理性よりも、人間心理を理解し、重視している。

借金を検討する理由
➀リスクを減らす
→万一の事態に備えて、現金を手元に残しておくために繰り上げ返済を行わない。
予想外の出来事に柔軟に対応すること > 利子を払うコスト
➁借り入れコストを上回るリターンが生み出せる
→学位の現在価値=(生涯収入の増加分÷2)-逸失利益
大学に通うことで失うコストと、その後得られる収入を比べると、失うコストを上回ることが多いため、そこにコストを支払っても良いとされる。

借金の種類によって、心身の健康に影響を及ぼす。
→クレジットカードの負債残高が多い世帯は、「とても幸福である」と感じている比率が低い。
住宅ローンに関しては、ストレスがない人とある人に分かれる。
繰り上げ返済をせず、運用して資産を増やした方が経済的には得をしたかもしれないが、精神的な安らぎを優先してローンを早めに返済することも一つの手である。

負債から最大の利益を得られるのは、「負債をする最適なタイミングを選べる人」である。
→戦略的に借金をすれば、大きな恩恵が選べる。
現在借金を抱えている世帯の多くが、臨時の出費に対して借金でまかなっているため、借金地獄から抜け出せていない。
→「借金をすることを選ぶ」ということは自分が思っている以上に幸福である。

第7章 家は借りるべきか買うべきか?

持ち家に押しかかる2つのコスト

一時的コスト
→頭金、購入手数料
継続的コスト
→税金、維持費、保険料
家本体の支払いを終えた後も、固定資産税や維持費、保険料はかかってくる。
家のメンテナンスにも労力がかかる。
売買の頻度が多いと、取引コストが大きくかかる
→長期的にその家を所有する場合は買うのもあり

賃貸派が一生抱える潜在的リスクとは?

主なコストは、長期的なリスクになる。
→10年後の住宅費が不明、変動しやすい家賃相場に応じるなど
気に入った物件だったとしても、家賃の引き上げなどによって引っ越さざるを得ない状況になるリスクもある。
子どもがいる場合には、さらに精神的なコストも発生する。

住宅を投資資産としてみた場合、あまり利回りは良くない。
→1915年~2015年で年間0.6%
家を購入する代わりに、米国の代表的なインデックスファンドに同額を投資していたほうが、その後のリターンは大きいものになる。

ズバリ家の買い時は「いつ」?

住宅は、持ち家か賃貸か、ではなく「いつ買うべきか」に着目すべき。
下記の3つを満たしていれば購入に踏み切ってもいいが、一つでも満たせていなければ、賃貸にすべき。
➀10年以上はその土地に暮らす予定
➁公私ともに安定した生活を送っている
➂経済的余裕がある

経済的余裕
→頭金で住宅価格の20%が払える+収入に対するローン比率を43%未満に押さることができる。
「43%」は、住宅ローンを組む資格のある、最大限の返済負担率とされている。これを超えてはいけない。
※返済負担率=毎月のローン返済額÷毎月の収入
取引コストを考慮すると、まとまったお金を貯めてから大きな家を買った方が得である。

第8章 頭金を貯める方法

インフレの影響を避けつつ確実にお金を貯めたい人へ

近い将来、まとまったお金を貯めたいのであれば、「現金」で貯めるのがベスト。
短期間で貯めるのであれば、インフレの影響はかなり少ない。

債券は、定期的に価値が3%以上下落していることがあるため、目標金額への到達が遠のく場合がある。
2年未満で資金を貯めたいなら、現金で貯めるのが最適。

資金を貯めるのに2年以上の期間があると、インフレの影響が大きくなる。
債券はインフレの影響を受けにくい。
→3年以内でまとまった資金を貯める=現金
→3年以上かかる場合=債券

株式への投資(S&P500)の場合は、ほとんどの場合優れているが株式の暴落時には、はるかに悪くなることがある。
その期間は、暴落に合わせて失業や経済的困難な場合も考慮しなければならない。
→リスクに合わせた、ポートフォリオを組めばいい。

第9章 いつリタイアできるか?

極めてシンプルな「4%ルール」とは?

株式5割、債券5割のポートフォリオから毎年4%を取り崩していれば、老後資金を使い果たすことなく生活できるということ。
→インフレ率を考慮して毎年3%ずつ取り崩し額を増やしても、30年以内に元金が尽きる確率は極めて低い。

リタイア後の支出
・年間支出=4%×リタイア資産
(年間支出=1÷25×リタイア資産)
・リタイア資産=25×年間支出
→1年間にかかる支出の25倍の資産があれば、4%ルールが適応できる。
→しかもここから社会給付金(年金)などを差し引いていい。
つまり、
・リタイア資産=25×年間超過支出
※年間超過支出、、、1年間に必要な支出額から社会給付金などの収入を差し引いたもの

年を重ねるほどに支出は減っていく。
→一般的に、年間1%ずつ支出が減っていく。(住宅ローンや交通費、衣服代が減っているから)
年間支出は減っているが、4%ルールだと取り崩し額は大きくしてもいい。
→かなり控えめに見積もられているため、有効な確率が高い。

”いつリタイアできるか”わかる「クロスオーバーポイント・ルール」とは?

毎月の投資収益が毎月の支出を上回る地点を見つける
(=クロスオーバーポイント)
クロスオーバーポイントを超えるために必要な金額
(=クロスオーバー資産)
クロスオーバー資産(投資資産)
=月次支出÷月次投資収益率

仕事における価値は、その人のアイデンティティにかなり貢献している。
→仕事がなくなることで、自分の存在価値を見つけにくくなってしまう

「リタイア生活で一番大切なことは?」
という問いに対して納得のいく答えを出すことができれば、幸せなリタイアができる可能性がある
「いつ」リタイアできるのかを知るには、「何のために」リタイアするのかよく考えておかなければならない。

第10章 なぜ投資すべきか?

今すぐ投資すべき3つの理由
1、老後に備えるため
→コンピュータで作成した「老後の想像写真」を見てもらうと、見なかった人より給与を約2%多く老後資産に振り分けている
「子供のため」「休暇のため」「住宅購入のため」よりも「老後のため」という目標の方が貯蓄額を多くする傾向がある

2、インフレから資産を守るため
→インフレ(=物価の上昇)は目に見えない税金と言える。インフレの影響は長期的に見るとかなり大きくなる。
インフレ率が2%→お金の価値(=購買力)は35年で半減
インフレ率が5%→お金の価値(=購買力)は14年で半減
つまり物価の上昇が緩やかだったとしても、生活必需品の価格は2~30年ごとに倍増する。
1926年に1ドルを投資すると2020年には、
米国債→200ドル(インフレ率の13倍)
米国株全体→1万937ドル(インフレ率の729倍)
インフレに対抗する唯一の武器は投資資産を増やすこと。生活防衛資金以外はすぐにでも投資に回すべき。

3、「人的資本」を「金融資本」に置き換えるため
人的資本=技能、知識、時間の価値
→人生を通じて向上するが、時間の経過とともに減っていく。
投資=縮小する人的資本を、富を生み出す金融資本に変えることができる

第11章 何に投資すべきか?

本気で自動的に富を増やし続けたい人へ

「株式」
平均年間収益率:8~10%
長所:高リターンが期待できる、保有・売買が容易でメンテナンスがほぼ不要
短所:ボラティリティ(価格の変動性)が高い、企業価値が急速に変化することがある
→1900年から2006年において、すべての国で長期的にプラスの実質リターンが見られている。
過去100年の間に、50%の暴落が2回、30%の暴落が4~5年に1回、2年に1回10%の下落があるが、それに対処するには長期的に保有すること。

「債券」
平均年間収益率:2~4%
長所:ボラティリティ(価格の変動性)が低い、元本割れしにくい
短所:リターンが低い、低利回りの環境では収益が少ない
→満期時に元本を返す前に、定期的に利子が支払われるものが多い。
米国の国債の満期は、短期(1~12カ月)中長期(2~10年)超長期(10~30年)
債券はリスク資産としてではなく、分散資産として扱うと良い。
株式の価値が下がる→債権の価値が上がる
「株はよく食べるため、債券はよく眠るために買え」

「不動産物件」
平均年間収益率:12~15%
長所:レバレッジで高いリターンが期待できる
短所:物件やテナントの管理が面倒、分散投資が難しい
→レバレッジを利用すれば、物件価格上がるとより大きいリターンを手に入れることができる。その代わり物件価格が減少するとその逆が起こる。
不動産物件の価格が大幅に下落するのは稀なため、レバレッジはメリットをもたらす。

「不動産投資信託(REIT・リート)」
平均年間収益率:10~12%
長所:自分が管理しなくても不動産を保有できる、株価との相関が低い
短所:株式以上にボラティリティが高い、非上場リートは流動性が低い
→REITは課税所得の90%以上を株主への配当にすることが義務付けられているため収益資産として信頼性が高い
上場リート、、、証券取引所で取引され一般投資家も利用できる
私募リート、、、証券取引所では取引されず一定の条件を満たした適格投資家のみが取引可能
非上場リート、、、証券取引所では取引されていないがクラウドソーシングを通じて一般投資家も利用できる

「農地」
平均年間収益率:7~9%
長所:株式などの従来型の金融資産との相関が低い、インフレヘッジになる、値下がりが少ない
短所:流動性が低い、手数料が高い、適格投資家のステータスが必要
→農業は金融市場の変動に影響を受けにくい。農地の生産性が企業の生産性より安定しているためボラティリティが低い。
気候変動の影響によって今後どうなるかはわからないが、価値がゼロになる可能性は低い。

「エンジェル/中小企業」
平均年間収益率:20~25%、だが失敗率は相当高い
長所:大きなリターンが見込める
短所:膨大な時間を費やす、失敗が多い
→オーナー兼経営者であればやるべき仕事量はかなり多い。
エンジェル投資の成功率は9回に1回(約11%)

「ロイヤリティ」
平均年間収益率:5~20%
長所:一般的な金融資産とは相関がない、収益が安定している
短所:手数料が高い、世間の好みが予想外に変化すると収益に影響する
→音楽や映画、商標などの特定資産(著作権で保護された作品)を使われることに対しての対価。
投資しているロイヤリティが廃れてることも考慮しなければならない。

「オリジナル商品」
平均年間収益率:商品によって異なる
長所:完全な所有権がある、満足感を得やすい
短所:手間がかかる、見返りが得られる保証はない
→他の投資商品より自分の思い通りにできることがはるかに多くなる。
だが事前に手間がかかり、見返りは保証されていない。
一度商品が当たればブランドを拡大し、商品を増やすことが容易になる。

第12章 個別株は買うな

個別株投資をすべきでない「金融論的な主張」

「個別株投資をしても、圧倒的多数の人(専門家を含む)は、インデックス投資には勝てないからあえて挑戦すべきではない」
=金融論的な主張
→75%(資産運用会社を含む)のアクティブファンドはベンチマークとなる指数を超えていない。
1950年以来、米国株式市場で取引された2万8853社のうち、2009年時点では2万2469社(78%)が姿を消している。

「銘柄の選び方が上手かどうかはどうすればわかるか?」
=存在論的な主張
→個別株投資をするプロのうち10%は長期的に明確な成果を上げられるが、残り90%はおそらくそうではない。
優秀なマネーマネジャーのほぼ全員が、全キャリアを通じた3年以下の期間でベンチマークや同業者のパフォーマンスを下回っている。

第13章 いつ投資すべきか?

今すぐ全額投資しよう

投資判断の指針となる情報は、
「ほとんどの市場は、ほとんどの期間、上昇している」
→「物事を始めるのに最高の日は昨日。次にいいのが今日」

価格が下がるタイミングは、めったに訪れないのでマーケットタイミングを見計らって株を購入するのは実際かなり難しい。
→できるだけ早く投資することが最適なタイミングになる。

分割投資は、即一括投資を平均で1年あたり4%下回る。
→24年間で76%下回っている計算になる
株式が大暴落したタイミングでは分割投資の方が上回るが、それ以外は下回っていることがほとんど。
→1920年まで遡ってみても、平均4.5%下回っている。

分割投資よりも即一括投資の方がリスクは高い。
→米国株60%、米国債40%にすることでリスクを同等まで下げつつ、わずかに優れたリターンを得られる。
リスクを恐れるのであれば、株と債券を組み合わせたポートフォリオに即一括投資するのが良い。

まとめ

ほとんどの投資資産や期間、株の割高感があっても、即一括投資の方が優れている。
→投資への決断が遅れれば遅れるほど、得られるリターンは少なくなる。

第14章 安値を待つべきではない理由

神でさえ「ドルコスト平均法」には勝てないワケ

➀ドルコスト平均法
➁バイ・ザ・ディップ
(=相場の下落時のみ買う)
→40年という期間の70%以上は、➁が➀を上回ることがない。
※たとえ底値がいつ起きるかわかっていたとしても。

「できるだけ早く、頻繁に投資すべき。」
=Just keep buyingの核心
底値や相場の下落を待って投資しても意味がない。
ドルコスト平均法で買い続ける方がはるかに優れた投資法になる。

第15章 投資が「運」に左右される理由

生まれ年は投資結果に影響している!?

投資時期によって、20年間で得られるリターンは最高で13%、最低で1.9%になる。
→有能な投資家のパフォーマンスが、幸運に恵まれただけの投資家に劣ることがある。

長期投資ではリターンの順番も影響する。
→投資期間全体の、後半のリターンが特に大事になる。(=投資額の絶対量が増えるため)
老後リタイアし、1,2年目のリターンが悪くてもそこまで影響はないが、それが10年続くと、大きなダメージになる。

株式市場への投資でマイナス面を回避する方法
➀低リスク資産(債券等)に分散投資する
➁市場の低迷時は、資産の取り崩し率を減らす
➂パートタイムの仕事をして収入を補う
→分散投資や、収入、支出の一時的な変更は、経済的に困難な状況を乗り越えるのに役立つ。
若い人は、「時間」をかけることで不運を和らげることができる。
=「ほとんどの市場は、ほとんどの期間、上昇している」から。

第16章 相場の変動を恐れるな

長期的に投資で成功し続ける人の共通点

まったく何もリスクを取らないことが、最大のリスクになる。ことがある。
→リスクを避け続ける人は、何年たってもリターンを得ることはない。
ボラティリティや周期的に訪れる資産の下落は、長期的に投資で成功するための”入場料”だと思う。

資産を最大化するためには、
「株価が15%超下落する年には債券に投資し、それ以外の年には株式に投資する。」

第17章 暴落時の投資法

なぜ、暴落時は買いのチャンスなのか?

暴落時の投資は、最終的に市場が回復すると仮定したとき、最初よりはるかに成長しているから。
→暴落への見方を変える

33%の損失を回復するのには、50%の増加が必要。
→市場の回復には以下の時間がかかると考えられる
1年→予想年間リターン50%
2年→予想年間リターン22%
3年→予想年間リターン14%
4年→予想年間リターン11%
5年→予想年間リターン8%

投資期間を30年とすると、損失を被る確率は12%と推定される。
=ある株式市場に投資して30年経った時、その価値が投資額より下がっている可能性は約8回に1回ある。
→逆説的に見れば、8回に7回はリターンが得られる。

第18章 いつ売ればいいのか?

売るべきは「この3つ」のときだけ!

売る時に悩んでしまうのは、
「上昇期を逃すことへの恐怖」「下降期で損をすることへの恐怖」
この2つの行動バイアスがあるから。

売る時のおすすめは、
➀リバランスのため
➁集中投資(または損失)状態から抜け出すため
➂自分の経済的なニーズを満たすため

ほとんどの市場は、ほとんどの期間上昇しているため、「できるだけ遅く売る」ことが最善策。
→「早く買い、遅く売る」

リバランスをすることで、下落リスクを下げることができる。
→ただし、株式が長期的な下落傾向にある時は、債券を売って株式を買うことになるので、ボラティリティが高くなる。
=リスク管理の解決策としては不完全。

どのくらいの頻度でポートフォリオを見直すかの明確な答えはないが、年1回のリバランスが推奨。
➀時間がかからない
→定期的に運用資産を監視する手間がなければ、他のことに時間を使える。
➁毎年の税金を計算する時期と合わせて行える
→年1回、投資資産を売却するタイミングで合わせて行えば、余分な労力を省ける。

税金が全くかからないリバランス法
=ジャスト・キープ・バイイング(買い増しリバランス)
足りない資産を買い増し、ポートフォリオを調整することによって、最大下落率を下げることができる。

集中投資状態から抜け出す資産の売り方

自分の目標次第で、売る額を決める。
→住宅ローン返済のために、株式の一部を売る。
→多くのリターンを得る可能性は減ってしまうが、確実に払わなければいけないローンは減らせる。
具体的な売却時のルールを自分で設ける。
決める際の基準は、
「安心して眠れる(なるべく後悔しない)ルール」
※一度にすべてを売るのはおすすめしない。
どんな資産にも低迷する時期はあるため、売却の正当な理由にはならない。

自分が生きたい人生を生きるために、売却を検討する。
→何かしらの目的があるのであれば、資産を売却すべき
→過度に贅沢な暮らしをしようとして大きなリスクを取るのではなく、十分な暮らしができるお金を確実に得ることを重視する。

第19章 資産が増えてもお金持ちと感じられない理由

億万長者でも「自分は金持ち」と実感できない理由

実際の所得が上位10%の世帯でも、「自分は全体の60~80位程度だ」という自己認識を持っている。

誰もが、誰かを指差し、「私は金持ちではなく、金持ちはあの人だ」と言える。
純資産が4210ドル以上ある人は、裕福さで世界の上位半分に位置する。
純資産が9万3170ドル以上ある人は、世界の上位10%に入る。
→自分より裕福な人のことばかり見ず、自分がいかに恵まれているかを考えることが大切。

第20章 一番重要な資産

世の中で唯一、絶対に取り戻せないもの

個人の収入が最も急速に増加するのは、仕事を始めてから最初の10年間である。(25~35歳)
→投資ポートフォリオではなく、キャリアのことを重視すべき
「お金は後からでも稼げるが、時間は取り戻せない」

ほとんどの人の幸福度は20代後半で低下し始め、50歳の時に底を打ち、その後増加する。
→20代の若者は、将来の生活満足度を平均して約10%過大評価している。

時間の経過とともに人生への期待値を下げていくのも普通のことである。
→50歳前後を境に、実際の生活満足度が高いという嬉しい時期がやってくる。

「ジャスト・キープ・バイイング」21の黄金ルール

1,お金がない人は「貯金」を、お金がある人は「投資」を重視すべき
→予想される貯蓄が予想される投資収益を上回る場合は貯蓄し、そうでなければ投資に集中する。

2,できる範囲で貯金する
→収入と支出に合わせて貯蓄率も変えていく。ストレスにならないようにする。

3,節約よりも収入アップ
→支出を減らすのには限界があるが、収入に限界はない。

4,「2倍ルール」で罪悪感を減らす
→贅沢品にお金を使ったら、それと同額の投資か寄付をする。

5,収入アップ分の50%以上を貯蓄する
→収入に応じて生活レベルを上げるのはある程度は問題ないが、支出は収入アップ分の50%未満に抑える。

6,借金は使い方次第
→自分にとって、メリットがある場合のみ使う

7,家は適切な場合のみ購入する
→自分の経済状況と現在のライフスタイルに適している場合のみ購入する

8,頭金は、まず現金で貯めることを検討する
→特に大きな買い物の頭金をつくるには、現金が最適

9,リタイアで大切なのはお金だけではない
→まずリタイアして何がしたいのかを考える

10,減り続ける「人的資本」を「金融資本」に置き換えるために投資する
→手遅れになる前に、投資などの金融資本に置き換える

11,オーナーのように考え、収益資産を買う
→収入を生む資産を買うためにお金を使う

12,個別株は買わない
→インデックス投資を上回るリターンを得るのは至難の業。

13,早く買ってゆっくり売る
→ほとんどの市場は時間の経過とともに上昇していくことが予想される

14,できるだけ頻繁に投資する
→神でさえ、ドルコスト平均法には勝てない

15,投資とは配られたカードではなく、そのカードを使ってプレーすること
→大切なのは、長期的にどう振る舞うか

16,相場の変動は必然的に発生するが、恐れてはいけない
→相場の変動に耐える。ということをしなければいけない

17,暴落は(通常は)買いのチャンス
→将来のリターンは、大規模なクラッシュ後に最も高くなる

18,過度に贅沢な暮らしをしようとして大きなリスクを背負うのではなく、十分な暮らしができるお金を確実に得ることを重視する
→何もしないで資産を築いても意味はない

19,どれだけ資産が増えても、金持ちになったとは感じないが、それは問題ない
→自分を失わないように気を付ける

20,時間ほど重要な資産はない
→お金はいつでも稼げるが、時間は増やせない

21,私たちはすでにこのゲームをプレーしている
→毎日将来がどうなるかわからずに、お金に関する決断をしなければならない






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