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大親友(同性)と付き合った話

こんばんは、中桐ユウといいます。

タイトルからぶちかましてすみませんが、タイトル通りのお話をさせてください。

以前、大親友に彼氏ができて大泣きした話、という投稿をしました。ずっと「ヘン」な距離感だったムギという女の子に、高校生のときに彼氏ができて私が大泣きして、恋に気づいたと同時に失恋、そして同性愛にも気づいてしまうという、情報量やや多めの話です。

きょうはその続きで、タイトル通りなのですが、どうしたことかムギと私が付き合うことになった話です。はじめに断っておきたいのですが、ムギも私もいわゆるノンケ、つまり異性愛者(ヘテロセクシュアル)です。(でした?)

ムギに彼氏ができてから

ムギが彼氏と付き合いはじめてからの私は、「ムギのことがすきだった」という気持ちには気づいたものの、それはムギが特別だっただけで、正確には同性愛ではないと思っていました。私はムギが特別だと思っていたけど、ムギはそうじゃなかったんだ、というショックは受けても、自分が同性を好きになるということで苦しむことはあまりなかったように思います。

ムギのことは特別に思いつつも、どうせ失恋してるし、実るわけがない。でも私は別にたまたまムギだから女の子でもすきになっただけで、異性だってすきになる。そう思っていました。そして実際、高校で「私はこのひとのことがすきだ」と思う異性ができたのです。周囲の友達と「恋バナ」ができることがとても嬉しかったし、たしかに彼のことは他のひととは違う気持ちでみていたと思います。でも、これが本当に恋愛だったのか、なんなのか、大人になったいまでもわかりません。そしてこちらも実ることはありませんでした。(この話はまた別の機会に)

ノンセクシュアル?

頻度はすこし落ちて、相変わらずムギと会いながら、どこぞの馬の骨もとい彼氏の話を聞いていました。(別の機会に、といっておいてなんですが)そのころ私は、「多分すき」な異性の話を友達にしたときに、「えっ手を繋ぎたいとか思わないの?」「キスは?」「その先は??」と聞かれて、全然想像できなくて、なんなら手なんか繋がなくてもいいと思ってしまったことが、すごく気がかりでした。恋愛って何?キスもその先もしないと恋愛ではないの?じゃあ私は何の気持ちをもっているの?

そのころ、同性愛や異性愛、アセクシャル(無性愛:他者に性的欲求も恋愛感情も抱かない)ノンセクシャル(他者に性的欲求は抱かないけど恋愛感情は抱く)など、ムギへの私の気持ちを理解したくて、調べまくっていました。そして、「多分すき」な異性への気持ちと、周囲のいう「すき」のズレから、私はノンセクシュアルなのではないか、と思ったのです。つまり、私はそもそも、人をすきになるときに性的欲求は抱かない性質、ノンセクシュアルなんじゃないかと思ったのです。

「すき」の条件

私はノンセクシュアルかもしれない。それはちょっと納得しました。私はどうかんがえてもこの異性のことを特別に思っている、でもキスやその先なんて想像できないし、できればしたくない。ノンセクシャルだったのか。

じゃあムギはどうなんだろう。ムギにも、たしかにキスしたいとか、その先がしたいとか思わない。ただ一緒にいたい。でもこれって、めっっちゃくちゃ仲のいい親友と、何が違うんだろう?友情と恋愛の区別って、何なんだろう?

当時の私は、友情と恋愛を区別するのは「性的欲求」だと思いました。異性の彼を「すき」だと思った私と、周囲の友人たちのいう「すき」との1番の違いが「性的欲求」の有無だったからです。じゃあ、その区別するポイントの「性的欲求」をもたない人、つまり私の場合、どうやったら友情と恋愛に区別がつけられるのでしょうか?

「性的欲求のない恋愛」と「めちゃくちゃすごい友情」のちがい

ムギと会っているとき、ふと私は聞いてみました。「私さぁ、たぶん性的欲求とか、そういうの無いんだと思うんだよね。そうしたらさぁ、友達としてのスキなのか、恋愛としてのスキなのか、どうやって見分けたらいいんだろうね。ねぇ、ムギはそういう気持ち、あるの?」

ムギは、ふぅんという顔をして「私もあんまりそういう気持ちない。ないっていうか、ちょっと苦手」「それ、彼氏に言ったの?」「言った」「彼氏、なんて?」「彼氏は心理学を専攻していて、前にユウのことも話したことがあるの。それから、性行為とかそういうの苦手だっていうのも言った。そうしたら、それは心理学では、思春期にありがちなことで、性的なものを嫌悪しているだけだって。一時的なものだって」クソ、この馬の骨。心理学だかなんだかしらないけど、私とムギのことを、何かの一事例として「よくあること」「一時的なこと」と、気の迷いのように言われたことがとても悔しかったです

私は、なんとなくの後ろめたさから、異性の彼のことはムギに話せませんでした。別に彼とうまくいく見込みもなかったし、そもそも彼についての悩みは、ムギへの悩みにもつながっています。話すわけにはいきませんでした。でも、それからもたびたび、私とムギは「性的欲求のない恋愛」と「めちゃくちゃすごい友情」のちがいについて話していました。結局、こたえはでませんでした。出てはいけないような気もしました。

それからしばらくして、ムギは彼氏と別れました。「本当にすきなのかわからなくなった」というのが理由でした。

大親友が彼女になった日

バレンタインの日だったか、クリスマスだったかもしれません。なにか浮かれたイベントの日でした。

私とムギはいつものようにメッセージを送りあっていました。その日も、どちらからともなく「ねぇ、私たちって結局なんなんだと思う?」と話していました。お互い、相手以上に特別な、不思議な、言い表しようのない相手などいませんでした。「私たち、付き合っちゃえばいいじゃん」と言ったのはどちらだったのか。私はふと、自分がノンセクシャルかもしれないことを思い出しました。

「私、ムギと付き合っても、そういうことできないと思う」と言った私に、ムギは「いいよ」と返しました。この日から私とムギは、「性的なことをしない恋人」になったのです。

性的なことは、しなくてもいい

私はノンセクシャルや何やについて語れるほど知っているわけではありません。そもそも、当時の私が「友情と恋愛の違いは性行為の有無だ」と思ったことも、今となってはよくわかりません。でも、そのときはそう思いました。今ほどまわりに情報はあふれていませんでした。ゲイとかレズビアンとかトランスジェンダーとか、やっとそういった情報が動き出したころでした。LGBTなんて言葉も、私も誰も知りませんでした。

私とムギの「性的なことをしない恋人」関係は、結局うまくいきませんでした。この話は、また今度にしようと思います。でも、いまでも私は、性的なことが苦手です。「性的なことをしなくてもいい」と最初からわかっている恋愛は、ムギが最初で最後でした。お互いに19歳。まだわからないことばかりの恋愛で、「性的なことをしなくてもいい」という気持ちをわかってくれたことを、私はいまでもムギに感謝しています。


きょうはここまで!解散〜〜!

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