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Legends of Runeterraのシーズントーナメントがめちゃくちゃ面白かった話

前置き

突然ですがみなさんLegends of Runeterraってご存知ですか。
あのRiotが、Valorantが超ノリノリなRiotが、League of Legendsが世界的にどえらい人気のRiotが、天下のRiot様が運営する巨大なダム、の底に沈んでいく限界集落ゲームです(盗用表現)。このゲームまじで人がいねぇ
シーズントーナメントの参加条件は700位以内だったわけですが、マスターランク0ポイントの僕も条件クリアしてた。早く畳めば?
そんなわけで参加してきたシーズントーナメント、全然、ぶっちゃけマジで一ミリも期待してなかったんですが、なんと面白かったんです。
ちなみに結果は5-4。内二つは不戦勝なので実質3-4。ほぼ勝ってませんがそれでもなお楽しいところが異常。

なぜって言うと負けた悔しさが次へのモチベーションに上手く誘導されるシステム造りがなされているから。そうです、VarolantやLoLが超大人気な根幹理由がここにも当てはまりました。あの時、あのアタックをしなければ。あの時、あのスペルを先に使っていれば。あの時、相手の手札にあるカードの確率をもっと真剣に悩めれば。結果が変わっていたかもしれないという確かな実感が胸にある。
言葉を変えると、対戦相手のひき逃げ上振れパワープレイを眺めているだけ、みたいな試合がない。あるのは繊細なやり取りにより有利不利の均衡が容易く傾き合う…と少なくとも錯覚させられるスリリングなゲームだった。
残念ながら僕のレベルではミスが命取りになるようなゲーム体験しかできなかったのだけど、これでお互いがミスしない前提になると一体どんな感覚が待ち受けているんだろうとワクワクしました。
正直な話、ユーザー目線からすると、運営もカードデザイナーたちも決して手放しに褒められる存在ではないのだけど、彼らの目指そうとしているものは何か形になるのではないかと感じました。

そんなわけでたまには真面目に宣伝します、ルーンテラ。
なにしろ経験のない人たちが新しいことをしようとしているゲームなので色々と振りまわされる目にも遭いますが、付き合うだけのおもしろみもここには存在しています。

参考 超強力プロゲーマーchomoshさんの二年前のブログ
(今はnoteに移住済み。くそ面白いマガジン書いてます)

そもそも、それなに

知らない方はまずシーズントーナメントってなんぞやって話です。ゲーム内で約2ヶ月毎にとり行われるBO3形式のトーナメントのこと。
え、オンライン形式のトーナメントってDiscordとか大会運営とか絡んでめんどくさいんじゃないの? と思ったあなたと私。杞憂です。今までいっさい気に留めていませんでしたが、ランクマッチやデッキ編集といったシステムメニューにしれっとならぶ「トーナメント」の文字。大会開催1日前におもむろに変化したシステム画面をポチっとタップすると後は指示に従うだけで本格大会が楽しめちゃいました。ちなみに日程は12時エントリー、12時55分試合開始、その後9時間+休憩30分のみで9回戦までやるスイスドロー(勝っても負けても全部やる)。いやおかしいだろ! と思いましたが、1時間の持ち時間に対して3戦目までもつれ込んでも30分ちょいあれば終わるくらいのゲームデザインなので、ちょいちょい食事休憩やお菓子休憩を取ることもできました。

さすがRiotだなと思うのは、ここで9連続勝利を達成すればそのままプレイオフトーナメント(1回戦負けですら賞金1万円らしい。1位を獲ると10万円)に参加ができるというところ。残念ながら黒エビさんスロアさん実況解説こそ終わりましたゲーム内からオフィシャルな場に直接つながるのって熱いよね。

大会に参加するにはデッキを3つ用意する必要があります。が、このゲーム日に4,5戦もやってれば資産は勝手に溜まるいつものRiotシステムなので実質タダ。タダでも何が強いか分からねぇって話ですが統計サイトが無駄に充実してるうえにゲーム内ランキングから最強デッキはそのままコピーし放題です。タダで作ったコピーデッキで1万円が手にはいる可能性のあるゲーム。しかもゲーム内容までおもしろいときちゃあやるっきゃない。

良いこと言い過ぎたので悪いことも

良いことばっかり言ってると胡散くさくなるものなので、バランスを取る。このゲーム全般の悪いところも挙げていきます。

まず、カードのバフナーフのしどころが行き届かないことが多い。カードの調整をしても環境が変わらなかったとスタッフが嘆いていたみたいな話を小耳に挟みましたが、それは調整するところが間違っていたからです。いやそこを弱くしてそっちを弱くしないんかい。とか、いやそのカードを強くしたところで何が変わると言うんすか。みたいな調整がまじ多い。
たまに絶妙な調整がビビットに入るから憎めないんですが、カードデザイン班は最近人員削減もあったらしく、実力の発展途上は否めません。実力がつき人気が出る前にこの村は沈み切る可能性もある
確かにこのゲーム環境が一日単位でコロコロ変わりまくる側面もあり、調整の難しさも大目に見ようと思えば見れます。それでもデッキコンセプトをまるごと雑に殺しにいったり、誰が使うんですかそれってカードに無駄におよび腰なバフを施してみたりして、試行錯誤に振りまわされるのに嫌気がさす人は多いでしょう。

そう、このゲームはまだ試作段階。一体どういう方向性を取ればユーザーが満足するのかを、模索している道中です。一人用ゲームが人気なのでそちらを強めますと言ったかと思えば、コミニュティの熱意に応えて対人ゲームに注力しますと言いだしたりする。先述の通り不人気ゆえ人員削減の憂き目にあっていますから、方向性が定まらないまま進みゆけばその完成までの道のりは遠いでしょう。そんなフィーリングでカードゲームを作るのは明らかに富豪の遊びですがRiot様は富豪なので問題ない。ただし見切りをつけられればダムの藻屑と消えて行きます。将来面白くなるのに期待して今プレイしないで保留するのも、ダムに沈んで消える前に可能性に賭けてみるのもすべてはあなた次第。

話を戻してトーナメント

どの方向を目指すべきか模索しているゲームと書きました。僕はシーズントーナメントをメインコンテンツに据えても良いのではないかと思いました。そのくらい面白さが詰まっていた。もちろん1024人しか参加できない規模のコンテンツをメインに据えるには問題もあるのでしょうが、僕はただのユーザーなので良いと思った点を語ります。

なんと言っても、対戦デッキがかなり豊富。僕は自作デッキでメタ読みしてる人を惑わせられたら良いなくらいの邪念を持って向かったんですが、オリジナル勢とは当たらなかった。みんな勝ちにきているわけで、対面はやはり強力なパワーを備えた環境デッキが多い。だというのに、その種類がかなり多かった。冷静に考えてデッキを3つ持ち込む歴史の浅いゲームは結論構成を選ぶに決まってるので多様性が生まれるわけないんですが、今数えてみただけで、【アクシャン+カイサ】、【カタリナ+グウェン】、【MF+TF】、【ヴィエゴ+イヴリン】、【キンドレッド+ナサス】、【MF+クイン】、【タリック+ポッピー】、【トリンダメア+トランドル】、【ベイガー+セナ】、【エズリアル+ケネン】、【トランドル+ケイトリン】、エトセトラエトセトラ。謎の呪文を唱えましたがこれら全てチャンピオンカードの名前です。デッキに6枚しか入れられない超強力なパワーを備えたこのゲームの主役たち。呪文に被りがほぼ生じていないのがお判りでしょうか。

これだけ多様なデッキが存在しているのはもちろんカラクリもあって、地域(色)の組み合わせの被りとチャンピオン被りを禁じているルールもあるのですが、それにしたって最強デッキ①~⑤の中から選択、くらいに思うじゃないすか。パっと上がっただけで11もありますよ。しかもこれ全部じゃありません。確認しますが僕がやったのはスイスドローの9回戦で2回は不戦勝でした。対戦した21個のデッキのうち半数以上がバラバラってことです。

それはなぜか。
このゲーム人がすくねぇからです。
環境が毎日コロコロ変わるからです。
(それとたまに絶妙なバフナーフ)。
誰も結論が出せないゲーム、ここにあります。

沈みゆくダム底の引力に惹かれたカードゲームオタクたちが、日々変わり続ける環境の中からお前の結論を三つ持ち込むシーズントーナメント。

僕もてっきり勘違いしていましたが、リストは非公開制ではなく公開制。5分の準備時間で互いのリストを公開しあう瞬間の緊張感。相手のBANを予測検討しながら自分のBANをうんうんぶんぶん唸る1分間。はじまる投げ順の宗教戦争。それから、些細なきっかけが勝ち負けを分かつ真剣で繊細なやり取りの30分

このゲームがやりたかったことの一端に触れた気がしました。会場に赴かなければ、Discordに関わらなければ、「ガチ環境」には出会えない、内向的なゲーマーが本来備えていない気質を要請する大会シーンを、作り換える。
ランクマッチを回しさえすれば、あるいはゲーム内イベントで勝利を重ねれば、誰もが真剣なやり取りをするその楽しさに介入できる。

褒められないところがかなり多いので(例えばこれだけ面白いコンテンツの告知が公式twitterでされないとかね)手放しにオススメとは言いませんが、多少の振り回されにイライラしつつも付き合える、電車は人の少ない車両の方が好きで、歴史と今のあるゲームよりも、未来のあるかもしれないがないかもしれないゲームに惹かれるあなた。
沈みゆくルーンテラがこの先浮上することはあるのでしょうか。
見届けるのは、あなたかもしれません。
βパッチ3.2 目覚めし者たち、9月1日リリースです。


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