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ちぎれた鎖と光の切れ端 第2部

※内容に関する表記あり


第1部と似たような構成で始まるものの、語り手が替わり、全く違うお話が展開するのかと思いきや。

第1部で残ったままだったところが一気に回収されていく第2部。そして一筋縄ではいかない不可解な連続殺人の紐解き。

さらに第2部からでてくる刑事の如ちゃん!
第2部では、前作を彷彿とさせる女子2人組、片方刑事の活躍が楽しめます。細かい地域柄の記述に、実際にその土地に行って確かめたのだろうなぁ、と感じ、警察の仕組みに関する記述にも作者の取材力を感じました。その土地を知っていると余計に楽しく読めるのです。前作は舞台が福岡だったのでなおのこと。今作の天草近辺も、知った道や地名が出てくるので想像しやすかったのです。大阪には行ってみたくなりました。

今回の犯人の狂気もなかなかどうして笑
これだけ人が死んでいくストーリーを描きつつ、終盤如ちゃんに語らせる、絶対に人を殺してはならない、というくだりは読ませる力すげぇなぁって感心しきりです。その部分だけ引用しても伝えられない、作品全体を通してようやくストンと落ちてくるような。書き方がうますぎるんよ!

特に2部は語り手のお嬢がちょっと考えが足りない、そして人との関わり方も下手くそな女の子なので、読解力が低めの人でも読めると思う。でも、第1部の複雑さはある程度読解力がないと楽しめないかもしれない…。

しかし、面白かった!
3作目も楽しみにしています。

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