ドローンの課長【毎週ショートショートnote】

「本日をもって課長職は降格。AIを搭載したドローンを課長職とする」

人件費の削減。AIの導入。
わが社は大変な改革を行った。

課長の人件費をドローンの経費に振り替えたのだから、数十台が導入された。一人に1台のドローンの課長が付いてくる。

出張すると、頭上に課長が浮かんでいる。ルートを変えようとすると、警告音が鳴る。
「すみません。トイレに。」
「行ってきなさい。」パワハラ防止機能も設定されている。

決裁もその場でドローンが行う。さすが課長。即決だ。

ところが、最先端だったわが社の手法はまねされ、どの会社もドローンの課長職を導入したのだ。すべての会社の課長がドローンになって、町中を飛び回る。
いや課長職だけではない、ドローンの部長、ドローンの専務、ドローンの社長、、、、社員について飛んでいる。
空はドローンだらけになり、衝突する事故も起こるようになった。

国会で問題視され、法律が改正された。
「ドローンの社長だけを許可する」

(おしまい 本文405文字)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
スキやコメントをいただけると、ドローンのように空中で静止します。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?