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小説

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#バウムクーヘンエンド

ごめんねバウムクーヘン

金木犀の花が鼻腔を擽るそんな秋晴れの空の下で結婚式はしめやかに行われた。
純白のドレスに身を包んだお嫁さんの美しさもさることながら白いタキシードで凛然と新婦をエスコートする新郎が神々しく見えたぐらいだ。そんな新郎が恨めしく思えてしまうのもボク自身の不甲斐なさからだろうか。そもそも僕は人の幸せを祝福してやれないほど心に余裕のないやつではなかった。高身長、見た目からわかる教養の高さ、新婦を何一つ戸惑わ

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