固定回線を2.5GbEへ気軽にアップグレードしよう

最近、2.5GbEと言われる高速な通信環境が整って来ています。

更に速い10GbE対応の機器が出てきていますがcat5eで宅内配線されている場合ケーブルをcat6aで張り替える必要があり、いろいろ大変です。

配線まで変えるとなると宅内工事が必要で時間もかかるし使い回せるところがないので値段も高く付きます。

2.5GbEの場合は今まで1000Mbpsに対応していた環境であればケーブルはそのままで移行できます(ルーターなどの機器は対応品に置き換える必要があります)。

筆者は安価に普及するのは2.5GbEだと考えていますのでここでは2.5GbEに絞って解説したいと思います。



■5GbEや10GbEとの比較


実は2.5GbE以外にも 5GbE / 10GbE とさらに速い規格もあります。

5GbEに関しては検討する必要すらありません。
5GbEはケーブル面では既設のものが使えて良いのですが普及する見込みがないのです。
少し検索してみればわかりますが専用の製品が殆どないので10GbEで接続できなかったときの保険みたいな扱いです。

10GbEは宅内配線をCAT6aにできるなら揃えても良いと思います。ただし以下のデメリットを許容する必要があります。

  • 対応機器の価格が高い

  • 熱が出る(ファンレスモデルは不安定になりやすい、狭い空間に配置できない)

  • 省エネではない

  • ラインナップが少ない

2.5GbEのような少し中途半端な規格があるのは不思議かもしれませんが10GbEで通信するにはエラー訂正のために消費電力と熱問題があってそれがなかなか解決できない(10年以上かかっている)ので速度を落として一般向けに扱いやすく作られたのが2.5GbEです。
なぜなかなか解決しないかというと業務用には別の規格があってそちらが使われているからです。(プロセスルールをシュリンクしていけばそのうち解決するようですがそれがいつになるかですね)

※2024年半ばくらいにrealtekから5GbEのチップが安価に出るようです。5GbEが普及するかどうかは安価なスイッチが出るかどうかですね。2026年くらいには安価なスイッチが出ているかもしれません。

■対応する規格

2.5GbEでつなぐには以下のような仕様になっている必要があります

  • マルチギガ対応

  • 2.5GbE対応

マルチギガは主に10GbE対応で2.5 / 5GbEに対応しているものです。10GbE対応であってもマルチギガに対応していないと2.5GbEには対応できません。

これはネットワークカードだけではなくハブにも言えることで対応していないと従来の1000Mbpsでつながります。

■ネットワークカード

◉拡張スロットに挿すタイプ

パソコンにPCI-EXPRESSx1スロットが空いているならこのタイプが安定していいと思います。

ヒートシンク付きのモデルが良いです。
最新チップのRTL8125Bが乗っているカードを選ぶとより安定するようです。

マルチギガに対応した10GbEのカードも使えます
ただしPCI-EXPRESSx4スロットなので気をつけてください



◉USBタイプ

USBでつなげたい場合にはUSBタイプもあります
最新チップのRTL8156Bが乗っているものを選ぶとより安定するようです。

一般的なタイプ

よりコンパクトなタイプ

オールインワンタイプ


◉M.2(A+E)タイプ

WiFiが使うM.2に付けるタイプの2.5GbEカードです。
すこしキワモノですがミニPCなどで端子を付けるところがあれば選択肢に入るのではないでしょうか?

少し前に流行ったLenovoのミニPCに付けられます。


■スイッチングハブ

2.5GbEは10GbEと比べて発熱しないのでファンレスが主流です。
WEB管理機能がないスイッチならどれを買っても大差ないでしょう。

◉通常のスイッチ

PlanexからREALTEKの最新チップを使った低消費電力・低発熱モデルが出たようです

◉SFP+(10G)環境とのハイブリッド

SFP+と2.5Gのハイブリッド環境に対応したスイッチングハブです。
SFP+は主に光ファイバーを使った10G環境です。
SFP+の場合は熱を持ちにくいのでファンレスが多いです。

最近中華系メーカーから比較的安めの2.5GbE/SFP+ハイブリッドスイッチングハブが出ていますね。SFP+使わなくても選んでしまっていいのかもしれない。
中華系メーカのスイッチはクーポンがついている場合が多いです。

このうちkeeplinkの8portスイッチをレビューしたので参考にどうぞ。
REALTEKの最新チップ RTL8373-CG + RTL8224-CG または RTL8372 を積んだものが消費電力と発熱が低くおすすめです。(QNAP以外のSFP+がついているもの)

こちらのスイッチはVLANやNASで使えるリンクアグリゲーションなどの管理機能も使えるようです。


こちらのスイッチもVLANやNASで使えるリンクアグリゲーションなどの管理機能も使えるようです。SFP+のポートが一つ多いですね。


PoE付きの2.5GbEスイッチも登場しました。
このスイッチも購入したのでレビューしました。

PoEがわからない方はこちら


■ルーター



無線ルータに関してはこちらの記事もどうぞ。
WiFi6で最高速度を出すには2.5GbEによる接続が必要になっています。
無線で2Gbps以上出るようになりましたが対応する端末がほぼ無いのでそこまで意識する必要は無いです。(4ストリームの端末は皆無)


■ケーブル(宅内配線)

CAT5e以上の線が8本のものなら使えます。

下の写真のようにCAT5だと線が4本のものもあるので100Mbpsで接続される可能性があります。

画像1

いままで1000Mbpsでつなげていたのならそのまま据え置きで使えます。

筆者は15年くらい前に引いたcat5eの宅内配線そのまま使えました。

新規に敷設するなら値段もそれほど変わらないので10GbEも見据えてCAT6Aのものにすると良いでしょう。

爪が折れないタイプは割とオススメ(ちょっと抜きにくいけど)


よくCAT7やCAT8を紹介する記事等ありますがこれは必要がありません。

CAT6Aは値段もこなれてきていて価格もCAT5eとほぼ変わらないので新規に購入するなら10GbEに対応しているCAT6Aを購入してください。

CAT7とかCAT8は将来的にも買う必要はないです。将来10Gbpsを超える機器が家庭用に出るときはおそらく光ファイバーになっていると思います。

家庭用に売られているCAT7やCAT8は将来的に対応する機器が出る見込みが薄いです。

だから2.5GbEで既存の配線(cat5e)を使いまわして光ファイバーの宅内配線が一般的になるまで延命するのが費用面でいいと思っています。

10GbEの機材が十分安くなったら/または老朽化したら宅内配線をCAT6Aに張り替えるでもいいと思います。メタルケーブルが将来どういうアップグレードパスが用意されるのかまだ確定していないので将来のことを考えてとCAT8というのは辞めたほうがいいでしょう。将来のことを考えるならCD管を通したほうがいいですね。

家電量販店やアフィリエイトではCAT8の単価が高いのでオススメされますが買わないほうが良いでしょう。

■NAS(ファイルサーバー)

2.5GbE対応のNASも増えてきました。

転送速度はだいたい250Mbyte/sくらいで転送できます(理論値だと300Mbyte/sくらい)

この速度を出すにはハードディスクだとraidを組む必要がありますね。


NAS自作に興味があるならこちらのページもどうぞ



■インターネット対応プロバイタ

2.5GbEに対応したプロバイタは丁度良い転送速度なのはnuro光やt-net光くらいでしょうかね?

他は5G、10Gなので2.5Gだと持ち余してしまうかもしれません。

参考までに5G以上のプロバイタ

  • nuro光(10G/6G)

  • auひかり ホーム10ギガ・5ギガ(10G/5G)

  • フレッツ 光クロス(10G)

この記事を書いたきっかけになったnuro光2Gについて記事も参考にしてみてください

nuroはめんどくさいこと(IPv6とか)を考えずに手軽に2G環境作れるのでオススメです。


■インテル製のNIC

インテル製の2.5GbEはちょっと注意が必要です
二種類のチップがあります。
I225-V (rev1 ~ 3)
I226-V

バグ持ちなので注意が必要です

この不具合は条件が曖昧で相性問題の可能性が高いです。

CAT7やCAT8のケーブルを使った場合に接続が不安定になる場合があるようです。ケーブルは疑ったほうがいいです。

未確認ですがスイッチとの相性もあるかもしれません。

最近は中華ミニPCに搭載されていることが多いです。
自分の購入したミニPCにも搭載されていましたが幸い不具合は起きてないです。

youtuberの吉田さんが見事にケーブルの相性問題を引き当てたようですね











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