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知財検定とキャリアの棚卸しと

今日は「知的財産管理技能検定」の3級を受検してきました。
会場は梅ヶ丘の国士舘大学。
学生時代よく乗っていた小田急線の各駅停車が懐かしく、気候も暖かくなって……って、ちがう花粉が!! 丘は花粉量多いみたいで、とてもつらかった……開始前トイレで鼻かんで目薬で潤ませで、なんとか無事終えることができました。

知的財産管理技能検定とは

さて、なぜ知的財産管理技能検定(以下、知財検定)を受けたのかというと、行政書士業務には「知的財産の保護」に寄与できる業務があるからです。

具体的には、著作権の登録申請業務や、知的財産にかかわる契約書の作成などのお手伝いができます。その分野の最新の法制度をおさえるのに、この資格試験はうってつけなのです。
3級は初歩的な位置づけで直接業務に使えるまでではありませんが、概況をカバーして、受かれば2級の受検資格を得ることができます。

知財検定の試験科目は、おおきく以下のとおり。
・特許法・実用新案法
・意匠法
・商標法
・著作権法
・不正競争防止法・独占禁止法・弁理士法・民法その他
・条約(パリ条約、PCT、TRIPSなど)

なかでも、特許法と著作権法が厚く出題されます。

自分のキャリアの棚卸

もう一つは、自分のキャリアの棚卸の一環でもありました。

映画会社での最後の数年間は、知財管理の部署でライセンス業務や契約関連にも携わっており、著作権の権利者側と利用者側の真ん中にいました。
行政書士の業務選択をしていくなかで、この経験は無駄にはしたくないな、という思いがあります。

思い返してみると、映画の著作権については専門的に実例を扱っていたわけで、著作者に対価が発生するのは当然で、そのうえで成り立っている会社だと思っていました。著作権ビジネスの契約書を見るのも好きだったのですよね。

あらためて俯瞰してみると、法律をしっかり理解しておけばもっとやり易かったのに、とは当時の自分に教えてあげたいです。

今回の試験では、実例でイメージできたこと、当時「ビジネス著作権検定」という民間資格を取っていたこともあり、著作権分野は難なく思い出すことができました。

著作権法だけでなく、産業財産権といわれる特許法、実用新案法、意匠法などの仕組みも、発明者や開発者を守る視点から見たり、判例学習ができるようになっていたことで、楽しく勉強できました。
なので、おそらく合格点を取ることができているはずです。

エンタメ業界と知的財産権

そういえば、われらがBE:FIRSTを抱えるBMSGの日高社長(SKY-HI)が、所属アーティストの肖像を使用してのSNS投稿など(営利のぞく)を実質公認すると表明したことがありました。

この方針をデビュー前に打ち出しているところが、戦略家ですごいところ。ちゃんと文化庁のサイトへ誘導しているのも、本当に賢くていらっしゃいます。

実際に、ファンアート的な文化がいちジャンルを築いてたり、タイムラインに彼らの写真が流れるのはうれしいし、センスのいいBESTY(BE:FIRSTのファンネーム)さんも多くて、ついニヤリとしてしまう自分もいて、ファン形成の相乗効果を実感します。

ただ、知らないでやっている人も本当に多い!この世界は本当に。
社長はあえてか肖像権にしか言及していなかったけど、アーティスト・所属事務所以外も複雑な権利が絡み合うのが、音楽・映像の世界で、危険をはらんでいることもよくよく分かります。

ボーイズグループやアイドルに限らず、エンタメ業界における知的財産のおもしろいところは、著作権者・著作隣接権者との駆け引きがビジネスに直結しているところでもあります。それが醍醐味でもあって。だから日高社長も挑んでるんだな、と思います。勇気もありますよね。

知的財産保護

特許や発明は弁理士さんの専業なので、行政書士としては、アーティストさんの著作権の保護や、著作物の管理・運用のお手伝いができます。

クリエイターやアーティストはもちろん、個人で創作活動をしたり、小さな会社でコンテンツを発信したり、それらもすべて著作物であって、知的財産を生み出している人って、思いのほか多いのです。でも、創り出したコンテンツをどう運用するのかはもう、ビジネスの領域なんですよね。先の社長のように。

それこそ著作権法は「著作者等の権利の保護を図り」「文化的所産の公正な利用に留意しつつ、もつて文化の発展に寄与することを目的とする」としています。その権利を知らないから起こるトラブルを防いだり、不公平に搾取されてしまわないようにする予防法務も大切ですよね。

一方で、AIが文章を書いたり、プログラムを書いたり、絵を描いたりまでするようになっています。もう、創作と言われる領域でしょう。
それは、はたしてだれの著作物になるのでしょう? 著作物の概念、知的財産の範囲が大きく変化していきそうな予感。そこに面白みもありそうです。

そんなことを考えて、知的財産の面白さ・奥深さを再確認しました。

権利の利用と保護のあいだので、お世話になった&なっているエンタメ業界に恩返しができる方法を、わたしも考えていきたいです。


最期まで読んでいただけただけでも嬉しいです。スキをいただいたり、サポートいただけたら、すこしでもお役に立てたり、いいこと書けたんだな、と思って、もっと書くモチベーションにつながります。 いつかお仕事であなた様や社会にご恩返しできるように、日々精進いたします。