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その経験はきっと後で役に立つ。

「いまやっていることは現業となんの関係があるんだろう?」って思うことでも、のちのちにその経験のおかげでさらに上の仕事が遂行することができたってことがよくあります。

自分自身もいま振り返れば、昔やっていた全然違う仕事や作業は間違いなくいま役に立っているし、考えようによっては実はいまの仕事をやるためにそういった経験をしてきたんじゃないかって思うほどです(笑)。
※「すべての経験はいまにつながっていたのか」と思うようにしています。

だからといって「なんでもやった方がいい」というつもりもないのですが、僕自身の経験をお伝えすることで『いまやっている一見関係ない仕事が実は将来のやりたいことの成功につながっているかもしれない』と考えられることもあるかもしれないので、今回はこちらをテーマに書こうと思います。

僕の仕事のスタートは俗にいうフリーターです(笑)。バイトなので社員ですらない状態で専門学校卒業から27歳くらいまで長い期間をすごしていました。飲食店のバイトを転々としていたのですが、いま考えると実はこの時期にいまの自分の半分以上の基礎が出来上がったんじゃないかと思います。
※当時は見えない出口に悶々とする日々を送っていましたが(苦笑)。

飲食店のバイトではホールを担当していたのですが、年齢的なこともあってリーダーっぽいことを任され、学生バイトたちへの指示だしとかをやる機会が多かったです。また、繁華街に店舗があったためけっこうな客数がきていたので隙間時間があったら次の動きを考える癖ができたし、より効率的なオペレーション(バイトの配置とかドリンク・料理の受渡し方などなど)とかを考えざるをえなかったんですね。

人手が足りなくなると料理をつくったり洗い物をしたりと仕事の領域関係なくやりました。目的は『円滑にお店を回すこと』であって『自分の持ち場の業務のみを遂行すること』ではないという意識も持つようになりました。
Goalとして設定する地点が変わったということだと思います。
※稀に自分の持ち場がヒマなのに手伝わない人とかいるんですよね・・。
こういった経験がそのあとの社会人になってからすごく役立ちました。
※夕方~朝まで2店舗かけもちでやっていたこともあったので、仕事の長さや辛さへの耐性がこの時期についた・・というのもあります(苦笑)

僕の現場業務として担当していた『プロデューサー』という仕事はこれらの経験がすべて活きました。プロデューサーは案件の統括的な立ち位置になるのでチームのスタッフのモチベーション管理とか指示だしとか業態は違っても飲食店のホールリーダーとやっていることとほぼ一緒。先手をうつ思考も効率的なオペレーションを考える癖も(応用は必要ですが)役に立ちました。商品の棚卸や発注業務なんかもやっていたので店舗全体を俯瞰してみながらやっていた経験も活きましたね。

マネージャーになってからも一緒ですね。現場仕事がなくなっただけで、その思考などはそのまま活かせました。人材教育に関して意識が高かったのもフリーター時代のリーダー経験があったからです。いろんなバイトの人たちと接するなかで、人には性格や得意領域に合わせた適材適所の活用が大事ということを学べたことも大きかったです。

『企業の経営者』と『案件のプロデューサー』って全く違っているように見えますが、実は似ている部分も多いです。ある意味、経営者は『企業をプロデュースする役割』だと思っています。
「どのような目的でどのような企画を実施するか?」
「そのための人材はどのようなスキルが必要でどのように集めるか?」
「実際に開発や運用がスタートしたら進捗管理を行う」
「予算オーバーになっていないか常に目を張る」
「クライアントの課題解決になっているか随時考える」
・・・などなど。対象が『クライアント』から『市場』になったり『企画』が『企業』になったり変化しただけで実はやっていることは大きく違っていないのかもしれません。
※もちろん、社会的な責任のレベルは段違いですが。

そういう意味でも現場を経験してマネージャーを経験した経営者はきちんと段階を踏んできているので強い(地力がある)と思います。
※もちろんすべてで周囲に認められる実績を残していることが前提で。


また、僕はプロデューサーとして現場仕事をやっていたときに、部内に誰も社内のことをできる人がいなかったのですべて自分でやっていた時期がありました。いわゆるコーポレート的な仕事ですね。

社内(当時は親会社のD2C)にはコーポレート部があったので、実際にはお手伝いというレベルでしたが『広報』『人事(教育/採用)』『法務』『総務』『財務』とすべてに関わったおかげで会社全般の構造など(攻めと守りの連動の重要性も)をざっくり理解することができました。
※PマークやISMSの監査対応などもやりました。

この経験は貴重で、当時は「なんで現場(攻め)で忙しいのにこんなことやっているんだろう?」と思った時期もありましたが、その経験がいまの経営にすごく活かされています。この経験がなかったらいまみたいに俯瞰して会社全体をみる視野は養われなかったと思いますし、当時僕の質問攻めに嫌な顔をせずに応えてくれたみなさまには感謝しています。
※この経験もあって『守り』を知らない経営者は未熟だと思います。


それは俺の仕事じゃない」といって仕事の線引きをする方もいます。会社の方針として『縦割りの分業制』を推奨しているのであれば良いと思いますが、D2Cdotでは『自分の持ち場はありながらも積極的に相手の領域侵犯はするべき』と伝えています。それは、相手(前後工程)の仕事の中身も知らなければ仕事のお願いの仕方が雑になるし、チームワークなんて生まれないと思っているからです。
※自分の領域のことしかわからないのであれば、その案件の本当の意味/意義も理解できませんね。
これは僕がフリーター時代に領域関係なくやったことで全体が円滑に回っていた経験からもきています。

また、新しい領域を知ることができれば新たな興味がでて仕事の幅が広がるかもしれません。デザイナーが分析を理解したり、エンジニアがデザインを理解したり・・といったことができればさらにクオリティが上がると思うのです。『それしかできない』人材はよっぽどのスペシャリストでない限りは今後需要はどんどん無くなっていくと思っています。


冒頭に記載したように『いまやっている一見関係ない仕事が実は将来のやりたいことの成功につながっているかもしれない』という視点は大事なのですが、だからといって永遠に(関係ないと思えることを)やり続けてはいけません。あくまで『本当にやりたいこと』がきちんとあって、そのための『スケジュール(期限)』があってこそ、だと思います。
・・でないと、無意味にダラダラと続けてしまい、気づいたときには何も新しいことができなくなってしまいますので。

本当にやりたいことの道のりを歩んでいく間に、全然関係ないことをやっていくとさらに上の成功を得ることができる可能性があるって思ってもらえると良いと思います。

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