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『仕事を任せる』ためにやることは?

人が使える時間は24時間であり、これは誰にとっても平等な条件です。
でもその同条件で出せる結果は人によって大きく異なります。
各々の個人的なスキル差から生まれるものもありますが、一定の成果までいくと『より深く広く』やるためには個人の限界がきてしまい、以降は周囲と連携することで一人でやれること以上の結果を出す必要がでてきます。

組織や仕事の上流に行けば行くほどその傾向は顕著となり、経営者やマネージャーはもちろんのこと、案件遂行においても全体を束ねるプロデューサーやプロジェクトリーダーなどは『自身は核となる部分のみを抑えて、あとは周囲の人に任せる』スキルが必要となってきます。

かくいう僕も立場上、人に任せている(頼っている)仕事が多いです。
様々な課題は常にあるものの、現状でD2Cdotという会社が何年も右肩上がりで成長しているという結果からみればそれなりに成功しているということなのでしょうから、自分の経験がなにかしらの参考になればと思って今回は自分なりに『仕事を任せる』ことをどのようにやっているか書いてみます。


まず、『仕事を任せる』ためには事前の心構え(考え)が必要だと思っています。ここができていないと人に仕事を任せきれずに途中で介入してやる気を削いでしまったりするので注意が必要です。

①他人は自分よりも優れていると認識する:
仕事を任せる側で失敗する人の多くは『他人よりも自分の方が優れている』と考えて、ついつい(しかも上から目線で)口出してしまうことが多いように思います。これでは任される側は気分の良いものではないですよね。

すべてにおいて自分の方が他人よりも優れているということはないでしょう。むしろ特定の領域においては他人の方が優れていることが多いはず。
このため、日頃から優れている人材を見つけておく&認めていることが大事ですし、自分にはできないことをやってもらうという感謝と敬意、そして謙虚な気持ちが大事だと思います。

『人に仕事を任せる』ことの本質は『自分よりも優れている人たちを活かして大きな結果を残すこと』だと認識しましょう。
※自分の方が結果を残せるのであれば、自分でやった方がいいのですから。
②他人と自分は違うものと認識する:
『他人は自分ではない』という当たり前のことが抜け落ちることがあります。人それぞれ得意なところと不得意なところがあり、自分と性格も違えば最適なやり方が変わるのは当然のこと。求めるべきは『Goalとしている成果』であって、『そこまでに至るやり方』ではないはずです。なので、自分には理解できないやり方であっても任せた本人がそのやり方がベストだと思っているのであれば信頼したうえで尊重すべきだと思います。
③過剰な期待をかけない(最終責任者は自分):
僕は『過剰な期待』は『依存』だと思っています。俗にいう『他責思考』というのはこの『依存体質』のもっともたるものだと思います。
稀に自分が望むような結果がでなかった場合に「期待外れだった」などという人がいますが、それを任せたのはそもそも自分ですよね。もちろん相手にも悪い部分はあるのかもしれませんが、自分の目利きのなさや責任を相手に擦り付けているだけだと思うので、任せる側は信頼はしても過剰な期待はかけずに、最終責任は自分にあると思って任せる覚悟が必要だと思います。
※それができないなら自分でやればいいと思います。


上記の心構えをもって『仕事を任せる』ことになりますが、仕事を任せる側は『丸フリの放置』にならないために『任せる前』と『任せた後(途中経過含む)』にもやっておくべきことがあります。

①最終ゴール地点(成果)は事前にきちんとすり合わせをしておく:
最後に向かうゴール地点(成果)の認識がズレていると、結果として全く違ったものが出来上がります。逆にそこのすり合わせがしっかりできていれば、ある程度放置していても勝手に動いてくれることでしょう。
このため、事前のゴール地点のすり合わせは時間をかけて互いにしっかりやるべきです。失敗するプロジェクトはここができていないことが多いです。

また、Goal地点までの最短距離を目指すためには、事前に『方針』や『やらなくていいこと』のすり合わせをしておくことも有効だと思います。
②途中経過の報告は適宜してもらう&余計な口出しはしない:
『仕事を任せた後は放置』ではいけません。適宜現在地とGoal地点との差分を報告してもらい、大きなズレがなく進行しているか確認をとりましょう。ここで大事なのは前に進んでいるのであれば『余計な口出しをしない』こと。先ほど記載した自分と他人とのやり方の違いを理解できずに途中で口出しをしてしまったり、小さな失敗に目くじら立てて注意する人を見かけるときがありますが、これは逆効果でしかありません。
『失敗は成功のもと』という言葉もあるので、事業に大きな影響のない失敗については目をつむってあえて失敗を経験してもらうということも『人の成長』の過程においては必要だと思います。
③信賞必罰をしっかり行う:
仕事を任せた結果で『信賞必罰』をしっかりやることは重要です。
結果を出してもなにも評価をされなければ誰も挑戦しないですし、失敗したことをなにも咎めなければ真剣にやっている人が不満になります。
※ただ、失敗の仕方次第では不問にすることもアリだと思います。

僕はさらに、成功した人の成果を周囲に宣伝していました(笑)。
主役は『仕事を任せた人』ではなく、『仕事を成功させた現場の人』です。そこがブレてしまうと現場からは「あの人は自分たちの成功を横取りした」などと不満になり、今後協力してくれることはくなるでしょう。
『成功した人』にはさらに成功してほしいですよね。このため、僕は自分の周囲にもそういった人たちの評価や素晴らしさを宣伝していました(笑)。

つらつらとこれまで僕が『仕事を任せる』ためにやってきたことを書きましたが、そもそも『仕事を任せる』前にもっとも重要な決断があります。
それは『人選』です。ここを見誤ると、上記のことをやっても失敗してしまうでしょう。・・とはいえ、これがけっこう難しい(苦笑)。

プロジェクトの成功/失敗は『人選』で半分は決まると思っています。
それくらい大事なものなので間違わずに行いたいものですが、『人を見る』というのは大変難しいものなので、消去法として『明らかにこの人だと失敗する』という人は除外したうえで、候補者の中から『この人なら成功の可能性が高そう』という人を選ぶ、という方法以外にはないかなと思います。

チームメンバーとの相性も関係したりするので、単純にスキルの高い人を選んで成功する、というわけでもないのがさらに難しいところですね。


僕は上記のやり方で『仕事を任せる』ことをしてきましたが、人によってはマイクロマネジメントと言われるような細かな管理をしながら仕事を任せることをした方が結果が出やすいという人もいるかと思います。

大事なのは『成功する』ことなので、ざっくり任せるのと細かく管理しながら導くのとどちらが良いか悪いかということでもないと思いますが、あまり細かく指示出しをして動かすと相手は指示待ち人間になってしまい、個人の成長ができないと思うので、僕としてはそちらの手法をとらないようにしています。

今回は僕個人のやり方をつらつらと書きましたが、人に仕事を任せることに悩んでいる人の参考になることがひとつでもあることを祈ります(苦笑)。

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