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困った時の応急ケア ~イライラ高ぶり時~

今回の内容は、困ったときの応急ケアについて。「四葉視点」と「鉄板3ステップ」を使った自己調整法について、今回から3回シリーズでお届けします。

▼LISTENでの音声配信記事はこちら

こちらnote記事では、音声配信の「要約」を掲載します。
「読むのは面倒!」という方は、音声配信(21分)がおすすめです。
ただしこちらでは、要点をまとめた画像を掲載しています。
視覚的に確認したい人は、画像だけでもチェックしてみてくださいね。


四葉視点と鉄板3ステップ

前回は、しんどい時・セラピーの時、点検したい4つの視点「四葉視点」について紹介した。ただ、概念的な内容だったので、具体的に四葉視点でどう点検して、どう調整するかというケーススタディを3回に分けて紹介する。

1番目(今回)が、イライラ・高ぶりで困った時、
2番目が、不安高ぶりで困った時、
3番目がうつ・気力落ちで困った時の予定。

3回シリーズの共通する結論は、
「困った時は、四葉視点と鉄板3ステップで調整しよう」。

四葉視点というのは、カラダ、区別、ニーズ、パーツの4つの視点。

鉄板3ステップという言葉は、私がカウンセリングやオンライン教材などでよく使っている言葉。

心身を調整するときに、これが鉄板の3ステップですよ、というものだ。
覚えてほしい3ステップはこれだけ。

  1. 気づく

  2. 受けとめる

  3. 調整する

公式のように覚えてほしい。

ちなみに、受けとめるというステップが、一番難しいが一番重要になる。

困った状況に気づいたらすぐに調整したくなるけれども、心や体のような問題は、まず受けとめる。否定も肯定もジャッジもしないで、まずは受けとめるというステップが大事。

カラダ視点でチェックする

まずは、カラダの点検から。
イライラ、せかせか、バタバタのようなペースが速い感じに体がなってると気づいたら、受けとめて調整する。

調整の仕方は、カラダの状態によって異なる。
イライラ・高ぶりみたいな時は、逆のベクトルに行くような行動をする。
例えば、せかせかと焦って速くなっていたら、体の動きをゆっくりにしてみる、しゃべり方をゆっくりにしてみる、など。

拳に力が入っている、攻撃的なエネルギーがふつふつと湧いているという時も、3ステップ。
このあたりに力が入っている、肩に力が入っている、首も固くなっていると気づいて受けとめる。
受けとめた上で、攻撃的エネルギーの場合は安全に発散をして調整する。

拳に力が入って殴りたい、口で何かを罵りたい、文句を言ってやりたいという衝動を感じたら、例えば、誰もいないところでうなってみる、固めのクッションを殴ってみる、息をふーって吐く、手をグーパーするだけでもOK。

カラダが固くなったりギュッとなっていたりするなら、緩める、ほぐすのも効果的。

呼吸の状態もチェック。
イライラしている時は大抵呼吸が浅くなったり速くなったりしている。

これも気づいたら3ステップ。
呼吸が浅い、速くなっていると気づいて、受けとめて、呼吸をゆっくりにする、深呼吸をするなど、逆の方向へ調整する。

ただ呼吸は人によっては、ゆっくりにしたり、深くしたりすると余計に気持ち悪くなる人もいる。
自分にとってちょうど良い、落ち着くペースや深さを探ってもらいたい。

調整方法について、ポイントや共通する部分はあるけれど、万人に合う方法はない。カラダの声を聞きながら、自分にちょうどいいバランス、ボリュームで調整してみてほしい。

最近の生活や体調の確認も忘れずに。
忙しすぎた、疲れた、寝不足など明らかな原因があるなら、調整する。

区別視点でチェックする

区別視点では、「区別できているか」「距離は取れているか」を確認する。

イライラ高ぶっている時は、何かが期待通りにいかない、思い通りにいかなくてイライラしていることが多い。

3つのポイントを点検してほしい。

1つ目は理想と現実の区別。

こうあるべき、完璧主義、理想や正論にこだわっている、行き過ぎていないかをチェックしてほしい。つまり理想と現実の区別ができているかという視点。

もちろん現実に寄せていくことが大事。
YouTubeに理想と現実の区別についての動画を上げている。
この記事の下部にリンクを貼っておくので、確認してみてほしい。

2つ目は自分と他者の区別。
子供のことでイライラしている、パートナーについてイライラしている時、無理に相手をコントロールしようとしていないだろうか。

基本として、他人は変えられない。

もちろんこうして欲しいとリクエストしたり、お願いや交渉をしたりする場面もあるが、行き過ぎていないかという確認は必要。

理想と現実の区別、自分と他者の区別の部分で気がつくことがあったら、ここも鉄板の3ステップ。気づいたら、自分はダメだと否定しないで受けとめる。そして調整する。

調整方法が、3つめのポイント。
このような時の調整は、「距離を取る」方法がおすすめと知っていてほしい。心理的に距離を取る場合もあるし、物理的に距離を取る場合もある。

心理的な距離は、理想、完璧主義、べき思考に乗っ取られていると思ったら、意識して切り替えるようにする。

あるいは、そういうふうに考えさせるような刺激物を見ないようにする。
例えば、子育てはこうあるべきだということにこだわっているとしたら、育児書やネットの情報、理想論や正論を見すぎていないかを確認。それらは刺激物になる。

あるいは、母親や姑にこうした方がいいと言われることがつらいという場合は、その人から少し距離を取るようにする。

物理的に距離が取れないなら、「この人はそう思うのね。でもそれはあなたの意見でしょ」と自分の中で心理的に距離を取ることを意識する。

イライラしている時は、何かに集中していたりこだわったりしていることが多い。距離を取るという調整方法がすごく役立つ。

ニーズ視点でチェックする

自分や相手が「求めているものは何か」という視点でチェックする。

まずは自分のチェックから
自分のカラダにイライラの攻撃エネルギーが溜まっていて、発散したいというニーズがあるなら、安全な形で発散できる方法を考えて実行する。

最近、忙しくて大変、いろんなタスクを一人で抱え込んでいる状態なら、もしかしたらサポートを必要としているのかもしれない。

あるいは、頑張ってるね、よくやってるね、というねぎらいの言葉や、頑張っていることをわかってほしい、認めてほしいと思っているのかもしれない。

自分の中にニーズがあると思ったら、それを満たす方法を考える

例えば、そのニーズを満たしてくれそうな人に「ちょっと聞いてよ」「私こんなに頑張ってるんだよ」「ちょっと褒めてくれない?」と直接リクエストしてもいい。

自分で自分を認めてあげる方法もある。
自分の中のニーズを見てあげてほしい。

明らかに疲れている、休養や睡眠が足りていないなら、休養や睡眠をちゃんととれるように調整することも重要な視点。

クセ・パターン化なら、パーツ視点

基本的には、ここまでの3つの視点で確認してほしい。
四葉視点といっているが、
まずはカラダ、区別、ニーズの3つの視点で確認して、調整する。

ただ、自分にはこのパターンが多い、癖になっているという時には、四葉視点の4番目、パーツ視点が役に立つ

例えば、パートナーに対してはどうしてもこの怒りのパターンが出てしまう、どうしても許せない、ちょっとしたことにも過剰になってしまう、イライラしてしまうという時は、パートナーに対して特に過剰に反応するイライラパーツがいる、怒りのパーツがいると捉えてみてほしい。

一つのキャラクター、部分として認識して、観察すると良い。

怒りのパーツ、こうすべきというのが強いパ―ツ、べき思考のパーツなど、人によってさまざま。

名前は何でも良いが、自分にとってしっくりくるような名前をつけて、ちょっと擬人化するとやりやすい。

こういうパーツが自分の中にいるなと気づいたら、自分イコールそのパーツではなく、こういうシチュエーションになると過剰反応したり活性化したりしやすいパーツがいると考える。

このパーツの特徴や傾向を、普段から意識して観察してみる
これがとても大事。

パーツ視点については、YouTubeで10分の動画で説明している。
パーツ視点について詳しく知りたいという人は、まずはYouTube動画を見てほしい。イラストもあり、わかりやすいと思う。

まとめと、参考動画のご紹介


今日のテーマは、
困った時は「四葉視点」と「鉄板3ステップ」で調整する

四葉視点は、カラダ、区別、ニーズ。
とりあえずこの3つの視点を最初にチェックして、癖やパターン化しているものがあるなら、パーツ視点で点検する。

点検した後に調整する際は「鉄板の3ステップ」。

① 気づいて
② 否定や肯定やジャッジをしないでただ受けとめる
③ 距離をとったり、逆の方向になるような行動をしたりして調整する

応急ケアとして実践する時は、四葉視点でチェックしてから、1つとか2つでもよいので、何か調整をしてみてほしい。

理想と現実の区別について、パーツ視点についての youtube 動画は、下記から確認してほしい。


▼区別視点「理想と現実を区別する」の説明動画


▼パーツ視点の説明動画


もう一つ、教材のご紹介。

困った時の調整について、こちらは有料だが、「ポリヴェーガル理論でわかる困った時の自己調整」というイラスト満載の動画教材も販売している。ご興味ある方は下記から確認してほしい。

▼動画教材「ポリヴェーガル理論でわかる、困った時の自己調整」

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