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頼む側と頼まれる側の間に潜む”ワナ”

1.ケンカになった

「実家にいるんだから少しくらい家事手伝ってよ」と母に言われたこともあって、せめて実家にいる間は母親の家事負担を減らそうとできる範囲で家事を担当しています。

手伝いを始めた当初はケンカになることが多く、特に夕飯づくりが問題でした。

「そのキャベツを洗って」「にんじんを乱切りにして」という母の指示にイライラしてしまい、「もうちょっと2手3手先まで教えてほしい」と言ったことが発端です。

夕飯づくりを手伝ってほしい、夕飯づくりを手伝いたいという母と私の考えは一致していたはずなのに、なぜうまくいかなかったのかが疑問でした。

そこには、頼む側と頼まれる側の間に潜む”ワナ”があったのです。

その”ワナ”に気づいて母と共有したことで、今では夕飯づくりに励むことができています。


2.頼む側と頼まれる側の間に潜む”ワナ”

頼む側と頼まれる側の間に潜む”ワナ”、それは出す支持と求める指示の具体と抽象のレベルの不一致です。

①出す指示=具体的/求める指示=具体的
②出す指示=具体的/求める指示=抽象的
③出す指示=抽象的/求める指示=具体的
④出す指示=抽象的/求める指示=抽象的

今回の母との押し問答は、②の出す指示=具体的/求める指示=抽象的のパターンです。

母にとっては、ほとんど料理をしているところをみたことがない人間が料理を手伝うという不安や、成果物のクオリティをコントロールするためにも、具体レベルMAXの指示を出してくれていました。

私にとっては、一口コンロでひとり暮らしを3年しており、固定されたメニューだけではあったものの自炊は一応していたため、そこからもうひと段階レベルアップすることを求めていました。

今回の指示の具体と抽象のレベルを表すと下記のようなものになると思います。

抽象的
 ↑
 ・夕飯をつくって
 ・(決められたジャンルで)夕飯をつくって
 ・(決められたジャンル、メニューで)夕飯をつくって
 ・(決められたジャンル、メニュー、手順で)夕飯をつくって
 ・(決められたジャンル、メニュー、手順、切り方で)夕飯をつくって
 ↓
具体的

上記なかでいうと、母の指示は一番下の具体性の高いものだった一方、手伝い始めた当初の私は上から3つめの具体性の指示を求めていたため、「もうちょっと2手3手先まで教えてほしい」と言い、ケンカしていたのでした。


3.おすすめの本、教えて!

料理を一度もしたことない、料理に自信がない、どうすればいいかわからないといった、学校で調理実習をかじった程度のレベルの人にとっては、今回の母の指示は気の利いた面倒見のいいものだといえます。

それは、出す指示と求める指示の具体と抽象のレベルが一致しているからです。

初心者の人に「なんでもいいから夕飯をつくって」と頼むことは、③の出す指示=抽象的/求める指示=具体的となってしまい、頼まれた側にとっては丸投げされたと感じてしまうかもしれません。


最近、友人との間で本の話題が増えているのですが、その中で「おすすめの本、教えて!」と言われることがあり、返事に困ってしまうことが多くありました。(前に聞いてくれたひとごめんなさい)

これにも今回の具体と抽象のレベルをあわせることの重要性があてはまるのではないでしょうか。

相手が具体と抽象のどちらの本を求めているのかを考える必要があるのです。そもそも、おすすめという言葉そのものが非常に抽象度が高い言葉なので、おすすめの定義を明確にすることも重要です。

他のコミュニケーションの場面でも、相手と話の具体と抽象のレベルを合わせることを意識していきます。

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