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重要だが緊急ではない課題の取り組み方

iCAREの山田です。今日は、CEOの役割やCEO室というチームを引っ張っている立場として、よく直面する課題について話します。CEOの役割は、様々なステージや規模で大きく変わりますが、社員数100-150名くらいだとより中長期的な目線であったり、重要だが緊急ではない課題に取り組む必要が出てきます。

みなさんも会議で発表する側としてよく経験されると思うのですが、前話ししたのになんで覚えていないのだろう、そもそもの話から始めないと目線があっていないなんてことありませんか?
※ 産業保健や健康経営なんて典型例だと思っています

私たちの日常には、「重要だけど緊急性がない」と分類される課題が溢れているのに、これらの課題は、目の前の緊急なタスクに比べて優先度が低いと感じるため、ついつい後回しにされがちです。しかし、これらの課題が放置されることで、中長期的に達成できない大きな課題やリスクが放置になってしまいます。今回は、このような課題にどのように取り組むべきか、具体的なアプローチを私の経験踏まえて探っていきます。


1. 認識の共有とその重要性


まず初めに、関わる人々との認識を一致させることが大切です。課題が「重要だけど緊急性がない」と自分だけが認識していても、チーム全体や関係者が同じ認識を持っていなければ、その課題解決に向けてのアクションは取られません。なぜその課題が重要なのかを定量的に示したり、繰り返し伝える必要があります。

また誰が課題に感じているのかも明確にし、危機意識の醸成を事前に相談しておくことが重要です。全体や複数人に自分の課題や想いを伝えるよりも、1対1でしっかりと向き合いながら課題感について説明、フィードバックを受けると課題に対する捉え方や登り方の解像度が格段に上がります。

ちなみに、組織変革で有名なジョンPコッターの8つのステップもほぼ類似していると思っています。

2. 優先順位の明確化と課題の分類


重要だが緊急でない課題の中でも、それぞれの重要度や対応の緊急度は異なります。そのため、課題をリストアップし、明確な基準をもとに優先順位をつけることが必要です。具体的には、課題を「コスト」と「時間」、「インパクト」の3軸で分類し、掛け算もしくは足し算で一覧表で優先順位を決めることもあります。これにより、どの課題から取り組むべきか、一目で分かるようになります。

例えば、私の場合はこんな感じです。
CEO / CEO室のやっていくこととして、並んでいるとすればコストのかからないものを5点、かかるものを1点(実際は感覚値での順位付け)、同じように時間かからず成果に繋がりやすいものを5点、長いスパンのものを1点、事業成長に大きなインパクトや現時点での課題に密接に関係しているものを5点、成果出た際のインパクトを1点としてみるとこのような表が例として出来上がります。

CEO/CEO室での優先順位(例)

実際には、山田がやらず他部署メンバーがやってくれたりする可能性もあり、そのような場合はコスト下げたりと鉛筆なめなめをして仕上げる感じです。

3. アクションプランの策定


優先順位が明確になったら、具体的なアクションプランを策定します。誰が、いつまでに、どのような方法で課題に取り組むのかを明確にすることで、実際の行動が生まれやすくなります。この際、スモールステップを意識し、大きな課題でも小さな部分から着手することで、取り組みやすさとモチベーションの維持を図ることが大切です。

重要だけど緊急ではない私の仕事として社内へのパーパスの浸透というものが昨年夏にありました。パーパスってなんだ?今更何を言っている?みたいな雰囲気も多くあり、自分たちの仕事がパーパスに紐づいていない現象がまさに課題として発生していました。

CEO室の私の役割としてこのパーパス浸透を目標管理に設定し、アクションプランを策定していきます。まずは小さな成功体験が重要です。お客様と接している2部門であるセールスとCSにターゲットを定めて、日常の業務の中にパーパスが入れ込めないのか相談させてもらいます。CSは朝会でパーパスに紐づけた今日やることみたいな形で取り組み、セールスはお客様の説明資料に必ずパーパスが入ってしっかりと説明できるようにということを各マネージャーにお願いしてやってもらいました。

セールスでは、お客様からのお声としてそのようなスタンスは素晴らしい、応援しているといった共感が小さな成功体験として生まれ、当たり前化していくのです。次に、やったことは8月下旬に実施したキックオフミーティングでCEOパートの中で参加メンバーでパーパスを説明し合うといったワークを入れて一気に普及させることをしました。

このように重要だが緊急じゃないような課題の場合、アクションプランを緻密かつスモールに始めて、小さな成功体験を醸成してから広げていくことはとても大切です。


4. 定期的な見直しとフィードバック


状況や環境は常に変わっています。一度策定したアクションプランや優先順位も、定期的に見直す必要があります。月1回や四半期ごとに課題のリストとアクションプランを再評価し、必要に応じて修正や更新を行うことで、常に最適な対応を保ち続けることができます。また、実際の取り組みの中で得られたフィードバックや成果を共有することで、次のアクションに生かすことが可能となります。

その中でも運用進捗の伝え方がとても重要です。会議体においても担当者としては、常に意識しているものなので、前回からの続きとしてこの1ヶ月を振り返るみたいな報告がありますが、それはNGです。なぜなら担当者にとって日常のことであっても、聞かされる側にとっては緊急性ない事案は非日常だからです。

前回からの話ではなく、なぜ(WHY)これが重要なのか、何を目指すのか(WHAT)を1−2分で毎回説明してから前回からの進捗を伝えるということをするだけで全然話し始めた後の目線感、質問の種類が変わります。


結び


重要だが緊急ではない課題への取り組みは、一見、面倒や時間がかかるように感じるかもしれません。しかし、これらの課題に早期から取り組むことで、未来の大きな問題を回避したり、新たな価値を生む機会を掴むことができるのです。課題解決のプロセスを継続的に進めていくことで、より良い未来を築く手助けとなるでしょう。


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