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風呂は長いが判断は早い


友達の友達のエピソードはなぜか面白いことが多い。
全く知らない人の話なのにウソみたいに笑えるのは不思議だ。

但し友達の恋人の話はなぜかつまらない。
体育の授業中、友達の恋愛話を永遠に聞かされて卓球が嫌いになりかけたことまである。
卓球からしたら大迷惑な話だ。

とにかく友達エピソードはなんだか心が温まるし面白い。
私も自慢の友人の話をするとしようか。

はじめに言っておくがこのブログに人生における教訓とかライフハックとかは何一つ無い。
マジでない。
ただクスッと笑ってもらえれば幸いだ。
自慢のコーヒーでも落とす合間に読んでくれ。

読み終わったら僕にも一杯飲ませてくれ。


彼と初めて知り合ったのは大学1年の夏、常夏のマレーシアだ。
僕も彼も海外ボランティアのワークキャンププログラムに参加していた。

名は林(仮名)という。
(林には無許可で書いている。ごめん)

林はとにかく話が面白いやつで、体力があって惚れやすく、真面目で風呂が長い。
マレーシアでの風呂(?)は川か溜め水だった。
尋常じゃない量の蚊と凶暴な犬に怯えながら林の風呂上がりを待ったこともある。

林は「チームしゃちほこ」のライブを見るために4時間以上かけて自転車で名古屋城へ向かい、家を出た瞬間に補導され、ようやくライブ会場に到着したものの、疲労のあまりライブ中に寝るという思い出などを僕に聞かせてくれた。
キャンプ中も、誰が可愛いだとか誰が可愛く見えてきただとか男子であることの喜びを凝縮したかのようなトークで盛り上がった。

元野球部でがっちりとした身体つきの林も大怪我をしたことがある。




美しい田舎道を猛スピードの自転車が通る。


数年前の林である。

田舎道というのはどこも平らというわけではなく、でこぼことしている。
あろうことか林は結構な勢いのまま道を外れた。

そしてかなりのスピードで畑に入りその先の石塀に顔から激突した。
トムジェリだったらトムが食らう側の痛いやつである。

トムは血だらけの顔のまま自分で救急車を呼び、運ばれた。

猛スピードで畑に落ち顔面クラッシュする様を僕も一度見てみたかった。
多分笑って立ち上がれなくなる。
酸欠になり運ばれるのは僕が先だ。

そこからである。

林は歯が欠けたか取れたかした。
歯医者からは「くっつくかどうかは30%の確率だ」と告げられ、治療するかどうかは彼に委ねられた。
失敗したらもう着かないし、やるかやらないかは結構大きな決断だったらしい。

普通の人は身構える確率だ。3割である。10回やったら7回失敗するのだ。



しかし林は「野球だったら3割バッターなんて信頼に値するすごい選手だ」
というバカなのか天才なのかわからない超異次元思考回路で決断し手術した。



そして成功した。

おもしろ神に選ばれし勇者である。


そのほかにも林は眠すぎて家に帰れず自宅数百メートル手前の駐車場に車を泊めて寝たり、忘年会でティラミスを食べすぎて動けなくなるというスーパーヒーローぶりを発揮している。
これからも彼の行動には目を光らせていきたい。


どうも。 サッと読んでクスッと笑えるようなブログを目指して書いています。