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車の査定に行った話③/③



今日で、新たな大学にくるのは3日目だ。
オリエンテーションがポツポツあるだけで授業が全然始まらない。



コロナの野郎生き残るのに必死だな。
まるで人間みたいだ。




僕は先日2000円と告げられた愛車に乗って学校へ向かう。
今日は9:45に集合だった。
8:20に起きた。



45分集合ということは8:45 には家を出たい。50号が混むから。
シャワー浴びて、お茶持って、荷物持って、よし出よう!とした時には9:00。



急がねば。
急いで家を出た。

ここで僕は重大なミスを犯していた。
そう、家でうんこをしてこなかったのだ!


3kmくらい進んだ時に、便意と共に僕は悔いた。


時間を割いてでもうんこをしなかったことを。
朝のドタバタした中で、自分のうんこさんに寄り添わなかったことを。
トイレ付きの車に乗っていないことを。
自分に羞恥心があることを。


くそぅ、倫理め。



あー、トイレに行きたい。
しかし時間もギリギリだ。
朝のコンビニは混んでるし。

とりあえず向かおう。



2000円の車のスピーカーから、「トイレの神様」が不意に流れてきた。
久しぶりだな、この曲。



ちょうど忘れてたあたりに聞いたこの曲が僕の心をついて、感動がこみ上げてきた。
感情が高ぶる。


うんこしたい。


ああ、泣けてきた。


うんこ・・・。


歌もトイレの歌だし。




いい孫じゃなかったのに〜♪。






涙が、一筋流れた。






朝の国道に、便意と戦いながらトイレの歌を聞いて泣いている、2000円の車に乗った21歳の大学1年生こそ、僕だ。
国道よりもアイデンティティが渋滞していた。



ギリギリだった。ギリギリ間に合った。
学校のトイレ、思ったより綺麗だったけど欲を言えば蓋ありトイレがよかった。



僕は涙と尻を拭いてトイレを出る。



春、新生活。
僕のキャンパスライフが、はじまる。


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