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そういう時、僕は知っている。

結局、布団の中で今はまっているHuluの「Sarvage You 」というアメリカのTV番組を見て過ごした。
時間になった僕は眠い目を擦り服を選ぶ。


そう、最初が肝心なのだ。最初が。
僕がこれから通うのは田舎の小規模私大だ。
前大学のように人が湧いて出るような人口密集大学ではない。

つまり


ー最初にミスったら、終わる。


そういうことだ。

そういう時、僕は知っている。

無難が一番なのだ。
尖らなくて良い。
目立たない、好きな服を着よう。


パーカーにするか?
いや待て、TOEICの試験に英語の書いてある服はアカンな。
ストライプのシャツにしよう。ヴィンテージだ。


上はデニムのジャケットだな。これもヴィンテージだな。


下は、そうだな。上がデニムジャケットだから、同じ色のデニムはちょっとアレだし(太ったからデニムはいらないし)この紫のブカッとしたパンツにしよう。ちょうどヴィンテージだし。


靴はマーチンのブーツ。お気に入りだ(というかこれと運動靴とサンダルしか持っていない)。


指輪もやめよう。初日だしな。


そしてコーヒーを飲み干し、リュックを背負って大学へ向かった。
僕はアメリカンな服装が好きだから、私服を適当に選んでも勝手にアメリカンスタイルで統一される。


ファッションの詳しいことは知らないが、80年代のスーパーマーケットに売っているようなシャツやユニバーシティーのパーカー、ラガーシャツ、もちろんデニムにワーキングブーツも大好きだ。


そしていよいよ大学についた。
道が混んでると思い早めに出たが、予想よりは空いていたので早めについた。


車を降りる。
新たな生活に胸を躍らせて歩く。
これから僕のキャンパスライフが、始まる!
3女の羨ましがっている姿が目に浮かぶ。

そんなことを考えながら、ふと大学のガラスに写る自分を見て驚いた。
なんと、鏡の中にはピッカピカの一年生はいなかった。

そこには、ボサボサの髪、マスク、全身を古着で纏ったホームレスの姿があった!

その服達は “ヴィンテージ” なんてものではなく、まさに、正しく “古着” だった!

“アメリカは70年代。ギャングの抗争も絶えない時代。ジャンキーや不良どもで溢れかえるストリートの端で、ゴミに背をもたれかけ眠る、死んでいるか生きているかもわからないようなホームレス” のコスプレ大会だったら歴代最高得点を叩き出して優勝できる服装だった。

しかしここはTOEICの試験会場であって、 “アメリカは70年代。ギャングの抗争も絶えない時代。ジャンキーや不良どもで溢れかえるストリートの端で、ゴミに背をもたれかけ眠る、死んでいるか生きているかもわからないようなホームレス” のコスプレ大会ではない。


完全に、今、僕、尖っている。。。


どうも。 サッと読んでクスッと笑えるようなブログを目指して書いています。