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7月17日(2017)水を運ぶ人の華やかな引退試合

7月17日はレッズ初代監督森孝慈さんの命日。
今年の夏は3年ぶりに森さんを偲ぶ「森酒場」が開かれるそうだ。高校でサッカーに明け暮れていた頃、日本代表監督に就任されたので、そのイメージが強い。森さんがいなかったら、日本サッカーのプロ化、浦和レッドダイヤモンズの誕生は実現していただろうか。亡くなられた日は、なでしこジャパンが世界一になった日でもある。

森さんの七回忌にあたる2017年7月17日、埼スタで鈴木啓太引退試合が行われた。イビチャ・オシム監督から「水を運ぶ選手」と称された彼の価値は、スタジアムでこそわかるものだった。テレビには映らないオフ・ザ・ボールでの動きに何度も唸り、ピンチを救い、チャンスを作り出すプレーに鳥肌が立った。

前日、重鎮の呼びかけで浦和の街に歴代のサポーターが集まり、語り合ったことも忘れられない。

試合前ご両親と入場するシーンがオーロラビジョンに映し出されると、もう涙が溢れてしまった。
引退した年、ドキュメンタリー番組の取材で、清水のご実家を訪ねた。多くの貴重なお話をお聞きし、なぜ彼が日本代表のキャプテンを務めるまでの偉大な選手になれたのか理解できた。栄養士であったお母様は弱かった息子の体調ことをいつも心配していたそうだ。

日本代表、レッズOB、錚々たるメンバーが集い、普段は地味な役回りの啓太を引き立てた。
試合後コールリーダーの呼びかけでゴール裏に入り、思いを分かちあう姿に、改めてサポーターに深く愛された選手だったと感じた。

引退試合の13年前の2004年7月17日。
アテネ五輪代表落選の知らせがあった翌日。駒場でのナビスコカップジェフ市原戦。いつものようにチームのために献身的にプレーし、躍動する啓太に胸をうたれた。ここからまた更に素晴らしい選手になってゆくと確信した。

いつの日か森さんのようにGMとしてレッズに帰ってきて、チームを優勝に導いてほしい。




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