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三日月の昇る河原

三日月の昇る河原
埋まる観音像の傍らに立つ煙突

風が止み潺が静まり
月から一本の糸が煙筒に下りる

焼炉に堆積した灰が動き
透き通る掌が出でたつ

掌は糸に触れ糸は掌を誘い
真直ぐに月へむかう

小さい円は大きい円となり
仄かな夜空へ舞いあがる

二人は弧の窪みに腰をかけうたい愛を語る
観音像が微かにほほ笑む

【AT0HNB0】

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