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図書館の便利さに今さら驚いている

恥ずかしながら、今年に入るまで図書館をほとんど活用してこなかった。最近になって、「なんて便利なんだ・・・」と驚いている。

2ヶ月ほど前、友人と東所沢の角川武蔵野ミュージアムへ行ったとき、そこで偶然開催されていた「俵万智展」を観た。それが思いのほか良かった。日常を31文字で切り取る感性が素晴らしい。彼女の短歌を眺めながら、他の作品も読んでみたいと思った。

「今度大きな書店へ行ったら、俵万智の『サラダ記念日』を探してみるか」と思っていた数日後、友人からLINEが届いた。

「今、図書館で借りた『サラダ記念日』を読んでいます」

そうか、図書館で借りられるのか。その単純な事実が、ぼくにとっては盲点だった。

このところ、増え続ける本の量に悩まされていた。部屋の中で、勝手に増殖しているんじゃないかと思うくらい、増えていく。もちろん全部、自分の意思で買っているのだが、読むスピードが買うスピードに追いつかない。新しい本棚を買ってもすぐ埋まってしまう。

そんなときに、「図書館、いいかも」と思った。それまでの自分が図書館に対してポジティブに思っていなかったのは、話題のビジネス書などを読むのにはあまり適していなかったからだ。ぼくは2年ほど前まではビジネス書を読むことが多かった。だが、書店で見かけて読みたいなと思った新刊は、図書館にはまだ置かれていない。もしくは入荷されても、予約でいっぱいになっていてなかなか借りられない。そんなことで悩むくらいなら、さっさと買ってしまった方がいい。

それで、あまり利便性を感じていなかったのだけど、この2年でぼくが読むジャンルは大きく変わった。歴史書や古典、小説、エッセイを読むことが増えた。そういう本は、ほとんどがひと昔前の本だから、図書館に山ほどあるし、多くは「貸出中」になっていない。発売当時は大人気だった『1Q84』だって、今は全巻棚に揃っている。読み放題だ。

司馬遼太郎、宮城谷昌光、村上春樹、北方謙三、塩野七生、カズオ・イシグロなどなど、好きな作家の作品がズラリと並んでいて眺めているだけで楽しい。下手すると2時間くらいウロウロしてしまう。

最近はよく、図書館で借りて村上春樹のエッセイ集を読んでいる。『村上ラヂオ』シリーズなんかは、天才的におもしろい。

彼は実に多くのエッセイ集を出しているものだ。それも図書館に来るまで知らなかったことだ。家から徒歩12分という恵まれた立地にあるのに。。。

あとは、近所の図書館に読みたい本がなくても、同じ区内の別の図書館に在庫があれば、予約できて、かつ近くの図書館で受け取れるシステムが便利だ。これも普段使っている方からしたら「今さら?」と驚かれるだろうが、知らなかった。

今朝も図書館から通知メールが届いた。「予約していた4冊が届いた」と。

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『よい戦争』はスタッズ・ターケルという作家のピュリッツァー賞受賞作品。コンサルの生徒さんが教えてくれた。村上春樹がこの本に影響を受け、彼の手法を用いて著書『アンダーグラウンド』を書いたのだという。

2冊目と3冊目は、フジテレビアナウンサーの友人・宮司愛海ちゃんがお勧めしていた内田樹さんと瀬戸内寂聴さんの本。ぜひとも読んでみたいと思った。

4冊目は、最近ブルックナーの交響曲第5番を久しぶりに聴いて、やっぱり名曲だ・・・と感激してしまったので、彼の生涯について知りたいなという気持ちになった。ちなみにブルックナーの5番は、演奏時間が4楽章合わせて約80分で、ベートーベンの『第九』よりも長い。それでも高校・大学時代、この曲に取り憑かれ、もう100回以上は聴いただろう。良かったらギュンター・ヴァント指揮の名演を作業用BGMにでも。

全部を一度に借りると2週間で読まなくてはいけなくて、それは多分無理だから、2冊ずつ借りようと思う。

日々の生活のなかで、読みたい本はどんどん浮かんでくる。新聞や雑誌で目にして、読んでいる本の中で紹介されていて、友人から「この本おもしろかったよ」と言われて、あるいは書店やAmazonで見かけて。今までは、読みたい本が出てきたらすぐ書店に行って買っていた。だが、最近はiPhoneのメモ帳に、「買いたくなった本 我慢した本 図書館で借りたい本」というリストを作り、ひとまずここにタイトルを書き込むことにしている。どんどん溜まっている。

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そして、こうした読みたいと思った本は、結構図書館で手に入るものだ。だからそれを借りて、読んで、返して、と繰り返していけば、部屋の本の増殖を抑えられる。それでも、必要に迫られて新しい本を書店で買ってしまうこともあるけど、以前に比べてかなり冊数は減った。所有しない豊かさもある。エコだし。

今までは、全部買ってたもんなあ。そりゃあ本代もそれなりにかかってしまう。節約、節約。

34歳になってこんなことに気付くなんて、遅すぎるけど仕方ない。健康に生きていれば、これからも図書館でたくさんの本を読めるでしょう。きっと住民税の元を取れるくらいには。

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