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シドニー&メルボルンの旅(2)

昨夜、案の定深夜まで日記が書き終わらず、寝たのは1時半。ゲストハウスのドミトリールームは2段ベッドが3つ置いてある6人部屋で、満員。ぼくがラウンジでの作業を終えて部屋に入ると当然消灯していて、物音を避けながら荷物をロッカーに入れたりと、眠るのもひと苦労だった。

シドニーハーバーYHAのドミトリールーム

普段、誰かのいびきがしたりすると気になって眠れなくなるのだけど、昨日はあまりに疲れていて、目をつむるとすぐに爆睡。そして朝7時半に目が覚めたものの、身体はなおも疲労が取れず、二度寝したくてたまらなかった。

しかし、起きなくてはいけない。人との約束がなければ確実にあと3時間は寝ていただろう。

8時頃にラウンジに降りてきて、機内食で余ったパン、スタバでいただいたアーモンドフロランタン、昨日買ったバイロンベイクッキー(チョコチップ)を食べた。

簡単な朝ごはん

8時半に外に出て、すぐ隣に「Ezy Mart」という小さなコンビニみたいなお店を見つけた。値札がなかったのだけど、「300円くらいかな」という軽い気持ちで600mlの水と小さなプロテインバーを買ったら、2つで800円以上して驚いた。早速物価の洗礼を受けた。

これで800円!さすがにスーパーで買えばもっと安い

東京にドコモバイクシェアがあるように、オーストラリアにもバイクシェアサービスがある。シドニーでは「Lime」と「Beam」という会社の自転車をよく見かけるから、どうやらここが二大巨頭なのだろうか。ぼくはLimeのアプリを事前にダウンロードして、クレジットカード情報も入れておいた。

アプリを開くと地図が出てきて、現在地と近隣で利用可能な自転車の場所が表示される。日本と異なるのは、日本ではサイクルポートという「あらかじめ決められた場所」で自転車を借りたり返したりする必要があるが、オーストラリアでは異なる。基本的に、道のどこでも乗り捨てしていい。確か中国もそうだった。だから観光していても、道のあちこちにシェアサイクルが乗り捨てられている。バッテリーの交換など管理する側からしたら大変そうだけど、使う側からしたらこの方が便利だ。だいたいどこにいても、近くの自転車がすぐ見つかるから。

だけど問題は、ヘルメットがあるかどうか。オーストラリアではヘルメットの着用義務があるから、ヘルメットがカゴに入っている自転車を選ばなければならない。基本的にLimeの自転車にはヘルメットがくっついているはずなのだけど、盗ってしまう人がいるのか、よくわからないけど2台に1台くらいはヘルメットがない。また、長い距離を走る際は、十分にバッテリーがあるかどうかも確認しないといけない。それもアプリ上で、「この自転車はあと6kmしか走れないよ」みたいにバッテリー残量がわかる仕組みになっている。

そういうわけで、ホテルから近い順に、「ヘルメットがあり、かつバッテリー残量も十分な自転車」を探し歩き、ようやく見つけるまでに15分ほどかかった。

オーストラリアで初サイクリング!

9時過ぎに自転車を借りて、恐る恐る走り出した。オーストラリアも日本と同じ左車線で、その点は非常に走りやすい。ただし、日本のように歩道を走るのは基本的にはダメなので、自転車用レーンがある場合を除けば、車道の端を走ることになる。これもぼくは慣れているので大丈夫だけど、何せ初めての街で10km先の目的地まで向かうのだから、感覚を掴むまで少し時間がかかった。最初、道を間違えてオペラハウスの方へ向かってしまい、ちょっとタイムロス。

日本と同じ左車線だから、慣れれば難しくない

それでもなんとか10kmを無事走り切り、目的地のボンダイビーチにたどり着いた。夏は多くの人で賑わうという、世界的にも有名なビーチだ。

海岸の近くで自転車を停めて、アプリで返却作業を済ませる。すると走行ルートとともに、9.8km走って、利用時間は49分、利用料は26ドルです。ということが表示される。バスで行けば5ドル程度で済むのでだいぶ割高ではあったが、「海外でサイクリングする体験」として十分に価値があった。

Limeで走行後のアプリ画面

そういえば、初日に半袖で観光している写真を見て何人かから「真冬なのに寒くないんですか?」という質問を受けたので、気温についても書いておこう。

予報では最低気温10℃程度だったので、ぼくもそれなりに身構えて上着を持ってきたのだが、正直、昨日の日中は拍子抜けするくらい暖かかった。20℃以上あったかもしれない。半袖で十分過ごせる気温だった。うんざりするほど暑い日本から来たので、それでも涼しくてとても過ごしやすい。

ただし朝晩は空気が冷たく、上着が必要。今朝のサイクリングも上下ジャージで走った。このジャージは、今回の旅にご支援してくださった「スタジオコンチーゴ」さんから提供いただいたアグリナのウェア。快適に運動できました。社長の森田さん、ありがとうございます!

アグリナのウェアでランニング

さて、ボンダイビーチ。「冬にビーチに来ても仕方ないかな」という懸念もあったが、目に飛び込んできた美しい砂浜と海のブルーがあっさりと吹き飛ばしてくれた。メチャクチャ綺麗じゃん!来て良かった!

ボンダイビーチ。夏はこの砂浜が人で埋まるという

約束の朝10時、ボンダイパビリオン前でヒデタカさんと合流。彼とは少し前にTwitterで知り合った。シドニーのホテルに長年勤務されていて、ランニングとクラフトビールが好きということで、ぜひ現地でお会いできたらいいなと思ってDMしたら、今朝のランニングに付き合ってくださることに。

ヒデタカさんが書いていたシドニー郊外のクラフトビール店を紹介するnoteもとても良かった。

ボンダイビーチからクージービーチを目指す約6kmのCoastal Walk(海岸線の遊歩道)を写真を撮りながらゆっくりと走った。この道がもう最高で最高で、アメリカ西海岸のサンディエゴを思い出すような美しい景色の連続だった。

アメリカ西海岸を思い出す景色

起伏は激しく、何度もアップダウンが続く。途中にもたくさんのビーチがあり、写真を撮りたくて何度も立ち止まってしまう。なかでも驚いたのは、ブロンテビーチの南端にあったプール。海と一体化したインフィニティプールで、無料で入れる。これがあまりにも絵になった。

ブロンテビーチのロックプール
海水がそのままプールに流れ込んでくる

その後も、海を見下ろす絶好のロケーションに墓地があったり、見応えたっぷり。

断崖に遊歩道が続く
「世界で最も美しい墓地」のひとつ、ウェイバリー墓地

昨日18km歩いて今朝10kmのサイクリングをしたあとだからか、後半は太腿の筋肉がいっぱいいっぱいで、上り坂がかなりキツかった。それでもなんとかクージービーチでゴール。

ゴールのクージービーチ

天気も良く、素晴らしいランニングになった。都心から10kmの場所に沖縄のビーチがある、みたいな感覚。シドニー、魅力的です。

ヒデタカさんとゴール時の記念撮影

ヒデタカさんはシドニー在住歴26年で、昨年にはオーストラリア国籍も取得されたそうだ。20代前半に日本のホテルで数年働いたあと、英語を磨きたいと思って学生ビザでオーストラリアにやってきて、ホテルでの仕事を得て働くうち、この土地が気に入ってそのまま住み着いてしまったのだという。今日は走りながら様々なお話を聞けて良かった。

「中村さん、よかったらお昼、ご一緒しませんか? クージービーチにぼくの友人が働いているレストランがあるんです」
「ぜひ!」

クージーパビリオン

そこはビーチが目の前に見える「クージーパビリオン」のレストラン。店内は想像以上に広く、そして素敵でオシャレな空間だった。パソコンを開いて仕事をしている人たちもチラホラいる。こんな場所でリモートワークなんて憧れるな。

なんとヒデタカさんが、クラフトビールをご馳走してくださった。

乾杯!

「Young Henrys」の「Newtowner」というクラフトビール。シドニー産のペールエールだ。ランニング後だからなおさらおいしい!

走ったあとは格別においしい!

さらに、ヒデタカさんのご友人のトモさんから、窯焼きピザをいただき、これも最高においしい。ヒデタカさん、トモさん、本当に感謝です!

トモさんが釜で焼いたピザも絶品

「数年前から中村さんのnoteを読んでいましたが、お世辞とかではなく、中村さんの書く文章が好きです」

まだ半日にして、もう心もお腹も完全に満たされた。そしてちょうど雨が降ってきて冷え込んできたのもあって、午後に予定していたタロンガ動物園はキャンセルすることにした。あまりに疲れが溜まっているので、宿で休もう。

クージービーチから374番のバスでシティ(シドニー中心部のこと)へと戻り、セントラル駅でヒデタカさんとお別れ。

せっかくなのでぼくは、この近くにあるコーヒーの名店「Single O(シングルオー)」へ寄ってきた。

カフェ「Single O」の店内

フラットホワイトはラテアートが美しく、ミルクがまろやか。おかわりでいただいたエクアドル産のフィルターコーヒー(ドリップコーヒー)も酸味がありおいしかった。2杯で12ドルくらいだったかな。東京でもコーヒーが1杯600円する店はあるから、これはそこまで割高感を抱かない。

美しきフラットホワイト

店員さんが「コーヒーはどうだい? 気に入ったかい? それはエクアドルのだよ」みたいに気さくに話しかけてくれるのも良い。なお、この「Single O」は東京・両国にも店舗があるそう。

雨はまだ降っているが、誰も傘を差していない。路面電車(ライトレール)にも乗ってみたくなり、中華料理屋がひしめくChinatown駅からBridge Street駅まで乗ってホテルへと戻った。どの公共交通機関でも、乗るときと降りるときに、Opalカードをタッチするだけでいい。簡単だ。この2日間で鉄道、フェリー、バス、路面電車に乗ることができた。

路面電車で宿へ戻る

15時過ぎから2時間ほど部屋で昼寝。今回の旅は節約で毎晩ゲストハウスにしてしまったため、帰国するまで湯船に浸かれないのが痛い。まだ2日目なのに温泉や銭湯に行きたくて、日記を書きながら身体が小刻みに震えている。流石に夜はちょっと寒いしね。

なんだかあまりガッツリ食べたい気分ではなかったので、夜は持ってきたカップ麺(天ぷらそば)とスーパーで買ってきたブルーベリー(4.5ドル)で簡単に済ませた。出汁の効いた「つゆ」の味が沁みる。やはり日本食最高。

ラズベリーは1パック5ドルだった

ゲストハウスには広いキッチンスペースがあり、グループの宿泊者たちは各々料理をしている。パスタを作る人、大胆にステーキを焼く人など、賑やかで楽しい。

スーパーではクッキー売り場を吟味した。何かお土産に買いたいけど、いろんな種類があってどれがおいしいのかわからない。Twitterでご意見も伺いつつ、バイロンベイクッキーのマカデミア&ホワイトチョコを買ってみた。これはとてもおいしい。3.6ドルで9個しか入ってないからなかなか高級だけど。

バイロンベイクッキーはしっとり系でおいしい
買わなかったけどザクザク系も試したかった。ひとりでは食べ切れない

あとスーパーにはSushi売り場があって、様々な「○○ロール」が並んでいた。海老フライ&アボカドロールは普通においしそうだったけど、その海老フライの英語名が「Panko Prawn」だったのがおもしろかった。パン粉ってそのままなのか。値段はだいたい1000円くらい。日本のスーパーなら500〜600円かな、という印象。

「Panko」という表記がおもしろい

明日は昼過ぎの便でメルボルンへ移動する。シドニーとどういう違いがあるのかも楽しみだ。


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