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東北一周自転車旅(1)東京都大田区〜埼玉県草加市

「将来は、『書くこと』を仕事にしたい」

初めてそう思ったのが、今から14年前のこと。大学3年生の夏休みに、自転車旅の日記をブログに書き始めたことがきっかけだった。

「本当に地図通りに道はつながっているのだろうか?」

それをこの目で確かめてみたいという気持ちで、神奈川県横須賀市を出発し、九州を目指した。日本地図帳を携え、一日100km前後を走った。13日後、本州と九州の境い目である関門海峡を前に、「道は本当に地図通りにつながっていた」と実感した。

初めての長いひとり旅で両親も心配したから、「ブログに日記を書くから、それを見といて」と言って家を飛び出した。

各地の観光名所を訪ねただけでなく、道中では様々な人と出会い、たくさんの人の温かさにふれた。地元の名物を食べるのも楽しかったし、思わぬ寄り道も楽しかった。

おもしろかったことや感動したことを、毎晩率直にブログに綴った。すると、気付けばたくさんの方が読んでくれるようになった。

知らない人から「頑張ってください!」「いつも楽しみにしています」などのコメントがつき、ものすごく嬉しかった。最初は大したことを書けなかったのだけど、きちんと経験を伝えたいという気持ちが強まり、下手なりに一生懸命書いた。続けるなかで、徐々に文章が上達していった。

1ヶ月間の自転車旅を終えて、ある女性からメッセージが届いた。

「中村さんの挑戦を見ていて、私も知らず知らずのうちに諦めてしまっていた夢があったことを思い出しました。その夢に向かってもう一度挑戦してみようと思います。ありがとうございました」

ただ好きなことをやっているだけなのに、どうして赤の他人から感謝されるのだろう? どうして感動なんてしてもらえるのだろう? 最初は訳がわからなくて、驚くばかりだった。

だけど、今で言えば大谷翔平くんが大好きな野球を一生懸命やって、その姿や活躍にぼくらが感動したり元気をもらったりするように、「誰かを感動させよう」なんてわざわざ思わなくても、人はただ好きなことを一生懸命やっていればそれで他人に何かを与えられるのだと、そのメッセージを通して学んだ。

そしてぼくは、苦手なことや嫌いなことに耐えて頑張る生き方ではなく、心から好きなことで頑張る生き方をしようと思った。それで、「どうやったらなれるのかわからないけど、ライターになりたい」と憧れを抱くようになった。

そういうわけで、「自転車旅の発信」は、ぼくのライターとしての原点である。

※詳細に興味のある方は以下の記事をお読みください。

14年前は、まだ「書くこと」が仕事になるなんて思いもしなかったなかで走り続け、旅の感動を伝えようと、一生懸命文字を打った。まだノートパソコンもiPhoneも持っていなかったから、ガラケーでアメブロを更新していた。だけど大きなやりがいを感じたし、書くのが楽しくて仕方なかった。

あれから随分時間が経ったけど、あの頃の感覚を思い出すような、素敵な旅になったらいいな。

東北一周自転車旅、始まります。

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東北一周自転車旅
第1ステージ
東京都大田区〜埼玉県草加市(35km)

朝起きて、喉の痛みはほぼ消えていた。良かった。。。

実は日曜あたりから喉が痛くて、悪化しないでくれと願い続けていた。昨夜、荷造りを諦め早く寝たのが幸いしたようだ。体調が最優先である。

朝8時半に起きて、急いで荷造りを始める。昨日のうちに荷物のチェックリストだけは作っておいたから、それに従って準備するだけだった。

せっかく毎日筋トレみたいなことをするわけだから、運動の前後にプロテインを飲もうと、1kgのパウダーをリュックに入れた。それがいちばん重たい荷物。忘れずに毎日飲んで、帰ってくる頃に少しは身体がたくましくなってほしい。

プロテイン1kgを旅行中に飲み干すのが目標

洗濯もしたりで、なんだかんだ時間がかかった。荷物は大きなリュックがひとつと、後輪の上にやや大きめのバッグ。あとはハンドル部分とフレーム部分にダイソーで見つけて買ってきた小さな荷物入れを取り付けた。

30リットルのリュックがパンパンになったからまあまあ重いけど、背負ってみるとなんとかなりそうではあった。山越えは不安だけど、なるようになるさ。。。

自転車に空気を入れて、荷物を取り付け、13時に大田区の自宅を出発。今日は埼玉県の草加を目指す。

ドキドキワクワクの出発

走り始めてすぐに気になったのは、ドリンクホルダーだった。ペットボトルやタンブラーを入れると微妙に隙間ができ、とくにタンブラーがガタガタ揺れて傷ついてしまうため、途中のダイソーでペットボトルカバーを購入した。サイズピッタリで問題解消したけど、猫とパンダの柄でかわいくなってしまった。

旅の相棒、爆誕

品川、三田、銀座、日本橋を通り、新日本橋の交差点を右折して国道6号線へ。この国道6号線は、茨城県と福島県の海沿いを通って仙台へと続く主要な道路。とカッコ良さそうに言っておきながら、あとで気付いたのだけど、ぼくは道を間違えていた。

浅草寺前

本当は国道6号線なんて入らずに、今走っている国道4号線でまっすぐ上野まで行って、そのままずーっと4号線で走ればほぼ草加まで来れてしまうのだ。

そのことに途中で気付き、四つ木橋から荒川サイクリングロードを北千住まで走り、国道4号線に復帰。そういうわけで5km余分に走ることになったけど、河川敷は気持ち良かったし、良いトレーニングになったとプラスに捉えよう。ちなみに国道4号線は、日本橋を起点に遥か青森市まで続く、東北の最重要道路である。

荒川河川敷は気持ち良かった

北千住から千住新橋を通って荒川を渡り、あとは8km、草加までまっすぐ走るだけ。簡単だった。

ただ、ひとつ残念なことがあり、後輪のバッグに取り付けていたサンダルが走行中どこかで落ちてしまったらしく、気付いたらなくなっていた。宿に着いたら何かとサンダルがあった方が便利ではと思って昨日300円で買ったばかりのものだった。まだ一度も使ってないのに悲しいけど、大切なモノじゃなくて良かった。気をつけよう。

国道4号線。残り4km

16時過ぎ、ゴールの草加駅に到着。今日の走行距離は35km。足はまずまず動いたけど、やっぱりリュックを背負っている分、肩や首の疲労が大きい。でも、身体がなまっていた割には走れたな、というポジティブな感覚。少しずつ負荷をかけて、身体を慣らしていきたい。

草加駅で初日ゴール

草加では「ホテル朋泉」に宿泊。駅周辺では一番安いビジネスホテルだった。小さな大浴場もあり、満足。オーストラリアの旅では10日間湯船に浸かれなかったから、もう初日から大浴場に浸かれるだけで、幸せが込み上げてきた。嬉しいなあ。日本の旅はこの点が良い。各地の温泉にもたくさん入りたいな。

フロント前にはなぜかバナナの無料サービスがあり、たくさん置いてある。おもしろい。

宿のコインランドリーで洗濯もできた。洗濯機200円、乾燥機100円。この安さもありがたい。

忘れないうちに、今日使ったお金。ペットボトルカバー2つ220円、安全用の蛍光リング110円、アクエリアス(1ℓ)151円、コインランドリー300円、水(2ℓ)106円、夕食1030円、ホテル代6745円。お金の記録は価値があるから毎日続けたいけど、ちょっと面倒でもあるから今日が最後かもしれない。

夕食は「担々麺 胡麻」の黒胡麻担々麺(880円)とライス(150円)。3度目の訪問だけど、ここの坦々麺はおいしい。草加に来ると食べたくなるお店。

「担々麺 胡麻」の黒胡麻担々麺

疲れもあるけど、自転車旅はやっぱり楽しい。こういうことをするために、会社員を辞めてフリーランスになったんだよなと思い出してきた。

今夜は仕事の初稿戻しのチェックをして、サッカー日本代表のトルコ戦を観てから寝る。

明日は宇都宮でランチの予定。やっぱり餃子かな。楽しみだ。


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