見出し画像

コロナ闘病日記 〜発症から回復までの11日間の記録〜

9月6日(火)、ついに新型コロナウイルスに罹ってしまったので、簡単にではあるが闘病生活の記録を残しておく。

感染の背景として考えられること

発症した前の週は、自身のツイートとnoteがバズり、突然のテレビ出演などもあったため、自律神経が大いに乱れていた。

絶え間ないTwitterの通知で、脳は常に興奮状態。毎晩2〜3時間は不眠症に悩まされ、深夜3時頃にも目が覚めてそこからなかなか寝付けず、ということが繰り返された。心理的な疲労はかなり溜まっていて、だいたいそういうときは免疫が落ちるので、このタイミングで罹ってしまったのも個人的には頷ける。

1日目:9月6日(火) 喉の痛みLv.0

朝起きたとき、喉に違和感があった。痛みはない。ただ、なんとなく喉に何かが「引っかかる」感覚があった。これは初めての感覚で、そのときはまだ、風邪を引きそう、という予感もなかった。

午前中はnoteを書いていた。書き終えたあたりで、なんかだるいな〜と倦怠感が押し寄せてきた。お昼になり、家でご飯を食べる。そのあと、たまらず横になりたくなって、気づいたらしっかり昼寝をしていた。昼からこんなにぐっすり寝るなんて変だなあ、よっぽど疲れているんだなあと思った。

15時から、お電話でコンサルをした。新規の方だったので、90分間の初回セッション。話しながら何度か咳き込むことがあり、「あれ、おかしいな」と思った。夕方にも別の生徒さんと20分ほどお電話をしたが、このときにはさらに話すのが辛くなっていた。

なんだかクラクラする。頭痛、倦怠感、筋肉痛(これは2日前の筋トレも影響)がある。今日は夕食を取ったらさっさと寝よう、と家に帰って何気なく熱を測ると、37.7℃。コロナ禍で初めての発熱。ついにコロナに罹ってしまったのか? それともただの風邪か? 判別はつかないが、翌朝には熱が下がることを祈って20時にベッドに入った。

解熱剤を飲んで寝たが、深夜はひどく汗をかいたり、逆に全身に悪寒が走って着込んだりと、目まぐるしく体感温度が変わった。「普通の風邪ではない」という感じだった。

2日目:9月7日(水) 喉の痛みLv.1

残酷にも朝6時の体温計は再び37.7℃を示した。

のどは昨日より悪化していた。まだ痛みはないが、じわじわ炎症が進んでいる感覚があった。全体的に、昨日よりもキツさが増してる。頭痛、腰痛、だるさ。

朝10時、イブクイックが効いたようで、37.1℃にまで下がった。東京都福祉保健局のサイトから抗原定性検査キットの郵送を申し込んだ(無料)。

今は病院のパンクを防ぐため、先に自身で検査して、陽性だったら近所のかかりつけ医へ、という流れになっている。午前中に申し込んだから、明日には届くようだ。ひとまず検査キットを待つしかない。

悩ましいのは、翌週の月曜日(5日後)に、モデルのお仕事が入っていたことだった。普通の熱ならなんとか治して間に合いそうだが、もしコロナだったら一発アウトだ。依頼主のカメラマンさんには、明日の抗原検査をしてから連絡をすべきか、先に熱があることだけでも今のうちに伝えるべきか、迷ったが、先に伝えることにした。すると、コロナだった場合に備えて、すぐぼくの仕事はキャンセルになった。モデルの代役を手配するなら一日でも早い方がいいし、明日の抗原検査が陰性だったとしてもコロナの可能性を100%除去できるわけではないので、念には念に、ということで。先方にご迷惑をおかけしてしまい申し訳なかったが、「これで療養に専念できる」とぼくとしてもありがたかった。

食べるときを除けばほとんど寝ていた。15時、38.3℃。非常にだるい。夕方ベットで読書。16時半、37.4℃。21時、38.2℃。

3日目:9月8日(木) 喉の痛みLv.5

深夜3時、喉の痛みが増してきた。ついに痛いと感じるレベルまでになった。

朝7時、37.8℃。咳も出る。

朝9時、ピンポーンと鳴って、抗原検査キットが届いた。早い。

初めての抗原検査。綿棒のようなもので鼻の奥の粘膜を取り、試験液に浸けて、それを測定器に3滴垂らす。CとTのところに両方線が出たら「陽性」となるのだが、見事にクッキリと、線が出た。発症から3日目にして、陽性だとわかった。これが朝9時半。

正直、ちょっと安心した。もし陰性だったら、「コロナじゃないなら、なんなんだこれは」と不安になるくらい変な症状だったから。一応ワクチンは2回打っているし、軽症で済むだろう。

すぐに近くの医院に電話をした。「抗原検査で陽性でした」と伝えると、「では確定診断ですね」と言われた。「10時20分に医院の前にお越しください。着いたら外からお電話ください」

医院の前から電話をかけると、防護マスクをした看護師さんが出てきて、奥に通された。そしてこの医院から保健所にコロナ患者として登録してもらえるとのこと。PCR検査はしなかった。もう抗原検査と、症状からも陽性はほぼ確定しているので、軽く症状を伝えた程度で、ほとんど事務的な処理だった。「症状が悪化したり、不安なことがあったりしたら、ここに電話してください」といくつか書類も渡された。

隣の薬局で、薬をもらった。診察料も、薬代も、ともに無料だった。これがいわゆる「2類相当」と「5類」の違いか、と思った。現状コロナは「2類相当」なので、全額公費負担となる。世間では、医療機関や保健所の負担を減らすために、季節性インフルエンザと同等の「5類」に分類を引き下げるよう求める意見が出ているが、もしそれが実現すると、個人の医療費の負担は増すことになる。とりあえず、今は無料でありがたかった。自分が感染した今、全体最適性のことは考えづらくなる。

隔離期間は、ちょうど10日から7日に短縮されたタイミングで、これもラッキーだった。発症日(9月6日)を0日目として数え、7日目(9月13日)までが自宅療養期間となる。東京都福祉保健局のサイトから、食料品の配送を申し込んだ。

この日はとにかく咳がひどかった。苦しい。22時、36.1℃。薬で熱は下がった。

4日目:9月9日(金) 喉の痛みLv.8

朝8時半、37.4℃。喉がとにかく痛い(しかしこれはまだMAXではなかった)、頭痛、クラクラする。今までで一番キツい。

10時半、37.5℃。ダンボール2箱分の食料が届いた。すごい! 箱の中身を開けたときが、陽性後、唯一テンションが上がった瞬間だった。

例のごとく、すべての食料品を並べた。

カゴメ野菜ジュース、ごはんパック、のりたま、ツナ缶、桃缶、ミックスナッツ、スープ はるさめ、スパゲッティ、パスタソース、ハンバーグ、レトルトカレー、ドレッシング、緑のたぬき、赤いきつね、カップスター、緑茶ティーバッグ、味噌汁、もずくスープ、サバ缶、おかゆ、ボトルコーヒー、クッキー、リポビタンジェリー、キリン イミューズ、甘酒、ビタミンレモン、パイナップルゼリー、チップスター、麦茶、経口補水液OS-1パウダー 

実際に買ったらいくら分くらいだろう? 結構ある。甘酒を冷やして飲んだ。今思えば、このときはまだハッキリと味覚があった。急変するのは翌日からである。

13時、36.5℃
19時、37.7℃

5日目:9月10日(土) 喉の痛みLv.10

深夜4時半、38.0℃。夜中は最もしんどかった。喉がMAXレベルの激痛、頭クラクラ。水を飲むのも辛い。

ぼくの喉はバーナーで焼かれたんじゃないか、あるいは刃物で切り刻まれたのではないか、と思うくらい痛みが最高潮に達したこの日、朝起きたら味覚と嗅覚が消えていた。試しに「にんにくチューブ」を嗅いでも、何もわからない。無臭。

8時半、36.2℃

とにかく喉の痛みが辛過ぎて、ひたすら寝ているだけ。本を読む余裕もない。もちろんパソコンも開けない。

夜、卵焼きを作ってみたが、無味のゴムを食べているような感覚だった。何を食べてもおいしくない。そして飲み込むたび激痛。これでは食欲が落ちるのも当然だ。

タイミングからして明らかに、喉の炎症悪化と嗅覚・味覚障害は関係していそうだった。東大の保健センターのサイトには以下のような文章が載っていた。

新型コロナウイルスによる嗅覚・味覚障害は、神経そのものの障害とするには早期に改善する例が多いため、神経自体の障害というより、神経周辺にある嗅細胞の支持細胞等への障害により、嗅神経の機能が阻害されている可能性も考えられます。

味覚障害に関しては、舌の味覚をつかさどる組織である味蕾や神経へのウイルスによる障害に加え、嗅覚障害に伴い食品の匂いがわからないことによる風味の障害が機序として想定されます。
東京大学 保健センターのサイトより

喉の炎症から、嗅覚や味覚に関わる神経機能にも異常が現れてしまったのかもしれない。

22時、35.9℃

6日目:9月11日(日) 喉の痛みLv.10

最強に辛い。喉痛い。今日もただ寝るだけ。5日目以降、もう熱はなくなったので測っていない。

Amazonで買った喉スプレー、うがい液、トローチが届いた。喉スプレーは効果を感じる。特に夜中に激痛が走るので、ひたすらスプレーをかけていた。染みるんだけど、効いている感じがある。

うがい液は、ポビドンヨード(イソジン)を買ってしまったが、今思えばアズノールを買えば良かった。アズノールの方が抗炎症作用があるようだ(後日医者から処方されたのがアズノールうがい液だったので、その時点で違いに気付いた)。

7日目:9月12日(月) 喉の痛みLv.10

朝、まだ喉が痛い。何か食べないと薬を飲めないから、必死にヨーグルトを数口食べ、薬を飲む。また寝る。

8日目:9月13日(火) 喉の痛みLv.10

メチャクチャ辛い。ここまでコロナに感染したことを家族にしか伝えていなかったが、この日初めてTwitterやFacebookで感染を告白。皆様からの励ましの声が温かかった。「喉の痛みにはベンザブロックLプレミアムが効きます」などの貴重な情報もあった(翌日買ってきて試したが、これは確かに効いた)。

また、感染報告に伴い、様々な友人・知人から「実は私も先月コロナに罹って」などの声が寄せられた。DMも多かった。みんな自分からはあまり言わないけど、随分多くの人がひっそりと感染していたんだなと思わされた。

午後、母が食べ物を持ってきてくれた。味覚がないと言っているのに、「デザートにはシャインマスカット。おいしいよ」と。もったいない(涙)滅多に食べられない貴重なシャインマスカットなのに、味がしないというのは実にもったいない。

「シャインマスカットは、岡山産のと山梨産の、分けてある。皮の厚みが違うけどどちらもおいしい」

食べ比べてわかったのは、皮の厚みの違いだけだった。どちらも抜群に味がしなかった。

9日目:9月14日(水) 喉の痛みLv.6

起きたとき、ついに喉の痛みがかなり緩和されていた。まだ痛いが、峠は越えた。午後には添削もできた。

そして自宅療養期間が終了したので、この日からは外に出られる。ほとんど家にいたけど、スーパーをぶらぶらするのは良い気分転換になった。

10日目:9月15日(木) 喉の痛みLv.3

喉の痛みはさらに減っていた。

朝は蒲田の耳鼻咽頭科へ。味覚障害を早く治したいので、相談しに行った。鼻からのファイバースコープで喉の炎症も診てくれた。

「喉は確かに、結構炎症していますね。味覚障害に関しては、まだ後遺症というには早いです。後遺症というのは2ヶ月くらい経ってもまだ継続している場合ですね。そのときには上咽頭擦過療法も選択肢のひとつですが、今の状況では、まずは薬剤投与でいいでしょう」

ぼくはTwitterで目にした「上咽頭擦過療法(通称EAT)」に興味を持ち、先生に「試してみたいのですが」と訴えたところ、上記のような回答があったのである。要するにこの方法を試すにはまだ早い、と。

先生は嗅覚・味覚障害に効くという「ポラプレジンク(亜鉛の入った薬)」や、「リンデロン」の点鼻薬、漢方の「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」などを処方してくれた。これらの薬のおかげが、一時的にではあるが、ほんの少し嗅覚が回復した。生姜やにんにくの匂いが感じられた。

この日は、味覚障害を除けばかなり快適に食事ができるようになった。喉の痛みさえなければ、だいぶ過ごしやすい。夕方は2時間ほど添削ができた。

夜、抗原検査をしてみたら、陰性になった。ひとまず安心。

11日目:9月16日(金) 喉の痛みLv.1

もう喉はほとんど痛くない。炎症は残っているが、そこまで支障はない。風邪っぽいだるさは少しあるものの、会社員だったら軽くゴホゴホしていながらも普通に出勤しているレベルにまで回復した。

喉の痛みが消えると、急激に食欲が戻ってきた。お昼はレトルトのカレーを食べ、夜は「かつや」のテイクアウトでカツ丼と豚汁を食べた。しっかり食べると身体も気持ちもさらに元気になってくる。

終わりに

心のどこかで「自分は罹らずに済むんじゃないか」という淡い期待を抱いていたが、人生そんなに甘くはなかった。正直、コロナはかなりしんどい。一週間程度で仕事を再開できるだろうと思っていた。しかし見立てが甘かった。喉は信じられないくらいの激痛だったし、味覚・嗅覚も完全になくなった。余裕がなく、本すらほとんど読めなかった。時間だけがただ過ぎていった。仕事ができないから自営業にはキツい。

発症から12日が経ち、ようやく普通に生活できるまで回復した。現在の症状としては、風邪の余韻のような、若干のだるさ。わずかな喉の痛みや咳。これらは間もなく消えるだろう。問題は味覚・嗅覚障害である。こればかりは初めての経験で予想がつかない。一週間後なのか一ヶ月後なのかわからないが、必ず治ると信じている。また治った際はこのnoteに追記で報告したい。

感染者は徐々に減ってきているが、どうか油断せず。症状には個人差があり、ぼくは軽症でも辛かった。ただの風邪と侮らないよう。

お読みいただきありがとうございます! 記事のシェアやサポートをしていただけたら嬉しいです! 執筆時のスタバ代に使わせていただきます。